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203 やはりダンジョンで確定かも

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 ライカンスロープは、ウェアウルフと違って剣を持っていた。
 でもいきなりクッソつええ魔物が出るとも思えんから、少し様子見すっか。


 ガルルル!


 ライカンの剣が襲って来るが、リザードマンとかと比べると全然ヌルい。
 やっぱりあのダンジョンは、格別に難易度が高いダンジョンなのだろうな。

 剣を見切りながら弾いたりしていると、ルルがすでに3体のウェアウルフを倒し終わって見学していた。


「あー、悪い!コイツの強さを計ってる間に、そっちに3体行ってしまったか」

「全然余裕だったのですよ」
「このライカンスロープの強さは、ウェアウルフに毛が生えた程度のようだ。俺はもう満足したんで、ルルが倒してしまっていいぞ」
「じゃあ頂くです!」


 剣を弾いてルルと交代した。

 ルルも少しだけ様子見をしていたが、取るに足りない相手と判断し、その後は簡単に倒した。


「ライカンも余裕だったな。ルルの成長もあるのだろうけど、この階層の魔物じゃ相手にならんようだ」
「ですです。もう少し強い魔物と戦いたいのですよ」
「ここがダンジョンならば、深い階層に行けば魔物も強くなるだろうし、奥にはボスもいるハズだ」

「ほう、色違いの魔物が出たのか!強かったか?」

 俺達がもたついていたので、ミスフィートさんとお嬢が来てしまった。

「ウェアウルフよりはちょっと強い感じでしたが、まあ誤差の範囲ですね。ただ剣を持っていましたので、毎回剣を回収出来るのならば美味しい魔物と言えるでしょう」
「無限に鉄を回収出来るのは素晴らしいですわね!」
「なるほど!確かにそれならば美味しい魔物だな!」

 ミスフィートさんが剣を拾って2回ほど素振りをする。

「我らが刀を持つ前に使っていた剣に近い感じかな?今更使う気にはならんが、鉄として考えるならば悪くない」

 剣をお嬢に渡して、次はお嬢が剣を振る。

「同意見ですわね」

 剣と魔物を全てマジックバッグに回収した。


「じゃあ次は私達が先頭だな。どんどん進もうか!」


 強い魔物も出て来ないので、探検隊は順調に奥へと進んで行った。



 ・・・・・



「お!?この奥は広場になっているぞ!」

「ようやく大物のお出ましかしら?」


 ミスフィートさんとお嬢が道を引き返して来た。


「この奥は広場になっているようだ。大物がいる可能性があるので皆も注意してくれ!」

「おお、やっとボスか!どうします?俺らも戦闘に参加しますか?」
「手強い相手ならば皆で倒そうか。でもそれほどの強さじゃなければ、今先頭にいる私とお嬢だけで十分だな」
「えーーー!?なんかずるーい!」
「でも順番ですしね~」


 アイヴィーは不満そうだけど、今はミスフィートさんとお嬢に倒す権利があるからな。それにボスがいきなり強敵でも、あの二人ならば大丈夫だろう。


「じゃあ行くぞ!」

「「オーーーーーーーーー!!」」


 一行は広場に飛び込んだ。


 広場なので、前がよく見えるように全員横に広がった。

 歩きながらキョロキョロと周囲を伺っていると、奥に人型の魔物が見えてきた。


「ぬ・・・、デカいな」

「巨人です!?」


 じりじりと近寄ってから鑑定してみる。


 名前:サイクロプス


 おお!ゲームとかで知ってるモンスターが出て来たぞ!

 見た目は筋肉質の巨人で一つ目だ。巨大なこん棒を持っている。

 是非とも戦ってみたい気持ちが溢れて来るが、ミスフィートさんとお嬢に優先権があるんだよなー。

 しかしコイツは明らかにフロアボス。もうここってダンジョンで確定じゃん?


 グオオオオオオオオオオオオオオ!!!


 サイクロプスが咆哮をあげた。

 お嬢とミスフィートさんが抜刀し近づいて行く。


 ブオン! ドガシャッ!!


 サイクロプスの振り下ろしたこん棒が地面を砕く。

 二人は難なく攻撃を避けたようだ。


「怪力だが、敏捷性はそれほどじゃないな」
「でも見た目が怖いから、一般兵だと恐怖心とかで苦戦するかもです」
「なるほど!ここがダンジョンならば兵達の訓練に最適だな!そうなると一般兵目線でどこまでならば大丈夫か、俺らがしっかり把握しておく必要があるぞ」


 そういう発想が出るってことは、ルルはすでに兵隊の訓練に使えるかを考えていたのか。常に軍の育成を意識してるとは、立派な上司になったものだ。


「ハッ!」


 ミスフィートさんの一撃がサイクロプスの腹を斬り裂く。


 ウヴォオオオオオオォォォ!!


「トドメですわっ!」


 そしてお嬢の突きがサイクロプスの心臓を貫いた。



 パチパチパチパチパチ


「どうでした?」

「んーーー、取るに足らん相手ではあったがそれなりに楽しめたぞ!」
「剣で戦ってたあの頃ならば、苦戦してたかもしれませんわね~」
「ああ、それは言えている!刀の性能が良すぎて、すぐに倒せてしまう感じか」

 なるほど。確かに、斬れない武器で戦えば長期戦になるだろう。
 チート武器を持ってたんじゃ、ゲームならばヌルゲー状態だよな。
 とは言え、死んだら終わりの実戦で手を抜くのもどうかと思うしな・・・。

 サイクロプスの死体を回収した。


 ギギギギギギ


「おっ!?そこの扉が開いたぞ!」
「ボスを倒したから開いたのかもしれませんね」
「入ってみようよ!!」


 なるほどそういう仕組みか!いよいよダンジョンっぽいな。
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