185 / 798
185 ガラス貿易の始まり
しおりを挟むプルルルル
『小烏丸か!?』
「清光さんお久しぶりです。そろそろ赤い流星を卒業したい小烏丸です!」
『ハハッ、元気そうだな。それでどうした?』
「ルーサイアにガラス工場が誕生しました。すでに尾張の要所には窓ガラスを設置して、ようやく三河にも販売出来る体制が整いましたよ」
『おおおおっ!とうとう工場が完成したか!』
「従業員200名規模で毎日ガラスを作ってますので、三河にも相当数流すことが可能です。というか尾張はまだ全然発展途上なので、一般人はまだガラスを買えるほど裕福な人は少ないんですよね。なのでしばらくは、尾張よりもむしろ三河との貿易中心になりそうです」
『こちらとしては願ったり叶ったりだ!それで支払いは魔石がいいのか?』
「いえ、普通に金貨での取引を希望します。そろそろ経済を回して行く必要がありますので」
『そうだな。うむ、それが良いだろう。えーと、ガラスはすぐに買い取ることが可能な状態なのか?』
「大丈夫です。貿易の準備が出来てから連絡を入れましたので」
『了解した。ならばコテツを行かせるので、三河に来るように通信してくれ』
「了解です。レベッカさんとも約束がありますので、ガラスが完成して取引が可能になったと伝えといてもらえますか?」
『伝えよう。ガラスは買えるだけ全て買うからな』
「ありがとうございます。ではまた後程!」
よーし、これで尾張に大金が入って来るぞ!
工場にかかった経費がなかなか大きかったけど、一瞬で元が取れそうだ。
虎徹さんに連絡すると、すぐに三河へと向かってくれた。
************************************************************
虎徹さんを連れてガラス工場に移動した。
「うおおおーー!これ全部ガラスか!」
「なかなか圧巻でしょう?」
「すごいな!しかし城の窓全てに窓ガラスを嵌めること考えたら泣けるな・・・」
「ミケネコ城とトラネコ城でやりましたけど、めっちゃ苦労しましたよ。兵士達に手伝ってもらいましたが、ガラスが数枚割れました」
「だろうな!オレらもたぶん割らないで全部やるのは無理だ」
「とりあえず今は窓ガラスしか作っていませんが、もう少ししたらガラスのコップとかも作ろうと考えています。これも余裕が出たら三河・遠江に流しますね」
「いいね!期待して待ってるぞ!」
そんな話をしながら、虎徹さんに大量のガラスを渡して行く。
取引は今回だけじゃなく、俺等が寿命で死んだ後も未来永劫続くことになるだろう。まあ子孫達が同盟を維持して行くかはわからんけどね。
んじゃ早速ミスフィートさんの所に、三河にガラスを販売して大金を手に入れた報告に行きますか~。
************************************************************
「三河にガラスを売って来ました。と言っても虎徹さんが受け取りに来たので、楽なもんでしたけどね!」
「おおそうか!窓ガラスは素晴らしい物だから清光殿も大絶賛に違いあるまい!」
「ですね~!それでガラス貿易の売り上げ金を渡しておきます」
白金貨100枚と金貨2000枚を机の上に置いた。
それを見たミスフィートさんが、飲んでいた茶を噴いた
「ブホッ!!な、なんだこの大金は!!!」
「かなりの量のガラスを売りましたからね。次回からはさすがにこれ程の大金にはなりませんが、それでもかなりの収入が見込めます。ガラス貿易は今回だけじゃなく、永遠に続くのが大きいですね。ただ、工場を作ったり人を大量に雇った経費が結構かかっていますし、この中から人件費が差し引かれます」
「・・・これからずっと、定期的にこのような大金が入って来るのか?」
「窓ガラスだけだと、国民全てに行き渡れば何れ頭打ちしますね。ガラスは壊れやすいので、割ればまた買ってもらえますけど。まあ当分の間は窓ガラスだけでも十分な収入にはなりますが、何にしても次の策があるので大丈夫です」
「なるほど・・・。次の策というのは?」
「コレです」
マジックバッグから、ガチャで当てた中ジョッキを取り出した。
「何だこれは!?大きな湯飲みか??」
「ほとんど正解です!でも目の前にあるコレはちょっと特殊でして、正確に言うとジョッキという名称で、お酒を飲む為に使います」
「酒を飲む為だけにこれを使うのか」
「まあ俺が作ろうとしてるのはこのジョッキではなくて、水を飲んだりするのに使うこれより小さめのコップですね。今は手元に無いので、完成したら実物を見せます」
「なるほど。透明な器で水を飲むのか。・・・でも割れたら怪我をしないか?」
「まあそこは割らないように気を付けてもらうしかありません。しかし木の器で水を飲むよりも、ガラスのコップで飲む水の方が美味しく感じるのですよ」
初期の頃よりパワーアップした冷たい水が出る水生成機から、木のコップと中ジョッキにそれぞれ水を注いだ。
「比べてみて下さい」
「ふむ。ではまず木の器の方から・・・」
ミスフィートさんが木のコップの水を飲み、次に中ジョッキの水を飲む。
「なるほど!!たしかに透明な器のほうがスッキリするな!なぜだ??」
「清涼感でしょうかね?口に触れる感じの良さもあるかもです」
「とにかく納得いったぞ!しかしガラスの収入は凄まじいモノだな。国の財政が潤えば、尾張の為にもっとお金を使うことが出来るようになるぞ!」
「そうですね。コップなどのガラス製品は直接一般人に販売するようなことはせず、まず街の雑貨屋などに卸して、そこから民衆が買うようにすれば、経済が上手く回って行くことでしょう」
しかし服より先にガラス製品が流行すると、お洒落の街じゃなくてガラスの街になってしまうかもしれんな・・・。
13
お気に入りに追加
1,225
あなたにおすすめの小説
転生の果てに
北丘 淳士
ファンタジー
先天性の障害を持つ本条司は、闘病空しく命を落としてしまう。
だが転生した先で新しい能力を手に入れ、その力で常人を逸した働きを見せ始める。
果たして彼が手に入れた力とは。そしてなぜ、その力を手に入れたのか。
少しミステリ要素も絡んだ、王道転生ファンタジー開幕!
お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
ド底辺から始める下克上! 〜神に嫌われ無能力となった男。街を追放された末、理を外れた【超越】魔法に覚醒し、一大領主へ成り上がる。
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
この世界では、18の歳になると、創造神・ミーネより皆に魔力が授けられる。
捨て子だったハイネは教会に拾われたこともあり、どれだけ辛いことがあっても、ミーネを信奉し日々拝んできたが………
魔力付与式当日。
なぜかハイネにだけ、魔力が与えられることはなかった。日々の努力や信仰は全く報われなかったのだ。
ハイネは、大人たちの都合により、身体に『悪魔』を封印された忌み子でもあった。
そのため、
「能力を与えられなかったのは、呪われているからだ」
と決めつけられ、領主であるマルテ伯爵に街を追放されてしまう。
その夜、山で魔物に襲われ死にかけるハイネ。
そのとき、『悪魔』を封印していた首輪が切れ、身体に眠る力が目覚めた。
実は、封印されていたのは悪魔ではなく、別世界を司る女神だったのだ。
今は、ハイネと完全に同化していると言う。
ハイネはその女神の力を使い、この世には本来存在しない魔法・『超越』魔法で窮地を切り抜ける。
さらに、この『超越』魔法の規格外っぷりは恐ろしく……
戦闘で並外れた魔法を発動できるのはもちろん、生産面でも、この世の常識を飛び越えたアイテムを量産できるのだ。
この力を使い、まずは小さな村を悪徳代官たちから救うハイネ。
本人は気づくよしもない。
それが、元底辺聖職者の一大両者は成り上がる第一歩だとは。
◇
一方、そんなハイネを追放した街では……。
領主であるマルテ伯爵が、窮地に追い込まれていた。
彼は、ハイネを『呪われた底辺聖職者』と厄介者扱いしていたが、実はそのハイネの作る護符により街は魔物の侵略を免れていたのだ。
また、マルテ伯爵の娘は、ハイネに密かな思いを寄せており……
父に愛想を尽かし、家を出奔し、ハイネを探す旅に出てしまう。
そうして、民や娘からの信頼を失い続けた伯爵は、人生崩壊の一途を辿るのであった。
レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした
桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。
母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉
まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。
貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。
雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる