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256 ゴブ夫くん以上の衝撃

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 ようやく全てのアイテムの強化が終わった。

 最後になってしまったアイテムを届けにミスフィートさんの部屋に入る。


 トントントン


「入っていいぞ」


 ガチャリ


「強化が終わったので届けに来ました」
「そうか!大変だったろう?ありがとうな!」
「ダンジョン帰りはいつもこうなんで、覚悟はしてましたよ」


 何気に部屋を見渡すと、うさ耳を付けたゴブ夫くんがベッドの横に立っていた。


「ぶっ!!なんでゴブ夫くんが、うさ耳付けてるんですか!!」

「うさ耳を付ければ可愛いくなると思ったのに、思ったほどでもなかった」
「そりゃそうでしょう!あの強面に付けてもシュールなだけです」


 ああ、当然ながらゴブ夫くんもうさ耳カチューシャも強化したぞ。
 すごくお気に入りみたいだから、昨日優先してやったのだ。


「ちょっと遅くなってしまいましたが、今日から電動歯ブラシが使えますよ!」


 強化が終わったアイテムをテーブルに置いてから、ミスフィートさんに電動歯ブラシを渡した。


「そうそう!これも非常に気になっていたのだ!」

 ミスフィートさんがスイッチを入れると、ブラシ部分が『ウィーン』と小刻みに動き出した。

「普通の歯ブラシのようにゴシゴシ動かしても良いですし、まあ使ってれば電動歯ブラシのコツみたいのがわかってくると思います」
「よし、早速試してみよう!」


 ミスフィートさんが洗面台に移動して試してみた。


 ウィーン


「おおおっ!これは凄いぞ!?普段よりも磨いてるって感じがする!」
「でしょう?間違いなくそれは大当たりです」


 マジで俺も欲しかったなあ。頑張れば自作できる気もするから挑戦してみっか。

 お届け物は全て渡したので、次は和泉の部屋へと向かった。



 ・・・・・



 廊下を歩いていると、ララとメルティー様が手を繋いでふわふわ飛んでいた。


「ほう、二人ともいつも元気そうだな」


 すれ違う時になって、その違和感に気付く。


「まてまてまて~い!!!なんで飛んでるの!?!?」

「うにゅにゅ??」
「メルティーちゃん、飛んでるのってボクたちしかいないよ?」


 二人がふわっと着地した。


「いつの間に飛べるようになったんですか!?」

「ん~~~、よくわからないけど変身すると飛べるのじゃ!」
「この前はっけんしたんだもんね~!」


 マジかよ!そういや魔法少女の検証をしてなかったな。
 魔法が使えるのかと思ってたのに、まさか空を飛べるとは!!


「えーと、それって速く飛べたりもするの!?」

「はて?よくわからないのじゃ。でもいつもアレくらいなのじゃ」
「はやいと怖いから今のままでいいよ!」
「んむ!」

「そ、そうか。あまり高く飛ぶと、変身が切れた時に落ちて大怪我をするかもしれないから、飛ぶ時はほどほどの高さにしましょうね!」

 その光景を想像したメルティー様が納得の表情になった。

「なるほど!わかったのじゃ!」
「そっか~!高いと危ないのね!」


 二人はまたふわっと宙に浮いた。


 カシャッ!


 その姿が滅茶苦茶可愛らしかったので、記念に写真に撮っといた。

 いやー、しかし驚いたな!魔法少女ハンパねえわ!

 飛べるとなると色々と使い道があるけど、あげちゃった物を返せとは言えん。
 どっちにしろ俺が魔法少女になるわけにもいかんし、あの二人のオモチャってことでいいか・・・。
 ふわふわしてて微笑ましいし、悪さに使うなんてことも無いだろう。

 うむ、あまり気にしないのが一番だ。



 トントントン


「入っていいわよ~」


 ガチャリ


「強化が全部終わったんで届けに来たぞ」

「お疲れさま~!ありがとね!」


 テーブルにアイテムを乗せて行く。


「今ここへ来る時にさ、メルティー様とララがふわふわ飛んでて驚いたぞ!」
「はい!?」

 さっき撮った写真を和泉に渡した。

「ぷはっ!!何よこれ!!えーーー?本当に飛んでたの?」
「そういや和泉には言ってなかったな。メルティー様が着ている服って魔法少女の服なんだわ。ステッキを掲げて呪文を唱えると、魔法少女に変身出来るのだ!」
「あははははっ!それってやっぱりガチャから出たの?」
「もちろんガチャだ。しかも金カプセルの大当たり」
「あのガチャって、やっぱり普通じゃないのねえ~」


 間違いなく普通ではないな。カプセルがポフッと変化する所からしておかしい。

 そもそもガチャの女神様も、かなり遊び半分で色々入れてるよな?赤い流星にしたって、鬼っ娘にしたって、真面目にやって入れたりしないだろ!


「そうだ和泉!カーラにマイクロ水着を貸したな!?」
「ああ~!確かに貸してって言われたから貸したわね。もしかして見たの?」
「見たっていうか昨日プールで泳ごうとしたら、ウォータースライダーからマイクロ水着を着たカーラが滑って来て、マジでおったまげたぞ!」
「ぷはははははははっ!!よくあんな破廉恥な水着が着れるわよね!?」
「アレはヤバすぎだろ!なんか絶対他の人が真似する気がするぞ」
「さっきルーシー達に貸したわよ?」
「やっぱり次は三馬鹿トリオか!予想を裏切らないヤツらよ・・・」


 今日も風呂に行く時は要注意だな。また泳げない状況になりそうな気がするぞ!
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