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190 釣りをしながら昔話
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敵は強かったが、俺の得物が高級釣り竿DXだったのが貴様の運の尽きよ!
「うっしゃー!!」
よしッ、結構な大物が釣れたぞ!
「しかしデケエなおい!40㎝くらいあるぞ!何の魚かはまったくわからんが」
「すごいわ!見たことない魚だけれど美味しそうね」
ん?
「おい!和泉の方も引いてるぞ!」
「えっ!?ど、どうすればいいの!?」
「リールを巻くんだ!手伝ってやってもいいけど、初めてなんだし自分でやってみ」
「エーーーー!?ぐぬぬぬ、が、頑張ってみる!」
俺ん時みたいな大物だったら、糸を切られてルアー消失するのが痛いんだよな。でも釣れた時の感動を味わってもらいたいから、今回は応援に徹しよう。
「魚の大きさにもよるけど、強引にリールを巻くと糸が切れる場合がある。なので魚の抵抗が激しかったら一旦巻くのをやめたりすることも必要だ。けど、いけそうならガンガン巻きまくれ!」
だが俺の時ほどの大物じゃなかったようで、和泉は釣り上げることに成功した。
「やったーーーー!!釣れたよ!!!」
「おめでとう!しかもなかなかの大きさじゃん」
大体25㎝ちょいって所かな?
針を外して、釣れた魚を箱の中に入れた。
「城に帰ったら焼いて食おうぜ」
「それなら、もう何匹か釣っておきたいわね!」
「ハハッ!釣りの楽しさがわかって来たようだな!」
また最初のようにキャスティングをしてから、話を再開した。
「さてと、話が逸れてしまったな。じゃあさっきの続きだ」
えーとたしか・・・、和泉の話が終わった所か。
「ここに来たのは3ヶ月前だっけ?和泉は運が良かったな」
「え?どこが??」
「もし来たのが1年前だったら、たぶん死んでたぞ」
「死んで・・・た!?」
ジャバルグの統治じゃ、たとえ生き延びたとしても地獄だ。当時は民もみんな飢えてただろうから、倒れてても助けてもらえたかどうか・・・。
運良く殺されなかった場合でも、モヒカン共に攫われたりで絶対碌なことになってないだろう。
「そうだな、まずは俺がこの世界に来た時の話をしよう」
俺は俺で、来た場所がルーサイアだったのが幸運だった。
「俺がこの世界にやって来たのは大体3年前だ。和泉とまったく同じで、仕事帰りに穴へ落下した。落ちている途中で寝て、目覚めたらこのルーサイアの街にいた」
まさにこれぞ寝落ちだ!とか考えてたっけな。
「んで俺の目の前を、ボロを着た男が通り過ぎて行ったんだよ。色々聞きたかったんだけど、男の異様な風体に躊躇してさ・・・。するとボロを着た男が、向かい側から来た筋骨隆々の悪党3人組に剣で斬られて殺された」
「ひいいぃっ!」
「当時この国を支配していたのはジャバルグという男でな、その悪党3人はジャバルグ軍の兵士だ。ジャバルグ軍の兵士は誰もがスキンヘッドかモヒカンなんで、もう見た目からして完全に悪党よ」
しかしこの国って本当に異常だったよな~。これぞまさに奈落って感じだ。
「ボロの男を斬った後で奴等が次に目を付けたのは、当然ながら近くにいた俺だ。『テメー何見てんだコラ!』ってな。来たばかりなのにそんなのを目撃した直後で、目の前に剣を持った屈強な悪党が3人、そりゃーもう大ピンチですよ」
「・・・・・・酷すぎる」
「しかしそんな俺に幸運が訪れた。絶体絶命の俺の目の前に1人の女が現れ、瞬く間に悪党3人を斬り捨てたんだ!」
あの時の彼女の雄姿は未だに瞼に焼き付いてるよ。
「女の名はミスフィート、反乱軍のリーダーだ。まあ当然ながら俺も反乱軍に入れてもらおうとしたんだけどさ、あっさり断られた。理由は俺が弱かったからだ!反乱軍に入っても生き残れないってね」
「え!?見捨てられたの??」
「いや、そうじゃない。俺に剣をくれたんだよ、強くなって戻って来いと!その時はキミを迎い入れようってな。そして彼女はなけなしの食料をくれたんだ」
「はぁ~~、格好良いわね!!」
「俺も心の底から感動してさ!強くなると心に誓って、武者修行の旅に出たわけですよ」
あー、話が長くなってしまったな。全部語ってたら日が暮れちまう。
「んでまあ・・・、長くなるんで話を飛ばすけど、それから2年後、俺は強くなって戻って来た。そして反乱軍に入れてもらったんだ」
「おお~~っ!やるじゃない!!」
「それから反乱軍を鍛えに鍛えて、ルーサイアの街の奪取に成功する。その勢いのまま俺達はジャバルグ軍と戦い続け、数ヶ月後にとうとうジャバルグを撃破したんだ」
「やったーーーーーーーーーーーー!!!」
「んで話は最初に戻るんだけどさ、和泉が来たのがジャバルグを倒す前だったら、十中八九死んでただろうって簡単に予想できるんだよね。マジでこの国は悪党まみれだったからな」
和泉は顔を青くさせているが、悲しいかな、フィクションじゃないのよね。
「冗談でも何でもなく、この国は正真正銘の地獄だったんだぞ?その辺を歩いているだけで『殺せーー!!』って悪党が数人で斬りかかって来るんだ。いやマジで!」
「何なのよそれ・・・」
「和泉、竿!引いてる引いてる!!」
「ん?ああああっ!そうだ、釣りをしてたんだった!」
今回のはさっきのよりも大物で結構苦戦したようだけど、なんとか釣り上げることに成功した。
「大物だ!俺のと同じくらいあるぞこれ!」
「疲れた~~~!!竿を持ってかれると思ったよ!でも少しコツがわかったかも?」
くそう!大きさも並ばれたから魚1匹分負けてるやん!早く掛かりやがれ!
「うっしゃー!!」
よしッ、結構な大物が釣れたぞ!
「しかしデケエなおい!40㎝くらいあるぞ!何の魚かはまったくわからんが」
「すごいわ!見たことない魚だけれど美味しそうね」
ん?
「おい!和泉の方も引いてるぞ!」
「えっ!?ど、どうすればいいの!?」
「リールを巻くんだ!手伝ってやってもいいけど、初めてなんだし自分でやってみ」
「エーーーー!?ぐぬぬぬ、が、頑張ってみる!」
俺ん時みたいな大物だったら、糸を切られてルアー消失するのが痛いんだよな。でも釣れた時の感動を味わってもらいたいから、今回は応援に徹しよう。
「魚の大きさにもよるけど、強引にリールを巻くと糸が切れる場合がある。なので魚の抵抗が激しかったら一旦巻くのをやめたりすることも必要だ。けど、いけそうならガンガン巻きまくれ!」
だが俺の時ほどの大物じゃなかったようで、和泉は釣り上げることに成功した。
「やったーーーー!!釣れたよ!!!」
「おめでとう!しかもなかなかの大きさじゃん」
大体25㎝ちょいって所かな?
針を外して、釣れた魚を箱の中に入れた。
「城に帰ったら焼いて食おうぜ」
「それなら、もう何匹か釣っておきたいわね!」
「ハハッ!釣りの楽しさがわかって来たようだな!」
また最初のようにキャスティングをしてから、話を再開した。
「さてと、話が逸れてしまったな。じゃあさっきの続きだ」
えーとたしか・・・、和泉の話が終わった所か。
「ここに来たのは3ヶ月前だっけ?和泉は運が良かったな」
「え?どこが??」
「もし来たのが1年前だったら、たぶん死んでたぞ」
「死んで・・・た!?」
ジャバルグの統治じゃ、たとえ生き延びたとしても地獄だ。当時は民もみんな飢えてただろうから、倒れてても助けてもらえたかどうか・・・。
運良く殺されなかった場合でも、モヒカン共に攫われたりで絶対碌なことになってないだろう。
「そうだな、まずは俺がこの世界に来た時の話をしよう」
俺は俺で、来た場所がルーサイアだったのが幸運だった。
「俺がこの世界にやって来たのは大体3年前だ。和泉とまったく同じで、仕事帰りに穴へ落下した。落ちている途中で寝て、目覚めたらこのルーサイアの街にいた」
まさにこれぞ寝落ちだ!とか考えてたっけな。
「んで俺の目の前を、ボロを着た男が通り過ぎて行ったんだよ。色々聞きたかったんだけど、男の異様な風体に躊躇してさ・・・。するとボロを着た男が、向かい側から来た筋骨隆々の悪党3人組に剣で斬られて殺された」
「ひいいぃっ!」
「当時この国を支配していたのはジャバルグという男でな、その悪党3人はジャバルグ軍の兵士だ。ジャバルグ軍の兵士は誰もがスキンヘッドかモヒカンなんで、もう見た目からして完全に悪党よ」
しかしこの国って本当に異常だったよな~。これぞまさに奈落って感じだ。
「ボロの男を斬った後で奴等が次に目を付けたのは、当然ながら近くにいた俺だ。『テメー何見てんだコラ!』ってな。来たばかりなのにそんなのを目撃した直後で、目の前に剣を持った屈強な悪党が3人、そりゃーもう大ピンチですよ」
「・・・・・・酷すぎる」
「しかしそんな俺に幸運が訪れた。絶体絶命の俺の目の前に1人の女が現れ、瞬く間に悪党3人を斬り捨てたんだ!」
あの時の彼女の雄姿は未だに瞼に焼き付いてるよ。
「女の名はミスフィート、反乱軍のリーダーだ。まあ当然ながら俺も反乱軍に入れてもらおうとしたんだけどさ、あっさり断られた。理由は俺が弱かったからだ!反乱軍に入っても生き残れないってね」
「え!?見捨てられたの??」
「いや、そうじゃない。俺に剣をくれたんだよ、強くなって戻って来いと!その時はキミを迎い入れようってな。そして彼女はなけなしの食料をくれたんだ」
「はぁ~~、格好良いわね!!」
「俺も心の底から感動してさ!強くなると心に誓って、武者修行の旅に出たわけですよ」
あー、話が長くなってしまったな。全部語ってたら日が暮れちまう。
「んでまあ・・・、長くなるんで話を飛ばすけど、それから2年後、俺は強くなって戻って来た。そして反乱軍に入れてもらったんだ」
「おお~~っ!やるじゃない!!」
「それから反乱軍を鍛えに鍛えて、ルーサイアの街の奪取に成功する。その勢いのまま俺達はジャバルグ軍と戦い続け、数ヶ月後にとうとうジャバルグを撃破したんだ」
「やったーーーーーーーーーーーー!!!」
「んで話は最初に戻るんだけどさ、和泉が来たのがジャバルグを倒す前だったら、十中八九死んでただろうって簡単に予想できるんだよね。マジでこの国は悪党まみれだったからな」
和泉は顔を青くさせているが、悲しいかな、フィクションじゃないのよね。
「冗談でも何でもなく、この国は正真正銘の地獄だったんだぞ?その辺を歩いているだけで『殺せーー!!』って悪党が数人で斬りかかって来るんだ。いやマジで!」
「何なのよそれ・・・」
「和泉、竿!引いてる引いてる!!」
「ん?ああああっ!そうだ、釣りをしてたんだった!」
今回のはさっきのよりも大物で結構苦戦したようだけど、なんとか釣り上げることに成功した。
「大物だ!俺のと同じくらいあるぞこれ!」
「疲れた~~~!!竿を持ってかれると思ったよ!でも少しコツがわかったかも?」
くそう!大きさも並ばれたから魚1匹分負けてるやん!早く掛かりやがれ!
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