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223 軍用機関車、そして醤油作り
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トラネコで休憩した後、機関車はミルドナーガへ行って折り返し、再度トラネコ経由でシェルフィーユへと向かった。
毎回トラネコを経由するのがちょっと面倒臭く感じたけど、ミルドナーガからシェルフィーユへ直接行けるよう線路を作るかどうかは保留中。
ミルドナーガから直接シェルフィーユに行く機会が今の所無いんだよね。もう少し尾張の国全体が栄えれば必要性が出て来るだろうから、まあ気長にやろうって感じかな~。軍事的な理由からもいずれ必要になるだろうから。
そして600人を乗せた機関車は、何日かぶりにようやくルーサイアに帰って来た。
「ルーサイアに帰って来たーーーーーーーー!」
「楽しかったけど、後半は少し苦痛だったわね」
「向こうに行きたい理由があれば、話は変わるのでしょうけど」
そうなんよね。用事があったわけでもなく、ただ何日も機関車に乗ってただけだから、後半ダレるのも無理はないのだ。
ただ今回は機関車の試運転なので、無駄な時間だったとは思わないで欲しい。
旅の間に感じた不満などが今後に生かされて、機関車がどんどん快適になっていくのだから。
「皆様、長旅お疲れ様でした。今回は機関車の試運転に協力して頂き感謝します!この試運転で機関車の性能や改善部分を大体把握することが出来ました。これからの運営に全て生かされることでしょう!」
一般開放を見据えてってだけじゃなく、軍用として使う機関車も作る予定なので、重量による速度の低下割合など、知りたい情報が本当に色々とあったんだ。
「もうすぐ機関車は一般人に開放されます。尾張の人々が気軽に国内を移動出来るようになれば、この国は一気に活性化されます!首都となったルーサイアに来てみたいと思ってる人は大勢いるのですよ。ひょっとしたら軍に入隊を希望する者が押し寄せて来る可能性もありますね。機関車の誕生によって生まれるこれからの変化を楽しみにしていて下さい。では解散!」
「「お疲れさまでしたー!!」」
ふぃ~~~、これでやっと次に進めるな・・・。
しかし軍専用の機関車は急いで作る必要があるか。有事の際に『機関車がねえ!』じゃ話にならんからな。
しかも軍用の方は、一度で2000人以上運べる機関車を作らねばならん。いや、一つの機関車で全員運ぶ必要は無いのか。何台も作るのはかなり大変だけど、やるしかないだろう。ああ、トラネコ城にも必要になるか・・・。
圧倒的移送速度のある軍は本当に強い。
素早く援軍が到着することで、攻め込まれた時の被害が激減するからだ。
そう考えると、やはりミルドナーガとシェルフィーユも線路で繋げた方がいいかもしれんなあ・・・。機関車の機動性は、尾張の強さを更に強固なモノにするだろう。
三河からの援軍とかもかなりの速さで到着するって考えると、機関車を作ったのは大正解だよなやっぱ。国境を守るチェリンやリタ・リナを死なせない為にも、急いで完成させなきゃな。
俺はまだまだやることいっぱいなので、高く付くけどドワーフに注文だ。
機関車のエンジンは俺じゃなきゃ作れないけど、車両作りは全部彼らに任せても大丈夫だと思う。今は頼んでいたレール作りが終わった直後だけど、逆に言えば、手の空いてるドワーフがいっぱいいるということだ。
よし!軍用機関車を作ってもらった後、ミルドナーガとシェルフィーユも繋いでもらうことにしよう。ドワーフが瀕死になるかもだけど、俺も瀕死だから安心しろ!
************************************************************
ここはルーサイア港から数キロ離れた海辺。
海水から塩を作る為に、エルフ達と共に施設を完成させた。
海水を汲み上げ、太陽光と風でそれを乾燥させて『かん水』を作り、それを煮詰めて塩を作るのだ。
ここで働く人も当然ルーサイアから集めたぞ。非常に地味な作業でキツかったけど、とにかくこれで大量の塩を生産出来るようになったのだ。
ってことで、塩はもういくらでも手に入る。間違いなく今よりも安く買えるようになるから、尾張国民の生活がまた一つ豊かになるだろう。
問題は醤油と味噌だな。
和泉が作ることになってるんだけど、進展があったかどうか一度聞いてみるか。
・・・・・
「醤油なめんな」
これが和泉の第一声である。
「麹を作ることには成功したわよ。で、麹と塩水を混ぜた物を諸味と言うのだけれど、この状態から醤油が出来るまで10ヶ月かかるの」
「へ!?そんな長期戦だったのか!じゃあ味噌は?」
「味噌も一緒よ。大豆を煮てから潰して、麹を混ぜて10ヶ月から12ヶ月放置!」
「マジか!?そこまで長期戦だと、一般に出回るのに更に年月が必要じゃん」
「そうね。私が今作ってるヤツが成功するかを見極めてからだと、更に1年かかるわね~」
「のわ~~~、気長すぎる!!わかった、今すぐ動こう。デカい工場作って大量に作るぞ。失敗したら大損することになるけど、そうなったらそうなったでしょうがない。和泉が監修すれば成功率も上がるだろう?」
「いいわよ。それくらいなら手伝うわ」
くっそ~、醤油って1年掛かりだったんだな。
業者の人尊敬するわ。失敗したら取り返すのに1年待たなきゃならないとか、地獄過ぎるだろ・・・。
まあ例えそうだとしても、やるしかないんだけどさ。
醤油と味噌の工場は、エルフ達に頼んで塩工場の近場に建ててもらった。
そして国中の大豆を買い漁って仕込みを行い、そこからは放置だ。
あとは温度に気を付けるくらいだな。
そういや俺が工場にかかりきりの間に、軍用の機関車が完成したぞ。
とりあえずルーサイアとトラネコに一台ずつだ。これじゃあ何往復もしなきゃならないから全然足りていないんだけど、それはまあこれから地味に増やして行く。
そして現在ドワーフ達は、ミルドナーガからシェルフィーユに向かって線路を作っている最中だ。これが完成すれば、まるで隙の無い鉄道網となることだろう。
漁業、工場、そして機関車と、着実に尾張の文明は発展している。
―――しかし事件は現場で起きていた。
伊勢との国境に、またもや聖帝の使者が現れたのだ。
毎回トラネコを経由するのがちょっと面倒臭く感じたけど、ミルドナーガからシェルフィーユへ直接行けるよう線路を作るかどうかは保留中。
ミルドナーガから直接シェルフィーユに行く機会が今の所無いんだよね。もう少し尾張の国全体が栄えれば必要性が出て来るだろうから、まあ気長にやろうって感じかな~。軍事的な理由からもいずれ必要になるだろうから。
そして600人を乗せた機関車は、何日かぶりにようやくルーサイアに帰って来た。
「ルーサイアに帰って来たーーーーーーーー!」
「楽しかったけど、後半は少し苦痛だったわね」
「向こうに行きたい理由があれば、話は変わるのでしょうけど」
そうなんよね。用事があったわけでもなく、ただ何日も機関車に乗ってただけだから、後半ダレるのも無理はないのだ。
ただ今回は機関車の試運転なので、無駄な時間だったとは思わないで欲しい。
旅の間に感じた不満などが今後に生かされて、機関車がどんどん快適になっていくのだから。
「皆様、長旅お疲れ様でした。今回は機関車の試運転に協力して頂き感謝します!この試運転で機関車の性能や改善部分を大体把握することが出来ました。これからの運営に全て生かされることでしょう!」
一般開放を見据えてってだけじゃなく、軍用として使う機関車も作る予定なので、重量による速度の低下割合など、知りたい情報が本当に色々とあったんだ。
「もうすぐ機関車は一般人に開放されます。尾張の人々が気軽に国内を移動出来るようになれば、この国は一気に活性化されます!首都となったルーサイアに来てみたいと思ってる人は大勢いるのですよ。ひょっとしたら軍に入隊を希望する者が押し寄せて来る可能性もありますね。機関車の誕生によって生まれるこれからの変化を楽しみにしていて下さい。では解散!」
「「お疲れさまでしたー!!」」
ふぃ~~~、これでやっと次に進めるな・・・。
しかし軍専用の機関車は急いで作る必要があるか。有事の際に『機関車がねえ!』じゃ話にならんからな。
しかも軍用の方は、一度で2000人以上運べる機関車を作らねばならん。いや、一つの機関車で全員運ぶ必要は無いのか。何台も作るのはかなり大変だけど、やるしかないだろう。ああ、トラネコ城にも必要になるか・・・。
圧倒的移送速度のある軍は本当に強い。
素早く援軍が到着することで、攻め込まれた時の被害が激減するからだ。
そう考えると、やはりミルドナーガとシェルフィーユも線路で繋げた方がいいかもしれんなあ・・・。機関車の機動性は、尾張の強さを更に強固なモノにするだろう。
三河からの援軍とかもかなりの速さで到着するって考えると、機関車を作ったのは大正解だよなやっぱ。国境を守るチェリンやリタ・リナを死なせない為にも、急いで完成させなきゃな。
俺はまだまだやることいっぱいなので、高く付くけどドワーフに注文だ。
機関車のエンジンは俺じゃなきゃ作れないけど、車両作りは全部彼らに任せても大丈夫だと思う。今は頼んでいたレール作りが終わった直後だけど、逆に言えば、手の空いてるドワーフがいっぱいいるということだ。
よし!軍用機関車を作ってもらった後、ミルドナーガとシェルフィーユも繋いでもらうことにしよう。ドワーフが瀕死になるかもだけど、俺も瀕死だから安心しろ!
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ここはルーサイア港から数キロ離れた海辺。
海水から塩を作る為に、エルフ達と共に施設を完成させた。
海水を汲み上げ、太陽光と風でそれを乾燥させて『かん水』を作り、それを煮詰めて塩を作るのだ。
ここで働く人も当然ルーサイアから集めたぞ。非常に地味な作業でキツかったけど、とにかくこれで大量の塩を生産出来るようになったのだ。
ってことで、塩はもういくらでも手に入る。間違いなく今よりも安く買えるようになるから、尾張国民の生活がまた一つ豊かになるだろう。
問題は醤油と味噌だな。
和泉が作ることになってるんだけど、進展があったかどうか一度聞いてみるか。
・・・・・
「醤油なめんな」
これが和泉の第一声である。
「麹を作ることには成功したわよ。で、麹と塩水を混ぜた物を諸味と言うのだけれど、この状態から醤油が出来るまで10ヶ月かかるの」
「へ!?そんな長期戦だったのか!じゃあ味噌は?」
「味噌も一緒よ。大豆を煮てから潰して、麹を混ぜて10ヶ月から12ヶ月放置!」
「マジか!?そこまで長期戦だと、一般に出回るのに更に年月が必要じゃん」
「そうね。私が今作ってるヤツが成功するかを見極めてからだと、更に1年かかるわね~」
「のわ~~~、気長すぎる!!わかった、今すぐ動こう。デカい工場作って大量に作るぞ。失敗したら大損することになるけど、そうなったらそうなったでしょうがない。和泉が監修すれば成功率も上がるだろう?」
「いいわよ。それくらいなら手伝うわ」
くっそ~、醤油って1年掛かりだったんだな。
業者の人尊敬するわ。失敗したら取り返すのに1年待たなきゃならないとか、地獄過ぎるだろ・・・。
まあ例えそうだとしても、やるしかないんだけどさ。
醤油と味噌の工場は、エルフ達に頼んで塩工場の近場に建ててもらった。
そして国中の大豆を買い漁って仕込みを行い、そこからは放置だ。
あとは温度に気を付けるくらいだな。
そういや俺が工場にかかりきりの間に、軍用の機関車が完成したぞ。
とりあえずルーサイアとトラネコに一台ずつだ。これじゃあ何往復もしなきゃならないから全然足りていないんだけど、それはまあこれから地味に増やして行く。
そして現在ドワーフ達は、ミルドナーガからシェルフィーユに向かって線路を作っている最中だ。これが完成すれば、まるで隙の無い鉄道網となることだろう。
漁業、工場、そして機関車と、着実に尾張の文明は発展している。
―――しかし事件は現場で起きていた。
伊勢との国境に、またもや聖帝の使者が現れたのだ。
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