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170 ルーサイア健康ランド

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 まずは敷地内の廃墟などを、エルフ達に土魔法で一掃してもらった。

 ルルが集めて来た土魔法使いの人数は約30名。
 予想よりも多かったので、その分早く完成することに期待がかかる。

 その分、道路部隊の数が減ったんだけど、エルフ達には建物も作れるようになってもらう必要があるから、こっちに人が増えたってのは大歓迎なのだ。

 カメラで設計図の写真をコピーして全員に渡した。

 最初に細かい説明だけして、後は全部ルルに丸投げだ。
 俺はそれ以外にも、やることが山のようにあるんスわ・・・。


 セレンは相当悩んだみたいだけれど、最終的には健康ランドの総支配人を引き受けてくれた。ただ全然自信が無いと言うことで、今はルシオに教師役を頼んで経営について色々と勉強中。

 そして俺は街を徘徊し、色々な店や食堂に声をかけて、施設内の食堂・売店などに人材を派遣しないかと交渉中だ。健康ランドに人気が集中して売り上げが激減するだろうから、商店街の皆様にも気を遣わなければならない。
 もちろん施設内で好きに商売させる気はない。食堂では全て俺が考えたメニューを出すし、売店は魔道具中心のラインナップにするぞ。

 俺の目標は街を発展させたいことであって、金儲けではない。

 健康ランドで色々学んでもらい、その経験を自分らの店の経営に生かしてもらおうと思ってる。
 なので、俺が考案した料理を自分らの店で出す許可を与えるし、調味料も卸してあげるつもりだ。
 魔道具はさすがに施設内だけの販売にするけど、便利な雑貨品のアイデアを出してやったりして、健康ランドをきっかけに商店街全体の質を底上げしたい。

 ただし徘徊中の俺の誘いを断った店は知らん。
 このビッグウェーブに乗らない頑固者は勝手に衰退しとけ。


「これよりルーサイアは生まれ変わる!健康ランドを体験することで生活に便利な道具や美味しい料理を知り、お風呂の素晴らしさに感動するだろう。そして住民はお洒落な服を着て歩く、とても清潔で活気ある街へと大変貌を遂げるのだ!これは夢物語ではないぞ?俺が本格的に動き出したからには、近い将来確実に訪れる未来図だ!」


 これが俺の謳い文句である。


 ルーサイアがジャバルグ軍に支配されていた時からの街の住人は、俺達が動くと全てが上手く行くことを身を以て知っている。なので俺の呼び掛けに一早く反応したのは、ほとんどが先住民だ。

 俺のセリフを聞いて明るい未来を確信し、みんな目を輝かせていた。

 今回募集する従業員の数はかなり多くなるだろう。大浴場の清掃員だけでも結構必要だし、常時、施設内にゴミ一つ落ちてないほど掃除を徹底させるつもりだ。もちろん食堂や売店も同じように清潔にしてもらう。
 ああ、警備員も何名か雇う必要があるな・・・。

 誰にでも出来そうな清掃員などは、なるべく貧困層から雇いたい。当然犯罪者などは論外なのでしっかりと面接するけどね。
 警備員はそれなりに若くてタフそうな人材を募集しよう。女風呂もあるので女性警備員も数人必要かな?
 あとはプールの監視員など、細かいポジションも忘れないようにせんと。


 ぶっちゃけますと、正直クッソめんどくせえ!
 頭の中で考えてたのよりも数倍手間がかかるわ・・・。


 あと一つ、健康ランドのオープン前に水着を量産しなければならない。

 城のプールは女性ばかりだから裸でも良かったんだけど、健康ランドのプールは家族や恋人が一緒に楽しめるというコンセプトなのだ。

 最初は男性用・女性用に分けて作ろうとも考えてたんだけど、プールってのは、男女混合でわちゃわちゃだから楽しいと思うんだよね。
 しかし裸で混浴状態は、いくら何でもマズイ。

 なのでプールの使用条件は、『水着を着用している人のみ可』と限定した。
 これは子供でも絶対のルールとする。『この年齢までなら大丈夫だろう』というあやふやさを無くしたいからね。

 ってことで、施設内の服屋で水着を販売しようと思う。

 ビキニは刺激が強すぎるだろうから、スクール水着タイプにするつもり。
 男もブーメラン水着は却下で、全てトランクスタイプで統一だ。

 問題は、今から水着を作ってオープンまでに量産が間に合うかどうかだな~。





 ************************************************************





「お嬢!ちょっとこの水着を着てくれないか?」
「いきなり何ですの?」

 ちなみに今いる場所は城の大浴場だ。

 ガチャから手に入れたスクール水着を参考に水着を量産しようと思ったのだけど、やはり一度着用している姿を見ないとダメだろう。

「ルーサイアの中央に健康ランドを作るって話したろ?そこに大浴場を作る予定なんだけど、プールを使用するのにこの水着の着用を厳守させようと思ってね」
「ん?裸じゃ駄目ですの?」
「健康ランドのプールは、男女混合で遊べるようにするつもりなんだ。浴場は男女別々だけどな」
「ああ、それならば裸は良ろしくないですわね」
「だろう?それでプール専用の服がこれなんだよ」


 お嬢がスクール水着を確認する。


「普通の服とはちょっと違いますのね」
「服って水を吸ったら重くなるだろ?これは水捌けが良い生地で作られているんだ。あと、体を隠す為に水に濡れても透けないようになってる」
「なるほど、見た目以上に高性能ですわね!」


 お嬢がその場でスクール水着姿になる。

 ・・・目の前で着替えられると、なんかソワソワするんですけど!!
 いや、元々裸だったんだけどさ。何だこの胸の高鳴りは!?


「少し締め付けられるような感じを受けますけども、着心地は悪くないですわ」

「フムフム、なるほど・・・」


 こんな感じになるのか。うん、わかってはいたけど量産しても大丈夫そうだな。あとはサイズを変えて数種類用意するくらいか。
 ちなみに水捌けに向いている生地なんぞ短期間じゃ手に入らんから、防水の付与を使ったりと色々やってみるつもり。


 ―――そして二ヶ月後、街の中央にルーサイア健康ランドが誕生した。
 
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