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113 美濃と伊勢の反応
しおりを挟む―――――美濃大名・リッチモンド視点―――――
「リッチモンド様、尾張の侵略は難しいモノと思われます!しかし尾張の新大名って、もの凄い美人でしたね。着ている服も格好良かったなあ・・・」
ウム、とんでもない美女だった。美濃国内の女ならば確実に城まで連れて帰ったのに、尾張の大名じゃどうしようもない。・・・いや、それよりもだ!
「尾張と三河の同盟だと!?ふざけやがって!!これじゃあ再度攻めても返り討ちにされるわ!!三河のあの男!腹の立つ野郎だ!!」
「あの男もですが、尾張の赤い流星?とかいう男も非常に危険です!一撃で1000人を葬るとか、ジャバルグがやられたのは運とかではなく、完全に力の差でしょう」
ジャバルグも腹の立つ男だったが、ヤツの強さは本物だった。反乱軍に負けたと聞いて驚いたが、何か恐ろしい兵器でも使われたのだろうか?・・・あっ!!
「それだ!何なのだあの攻撃は!!十中八九魔法だろうが、まずはアレの対策をせんと話にならん!帰ったら魔導士共を集めて魔法攻撃の対策をさせろ!」
「ハッ!」
************************************************************
―――――伊勢大名・ヒューリック視点―――――
「ヒューリック様!美濃の軍勢が尾張に攻め入ろうと集結中だったのですが、大打撃を受けて撤退しました!」
ん?ジルか。そういや尾張の偵察に行かせていたのだったな。って、撤退だと!?
「・・・はあ!?尾張の大軍と衝突したのか?」
「いえ、現れたのはたったの6人です!尾張の『赤い流星』とかいう男が放った一撃で、美濃は1000人もの兵を失いました」
一撃で1000の兵を削っただと!?
「その直後に巨大な岩と巨大な炎がリッチモンド軍を襲い、美濃・尾張の国境付近に集結中だった3000の内の半数が死亡。美濃勢は撤退に追い込まれました」
「・・・・・・6人?たった6人に、1500がやられただと!?」
「いえ、攻撃したのはその内の3人だけです」
3人で1500もの大軍を?なんだそれは!!・・・本当かあ?
いや、ジルが嘘をつくとは思えんな。
「超大魔法を使ったのか!?いやでも3人か、有り得んだろ・・・」
「それでですね、その攻撃の後に魔道具によって増幅した声が聞こえて来たのですが、尾張と三河が同盟を結んだようです!」
同盟だと!?
「最初に攻撃をしたのは、尾張の『赤い流星』と呼ばれている男。追撃の攻撃を仕掛けたのが、三河大名のキヨミツ、遠江太守のコテツです!そして尾張の新大名、ミスフィートもいました」
「な、なんだとお!?それでは迂闊に尾張に攻められんじゃないか!」
「緊急で魔法対策が必要かと思われます!あの攻撃が伊勢に向いたら、今のままでは太刀打ち出来ません!」
一撃で1000の兵を葬る魔法だと!?ふ、ふざけるな!!
これは一刻も早く対策する必要がある。尾張侵攻どころの話ではない。
「わかった。尾張への侵攻は中止だ。魔導士を呼べ!すぐにでも対策せねばこの伊勢が危険だ!」
「ハッ!」
************************************************************
―――――小烏丸視点―――――
ルーサイアに戻ると、軍の皆が笑顔で出迎えてくれた。
「あーーっ!あの二人、また変な乗り物に乗ってる!!」
「ラビちゃんと全然違うヤツじゃない!」
「まったく意味が分からないけど、無茶苦茶格好良くない!?」
そういやバイクを見た人って、まだほとんどいないんだった。
「わははは、凄いだろう!これはバイクという乗り物でな、同盟を組んだ時に、三河大名の清光殿に貰ったのだ!」
「そもそも三河の大名と知り合いだったのがおかしいよね!?ああ、それはそうと、美濃との戦はどうなったのです!?」
普段あまりツッコミなどしないユリだが、ここ数日の目まぐるしい展開に、ストレスを抱えていたようだ。
「そうだ!バイクの話じゃなくて、そっちの方が重要じゃないか!」
ミスフィートさんも大事なことに気付いたもよう。
「えーとな、私達はまず美濃との国境へと向かったのだ。すると美濃の兵が3000ほど集まっていたので、小烏丸が『すぐに解散しないと攻撃するぞ!』と警告したのだが、敵はそれを無視したのだ」
正確にはもっと警察口調だったんだけど、まあどうでもいいか。
「仕方がないので小烏丸があの攻撃をすることになってな、清光殿が即席で巨大な壁を作ってくれたので、その上から小烏丸がドカーーーンとやったのだ」
「いつものヤツね!?」
「でも今回はその後すぐ、清光殿と虎徹殿が魔法で追撃したのだ。アレは本当に凄かったぞ!小烏丸の攻撃が1番だったけど、敵軍の半分が一瞬で崩壊したからな」
「・・・・・・なんか無茶苦茶やってるわね!!」
「そのあと清光殿が、『尾張と三河は同盟を結んだから、尾張への攻撃は三河にも喧嘩を売るってことだからな!』と言い放ったので、その直後に私も『すぐ退却しないと今の攻撃をまた食らわすぞ!』って言ったら、すごすごと退却して行ったのだ」
「ハハッ、アレはいいハッタリでした。ビームライフルは最大威力でぶっ放すと、補給が完了するまで6時間ほどかかりますからね」
「え?そうだったのか!それは知らなかったぞ」
「ブホッ!あ、あれえ?言ってませんでしたっけ?」
「今初めて聞いたぞ!」
そういやまだ誰にも言ってなかったか!うわ~、失敗失敗。
「なので、美濃の連中はしばらく来ないと思っていいだろうな」
「「よっしゃーーーーーーーー!!」」
美濃はな。伊勢がどう出るかはまだわからん。
「あ、そうそう!折角みんな揃っていることだし、このままミケネコ城を披露しようじゃないか!」
「ミケネコ城??」
「うむ。私はルーサイア城とかで良いと思ったのだが、小烏丸がトラネコ城と来たらミケネコ城しかない!と力説した結果、名前がミケネコ城になったのだ」
「可愛らしい名前だから、私は好きかも!」
「あはははははっ!」
「よし、では早速出発するか!」
マジックバッグにバイクを収納し、みんなと一緒に城まで歩いた。
・・・・・
「「わーーーーーーーーーーーーーーー!!」」
ミケネコ城の前まで来た所で、辺りは大歓声に包まれた。
「隊長・・・、コレって三河の大名が作ったんですよね?尾張に来てから数日しか経ってないと思うんですけど!!なんでもう完成しているの!?」
「まあ、清光殿は一種の化け物だ。敵軍にすごく巨大な岩をぶつけていたし、剣の腕も凄まじいと聞いている。あと虎徹殿も同じく化け物だな。三河は強いぞ!」
化け物ねえ・・・、まあそうとしか言い様がないよな。だって化け物なんだもの。
「さあさあ、外観を見るのはこれくらいにして中に入りましょう!」
「そうだな!じゃあ中に入るぞ。小烏丸、城門を開けてくれ!」
「了解」
まだ空っぽだけど、中も無茶苦茶すげーからな。間違いなくみんな驚くぞ!
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