上 下
255 / 798

255 おい!・・・おいっ!

しおりを挟む
 あの後ミスフィートさんの提案で、シルバーウルフの解体をしたようだ。
 もちろん利益なんて求めていないので、毛皮は解体した人のモノだ。

 前回参加出来なかった人を優先したので、今回ので城内にいる全員に毛皮が行き渡ったんじゃないかな?
 あの毛皮はガチで最高級品だから、欲しくない人なんて皆無だ。万が一金に困ることがあっても、毛皮を売ればかなりの大金になるだろう。
 もっとも城内の人達は金持ちなので、そんなことはしないだろうけどな。


 そして一夜明け、今日もミスフィートさんを起こしに部屋へ入った。

 見れば昨日と同様、布団だけが膨らんでいる状態だった。


「ふっ!またゴブ夫くんで俺をハメようったって、そうはいきませんよ?」


 だがベッドの横にゴブ夫くんが立っているのが見えた。


「あれ?ゴブ夫くんが普通に立ってるな。さすがに同じことはやらんか・・・」


 訝しみながら布団をめくると、ミスフィートさんが普通に眠っていた。

 ・・・なんだ、本当に起こして欲しかっただけだったのか。


「ミスフィートさ~ん、朝ですよ~!ッのわあっ!!」


 布団の中に引き摺り込まれた。


「ぐもっ!もごごごっ!!」


 うおおおおお!顔に二つのやわらかいモノが!!
 これはゴブ夫くん以上のピンチ!?


「ん~~~~~~っ!!はぁ~、小烏丸おはよ~~」

「ぷはーっ!まさかいきなりベッドに引き摺り込まれるとは!お早うございます」


 やっと解放してくれた。役得とはいえ少し刺激が・・・。
 ってか俺は何のために呼ばれたんだ?


「あの~、今日はただ起こして欲しかっただけなんですか?」
「そうだぞ!あー、それと服を着せてもらおうと思ったのだ!」


 大した理由じゃなかったらしい。本当にお嬢様には困ったものです。


「ああ、それじゃあ巫女装束DXを着てみますか?強化も終わってますので」
「うむ!今日はそれを着るつもりだった!」


 マジックバッグから、巫女装束DXを取り出した。


「じゃあ、って下着は一体どこに・・・」
「ん??あー、こっちに落ちていた!」


 ベッドの向こう側にあったようだ。ってか下着を俺に渡して来たってことは、自分で着ける気はまったく無いのね。

 すったもんだで服を着せた後、ミスフィートさんが鏡の前で確認する。


「思った以上に可愛い服じゃないか!これは大当たりだな!」
「とても良く似合ってますよ!昨日着ていた服よりもふわっふわですよね~」


 ミスフィートさんは、なぜかうさ耳カチューシャを付けた。


「よしっ!」
「意外と、そのうさ耳も気に入ってません!?」
「わははははっ!なんだか、ぴょーんってのが面白くてな!」
「巫女装束にマフラーってのも案外似合うかも?」
「あのモコモコだな?外出する時に巻いてみよう!」


 そういや弾幕ゲーのキャラは、普通の靴と靴下だった気がするな。
 服にフワフワ感があるから、普通の靴でも違和感が無いのかもしれない。

 今日はまだ付与する物がいっぱいなので、1日中部屋に籠城だな。





 ************************************************************





 夕食はダンジョンで狩りまくった魚介類だった。
 俺ら三人はダンジョンでもう十分堪能していたから目新しさは無いけど、城のみんなは大喜びだ。美味さはガチだからな!ってことは近いうちにドラゴンも来るな!?

 夕食後はもちろん大浴場だ。

 昨日は寝不足でそれどころじゃなかったんで、飯食ってすぐ寝たんだよね。
 ダンジョンでは女神の泉に浸かるだけだったから、マジで湯船が恋しかったぞ!

 体を洗い湯船に浸かって大満足した後はプールで一泳ぎだ。



「ブホッ!!!」


 ブールに入って『さあ泳ぐぞ!』って時に、それが目の中に飛び込んで来た。


 ザバーーーン!


「あーっはっはっはっは!!おおーーっ、奇跡的に脱げてない!」

「にゃははははは!なんかお馬鹿ね~!!」


 ・・・何でこんなことになったんだ!?


「うおーーーーーい!!なんでカーラがマイクロビキニ着てるんだよ!!」

「あら、小烏丸!!どお?似合う??」


 カーラが体をくねくねさせている。


「似合うも似合わないも、裸よりエロすぎるわ!!」
「あははははっ!!でもこれ、意外とポロリしないのよ?」


 体を左右に激しく振ったりしても、何とか大事な場所だけは隠れている。


「やめーい!ってかそのマイクロ水着は和泉のだよな?」
「さっきイズミがナターシャ達に見せていたんだ。でもこんなの絶対に着られないって言うから、試しに借りてみたのよ!まあ確かに、公衆の面前ではお見せ出来ない姿よね~!」
「まあそりゃあなあ・・・、ってココでは良いんかい!」
「小烏丸以外に男いないし?別にアナタになら中も見せてあげるわよ?」


 カーラが水着をひょいとずらした。


「ぷはっ!おい、マジやめて!裸の数倍エロいんだよそれ!」
「あはははっ!でも本当に破廉恥な水着よね~。こんなのどこで着ろというのよ」
「それはわからん。作った人もお遊びで作ったんじゃねえか?」
「ほほ~お?一体何をして遊ぶんでしょうね~?」


 ぐぬぬぬ・・・、泳ぐつもりが都合により泳げる状態じゃなくなってしまったぞ!
しおりを挟む
感想 418

あなたにおすすめの小説

ド底辺から始める下克上! 〜神に嫌われ無能力となった男。街を追放された末、理を外れた【超越】魔法に覚醒し、一大領主へ成り上がる。

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
この世界では、18の歳になると、創造神・ミーネより皆に魔力が授けられる。 捨て子だったハイネは教会に拾われたこともあり、どれだけ辛いことがあっても、ミーネを信奉し日々拝んできたが………   魔力付与式当日。 なぜかハイネにだけ、魔力が与えられることはなかった。日々の努力や信仰は全く報われなかったのだ。 ハイネは、大人たちの都合により、身体に『悪魔』を封印された忌み子でもあった。 そのため、 「能力を与えられなかったのは、呪われているからだ」 と決めつけられ、領主であるマルテ伯爵に街を追放されてしまう。 その夜、山で魔物に襲われ死にかけるハイネ。 そのとき、『悪魔』を封印していた首輪が切れ、身体に眠る力が目覚めた。 実は、封印されていたのは悪魔ではなく、別世界を司る女神だったのだ。 今は、ハイネと完全に同化していると言う。 ハイネはその女神の力を使い、この世には本来存在しない魔法・『超越』魔法で窮地を切り抜ける。 さらに、この『超越』魔法の規格外っぷりは恐ろしく…… 戦闘で並外れた魔法を発動できるのはもちろん、生産面でも、この世の常識を飛び越えたアイテムを量産できるのだ。 この力を使い、まずは小さな村を悪徳代官たちから救うハイネ。 本人は気づくよしもない。 それが、元底辺聖職者の一大両者は成り上がる第一歩だとは。 ◇  一方、そんなハイネを追放した街では……。 領主であるマルテ伯爵が、窮地に追い込まれていた。 彼は、ハイネを『呪われた底辺聖職者』と厄介者扱いしていたが、実はそのハイネの作る護符により街は魔物の侵略を免れていたのだ。 また、マルテ伯爵の娘は、ハイネに密かな思いを寄せており…… 父に愛想を尽かし、家を出奔し、ハイネを探す旅に出てしまう。 そうして、民や娘からの信頼を失い続けた伯爵は、人生崩壊の一途を辿るのであった。

レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした

桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉

まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。 貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜

霞杏檎
ファンタジー
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」 回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。 フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。 しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを…… 途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。 フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。 フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった…… これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である! (160話で完結予定) 元タイトル 「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

全能で楽しく公爵家!!

山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。 未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう! 転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。 スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。 ※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。 ※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

処理中です...