198 / 726
198 機関車計画
しおりを挟む
ミケネコ城の城門前で、虎徹さんの到着を待っていた。
気配を感じた瞬間、虎徹さんと清光さんが姿を現す。
「なんか突然、暴走族と中二病が出現したんですけど!!」
騒いでいるのはもちろん和泉だ。
「彼らも日本人だぞ。三河と遠江の大名だ」
「ん?三河って愛知県の三河地方よね?」
「ああ、愛知県ではあるけど昔は尾張と三河に分かれていたんだよ。そしてこの世界でも別々の国だ。そして遠江は静岡県の西半分って感じだな」
「おっ!この娘が最近現れた日本人だな?オレは黒田虎徹だ!」
「加藤清光だ。えーと、和泉と言ったか?」
「北条和泉です!お二人も穴に落ちたんですか?」
「穴?・・・ああ、俺らは和泉や小烏丸とは別ルートだ。まあその話は長くなるから後で小烏丸に聞け」
「清光さんは来ないと思ってたんだけど、レールを直接見に来たんですか?」
「まあそれもあるが、噂の日本人を見たかったんでな」
「なるほど。まあここで話してるのもアレなんで、レールの所に移動しましょう。バイクで付いて来て下さい」
マジックバッグからバイクを取り出す。
「和泉も一緒に行くか?ここからは機関車計画の話になるけど」
「行く。機関車は私もすごく興味あるし」
「んじゃ後ろに乗りな」
ってことで、ガラス工場傍のレールの所まで移動した。
・・・・・
「おおっ!本格的なレールじゃん!」
「ホントだ!普通に線路だよ」
清光さんがバイクを降りて、レールをチェックする。
コンコンコン
「バラスト軌道か。敷き詰めた砕石がいい味出してるな!うむ、これなら機関車でも大丈夫そうだ」
「作った時から将来的にトロッコを進化させるつもりだったので、レールはしっかり作っといたんです。そういえば知ってますか?日本のレールの幅って、1067mmだったり1372mmだったり1435mmだったりと全然統一されていないんです。そもそも俺は外国準拠の半端な数字が大嫌いでして、わかりやすく1500mmで作りました」
「やたらと詳しいなオイ!」
「確かレールの幅が大きい方が、輸送力が高いとか聞いたことがあるな」
「アニキもかよ!!」
「大丈夫、私にもまるで理解できない分野だから!」
いや~、流石は清光さんだ。俺の雑学は理由があって憶えたモノだけど、暴走族が雑学を身に付けた切っ掛けって一体何なんだろ?本当に謎の多い人だな~。
「じゃあ、この大きさをそのまま標準の規格としますか?」
「いいんじゃね?」
「そうだな。しっかりと地面に固定すれば、カーブで破損することもないだろう」
カメラを取り出して写真を数枚撮った。
彼らに渡すだけじゃなく、尾張のドワーフ達に作らせなきゃならんからな。
マジックバッグからレールのサンプルを取り出して清光さんに渡した。
「うおっ、想像してたよりも随分と重いな。よーし、帰ったら忙しくなるぞ!」
「あとこれ。今撮ったレールの写真です」
「イイね!これなら作る時にイメージしやすい」
「えええええ!?カメラもあるの??」
「おうよ!これもガチャから出た魔道具だ。どれ、和泉の写真も撮ってやろう」
カシャッ
清光さん、虎徹さん、和泉の3人をフレームに入れて写真を撮った。
出来た写真を和泉に手渡す。
「うわあ~~~!すごいわね!写真というよりカラーコピーみたいだけど」
「フラッシュ機能が無いのと、重くてデカいってのが弱点だな」
魔道具職人の俺でも、カメラや通信機はどう作っていいのかさっぱりわからん。
思いついてない付与魔法が、きっと無数に存在するのだろうな。
しかし付与にかかる時間を考えたら、そういうのを発見するのも至難なんだよ。
「んじゃオレらはそろそろ帰るぞ!」
「機関車の動力部は小烏丸に任せたぞ。三河の機関車はこっちで作るんで、まあそこは安心してくれ。動力部を乗せればすぐ動かせるようにスタンバっとくぜ。まあどっちにしろレールを作るのが先だし、時間もそれなりにかかるだろう」
「了解です。動力部が完成したら、まずはトロッコで実験してみて、動作確認が出来たら連絡を入れますね」
「よろしく!遠江でスゲー機関車を作ってやんぜ!誰が一番カッコイイ機関車を作るか勝負だな!」
「面白いですね!今回は塗料も豊富にあるので消防車にはならんですよ!」
「ぷっ!あのバスって、止むを得ない事情があったのね・・・」
ということで、それぞれが自国にレールと機関車を作ることになった。
みんなで協力して作るのではなく、各自が単独で作って勝負する所が俺達らしい。
************************************************************
「~~~というわけで、トロッコを進化させた機関車を作ることになりました。そこで皆さんに、レールの製作を依頼したいのです」
今いる場所はドワーフの街だ。
レール作りはエルフではなく、ドワーフ達にやってもらうことになった。
ルーサイアで人を集めて作らせてもいいんだけど、どう考えても元々鉄の扱いに慣れているドワーフに頼んだ方が手っ取り早いんだよね。
「キカンシャ!?それはあのトロッコよりも凄いのか?」
「ぶっちゃけ全然格が違いますね。トロッコは人力で進みますが機関車は魔道具を使うので、ギッコンバッタンと漕ぐ必要がありません。大型バスに近い乗り物です」
「それは素晴らしい!だが、ワシらが作るのはレールだけでいいのか?」
「とりあえず頼みたいのはレールだけです。まずはこの街からルーサイアまでレールを敷き、次にルーサイアから三河との国境まで敷いて行きます。そしてルーサイアからパラゾン、トラネコを経由し、ミルドナーガとシェルフィーユまで到達すれば終了です」
「そいつは大仕事じゃのう・・・」
本当はルーサイアから三河までを最初に敷きたいのだけれど、この街でレールを作るだろうから、ここからレールを延ばして行く方が合理的だ。それに自分らの街が後回しにされたんじゃ、やる気だって半減するだろう。
「しかしこれが完成すれば、国民の誰もが自由に尾張の端から端まで移動することが出来る、夢のような話なのです!」
「ウム!確かに夢のような話じゃ。わかった、その依頼引き受けよう!」
よし、これで準備は整った!俺もエンジンの製作に集中出来そうだな。
気配を感じた瞬間、虎徹さんと清光さんが姿を現す。
「なんか突然、暴走族と中二病が出現したんですけど!!」
騒いでいるのはもちろん和泉だ。
「彼らも日本人だぞ。三河と遠江の大名だ」
「ん?三河って愛知県の三河地方よね?」
「ああ、愛知県ではあるけど昔は尾張と三河に分かれていたんだよ。そしてこの世界でも別々の国だ。そして遠江は静岡県の西半分って感じだな」
「おっ!この娘が最近現れた日本人だな?オレは黒田虎徹だ!」
「加藤清光だ。えーと、和泉と言ったか?」
「北条和泉です!お二人も穴に落ちたんですか?」
「穴?・・・ああ、俺らは和泉や小烏丸とは別ルートだ。まあその話は長くなるから後で小烏丸に聞け」
「清光さんは来ないと思ってたんだけど、レールを直接見に来たんですか?」
「まあそれもあるが、噂の日本人を見たかったんでな」
「なるほど。まあここで話してるのもアレなんで、レールの所に移動しましょう。バイクで付いて来て下さい」
マジックバッグからバイクを取り出す。
「和泉も一緒に行くか?ここからは機関車計画の話になるけど」
「行く。機関車は私もすごく興味あるし」
「んじゃ後ろに乗りな」
ってことで、ガラス工場傍のレールの所まで移動した。
・・・・・
「おおっ!本格的なレールじゃん!」
「ホントだ!普通に線路だよ」
清光さんがバイクを降りて、レールをチェックする。
コンコンコン
「バラスト軌道か。敷き詰めた砕石がいい味出してるな!うむ、これなら機関車でも大丈夫そうだ」
「作った時から将来的にトロッコを進化させるつもりだったので、レールはしっかり作っといたんです。そういえば知ってますか?日本のレールの幅って、1067mmだったり1372mmだったり1435mmだったりと全然統一されていないんです。そもそも俺は外国準拠の半端な数字が大嫌いでして、わかりやすく1500mmで作りました」
「やたらと詳しいなオイ!」
「確かレールの幅が大きい方が、輸送力が高いとか聞いたことがあるな」
「アニキもかよ!!」
「大丈夫、私にもまるで理解できない分野だから!」
いや~、流石は清光さんだ。俺の雑学は理由があって憶えたモノだけど、暴走族が雑学を身に付けた切っ掛けって一体何なんだろ?本当に謎の多い人だな~。
「じゃあ、この大きさをそのまま標準の規格としますか?」
「いいんじゃね?」
「そうだな。しっかりと地面に固定すれば、カーブで破損することもないだろう」
カメラを取り出して写真を数枚撮った。
彼らに渡すだけじゃなく、尾張のドワーフ達に作らせなきゃならんからな。
マジックバッグからレールのサンプルを取り出して清光さんに渡した。
「うおっ、想像してたよりも随分と重いな。よーし、帰ったら忙しくなるぞ!」
「あとこれ。今撮ったレールの写真です」
「イイね!これなら作る時にイメージしやすい」
「えええええ!?カメラもあるの??」
「おうよ!これもガチャから出た魔道具だ。どれ、和泉の写真も撮ってやろう」
カシャッ
清光さん、虎徹さん、和泉の3人をフレームに入れて写真を撮った。
出来た写真を和泉に手渡す。
「うわあ~~~!すごいわね!写真というよりカラーコピーみたいだけど」
「フラッシュ機能が無いのと、重くてデカいってのが弱点だな」
魔道具職人の俺でも、カメラや通信機はどう作っていいのかさっぱりわからん。
思いついてない付与魔法が、きっと無数に存在するのだろうな。
しかし付与にかかる時間を考えたら、そういうのを発見するのも至難なんだよ。
「んじゃオレらはそろそろ帰るぞ!」
「機関車の動力部は小烏丸に任せたぞ。三河の機関車はこっちで作るんで、まあそこは安心してくれ。動力部を乗せればすぐ動かせるようにスタンバっとくぜ。まあどっちにしろレールを作るのが先だし、時間もそれなりにかかるだろう」
「了解です。動力部が完成したら、まずはトロッコで実験してみて、動作確認が出来たら連絡を入れますね」
「よろしく!遠江でスゲー機関車を作ってやんぜ!誰が一番カッコイイ機関車を作るか勝負だな!」
「面白いですね!今回は塗料も豊富にあるので消防車にはならんですよ!」
「ぷっ!あのバスって、止むを得ない事情があったのね・・・」
ということで、それぞれが自国にレールと機関車を作ることになった。
みんなで協力して作るのではなく、各自が単独で作って勝負する所が俺達らしい。
************************************************************
「~~~というわけで、トロッコを進化させた機関車を作ることになりました。そこで皆さんに、レールの製作を依頼したいのです」
今いる場所はドワーフの街だ。
レール作りはエルフではなく、ドワーフ達にやってもらうことになった。
ルーサイアで人を集めて作らせてもいいんだけど、どう考えても元々鉄の扱いに慣れているドワーフに頼んだ方が手っ取り早いんだよね。
「キカンシャ!?それはあのトロッコよりも凄いのか?」
「ぶっちゃけ全然格が違いますね。トロッコは人力で進みますが機関車は魔道具を使うので、ギッコンバッタンと漕ぐ必要がありません。大型バスに近い乗り物です」
「それは素晴らしい!だが、ワシらが作るのはレールだけでいいのか?」
「とりあえず頼みたいのはレールだけです。まずはこの街からルーサイアまでレールを敷き、次にルーサイアから三河との国境まで敷いて行きます。そしてルーサイアからパラゾン、トラネコを経由し、ミルドナーガとシェルフィーユまで到達すれば終了です」
「そいつは大仕事じゃのう・・・」
本当はルーサイアから三河までを最初に敷きたいのだけれど、この街でレールを作るだろうから、ここからレールを延ばして行く方が合理的だ。それに自分らの街が後回しにされたんじゃ、やる気だって半減するだろう。
「しかしこれが完成すれば、国民の誰もが自由に尾張の端から端まで移動することが出来る、夢のような話なのです!」
「ウム!確かに夢のような話じゃ。わかった、その依頼引き受けよう!」
よし、これで準備は整った!俺もエンジンの製作に集中出来そうだな。
応援ありがとうございます!
3
お気に入りに追加
1,200
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる