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250 驚愕する事態が発生
しおりを挟む「このわたあめ機は、城に帰ったら皆の玩具だな!」
「間違いなく、みんな群がって来ますね」
「食べ過ぎないように注意しなきゃね~」
三馬鹿トリオが両手にわたあめを持ってる姿が容易に想像出来るぞ。
さて・・・、俺の番だけど、これが最後の1回なんだよな。
今まで散々回しまくったんだから贅沢なのかもしれんけど、それでもガチャに賭ける情熱は一切失われていないつもりだ。
「小烏丸、いざ参る!」
「そういえば最後の1回だったな。気合だぞ!」
「が~んばってね~!」
デラックスガチャに魔石を投入し、大地に膝をついて祈りを捧げる。
「プッ」
こら、後ろ!面白い構図なのはわかるが笑うな!
イカン、今のは忘れろ。冷静になって祈りを捧げるんだ。
―――ここだ。
ガチャコン!キュピン!
「イキマシターーーーーーーーーーーーーー!!!」
「おおっ!!土壇場で銀とは見事だな!」
「変な祈りを捧げてたのに、やるわね・・・」
変な祈り言うな!とにかく問題は中身だ・・・。
[ママチャリDX]
:魔石のエネルギーを使い自動で走ります。評価A
:素材は不明。漕ぐ必要がないのでペダルは固定。
:衝撃耐性+ 魔法耐性 炎耐性 冷気耐性 自動修復(小)
「こ、これは・・・」
「ママチャリじゃない!!」
「ムムム!?なんかバイクに少し似ているな?」
「悪くはない。悪くはないんだけどさあ・・・」
自動で走るってんだから、超高性能自転車なのは間違いなかろう。
しかし、ママチャリ漕いでる赤い流星なんてファンが見たら泣くぞ?いや、自動で走るから漕がないんだけどさ。それに俺にはバイクがあるから必要ないんだよね。
これは和泉にでもやるか。
「俺とミスフィートさんはバイク持ってるしな。これは和泉にやるよ」
「えええーーーーー!?いいの?せっかく当てたのに」
「説明の所に、自動で走ると書いてあるぞ!乗り物じゃないのか?」
「バイクに近い乗り物ですね。速度はたぶんそこまで出ないと思いますけど。なあ和泉よ、赤い流星がチャリ漕いでる姿を想像してみ。・・・わかるな?俺には必要の無い物だ」
「ぷっ!!たしかに最悪ね。じゃあ、ありがたく使わせてもらうね!」
和泉がチャリに跨った。
「あれ??ペダルが動かないよ?」
「そのペダルは固定されてるらしい。それに魔石を入れないと走らんぞ。ちょっと待ってな」
チャリの動力部らしき場所に、魔石(小)をセットした。
「たぶん起動ボタンか、バイクのアクセルみたいのがあるハズだ」
「なるほど!見た目と違って、普通の自転車じゃないのね」
和泉がハンドルのグリップを回すと、ママチャリが走り始めた。
「わああ~~~!動いたよ!!」
「おおっ!やはりバイクに似てるな!」
ただガチャ部屋はそれほど広くないので、大広場に移動した。
「へ~~~!思った以上に速いな!」
「これはやはり大当たりじゃないか?バイクが無ければ間違いなく愛用するだろう?」
「ですねー。俺とミスフィートさん以外には、すごく貴重な乗り物だと思います」
キキーーーッ!
「すごいよこのママチャリ!普通の自転車より全然速い!!」
「しかも漕がなくていいもんな。タイヤが細いバイクみたいなもんだ」
「私も乗ってみていいか?」
「どうぞ~」
ミスフィートさんがチャリに乗って広場を1周して来た。
「わはははははっ!バイクと違って、お手軽な感じが素晴らしいじゃないか!」
「小烏丸は乗らないの?」
「赤い流星がママチャリに乗るわけにはイカン!!」
ちょっと乗ってみたいけどココは我慢だ。子供達の夢を奪ってはいけない!
「おっと、これくらいにしとこう。強化してないから消耗してしまう」
「自動修復なら付いてるぞ?ああ、でも汚れてしまうか」
「そうね~、お城に帰ってから乗り回すわ!」
チャリをマジックバッグに収納して、ガチャ部屋に戻った。
「俺はこれで終了だ。最後に良いのが引けて結構満足したぜ!」
「次はイズミの番だな!」
「いい流れだから、私も良い物引けるといいなぁ・・・」
だが残念ながら、それからしばらく青いカプセルしか出なかった。
イ=和泉 ミ=ミスフィート
イ ガチャコン 青 リュックサック
ミ ガチャコン 青 カチューシャ(ラビ)
イ ガチャコン 青 帽子(黒)
しかしミスフィートさんの5回目に緑のカプセルが来た。
カプセルがカードごとポフッと変化する。
「なッ!?」
「うわっ!!いきなりゴブリンが出たぞ!?」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
驚いたミスフィートさんが手を引っ込めて、ゴブリンが着地した。
しかしなぜこのタイミングでコイツが出て来やがる!?
・・・ん?
「動かんな」
「これってもしや、人形じゃないのか?」
「人形なの!?」
鑑定すると、ゴブリンのぬいぐるみ(等身大)と書いてあった。
「プハッ!等身大のぬいぐるみかよ!!!しかもこれって1階のアルティメットゴブリンじゃね!?」
「おお~!触るとフワフワしているぞ」
「変なぬいぐるみ作らないでよね!まったくもう・・・」
いや~、マジでビックリしたわっ!!何もココまでリアルに再現しなくても。
「ふふっ!あーっはっはっはっは!!」
「なんかミスフィートさん、意外と気に入ってません??」
「えーーーっ!?こんなのが嬉しいの!?」
等身大ゴブリンのぬいぐるみは、ミスフィートさんにとって当たりだった模様。
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