103 / 729
103 いざ、三河へ!
しおりを挟む
そんなこんなで次の日も内政についての話し合いを進め、ミスフィートさんを連れて三河に出発する日が来た。留守はカーラに任せる。
「う~~~~、やっぱりこの服装で行くのかあ・・・」
「行きだけです。帰りは、理由があってズボンに着替えるので安心して下さい」
なんせバイクを受け取る予定だからな!
今着ているごわついたスカートでバイクに乗るなんてとても無理だ。タイヤに巻き込まれたら大惨事になりかねない。
駄々を捏ねるミスフィートさんを引き摺りながらルーサイアを出発した。
************************************************************
「ミスフィートさんは、尾張から出たことってあるのですか?」
「ん?ないぞ。三河がどんな国なのかすごく楽しみだ!」
そうだったのか・・・。
生まれてから今日までずっと荒んだ尾張の中で暮らしていたなんて、不憫なんてもんじゃないな。軍のみんなもきっと同じようなもんなんだろう。
今度みんなを三河に連れて行って、平和の素晴らしさを体感させてやりたいな。
いや、三河が俺の思っているような国とも限らんけどさ。
「俺も三河の国には一度も入ったことがないんですよ。彼らと出会ったのは尾張の端っこの方で、そのままダンジョンへ行くことになったので」
「ほう、そうだったのか。じゃあ私と一緒だな!」
「大名の清光さんと虎徹さんはかなり破天荒な方達なので、ビックリするような国かもしれないですが、平和なのは間違いないと思われます」
「へーーー!尾張の国を作り変える参考になりそうだな!」
大名自らが他国を回って見識を広げるのは、これからの国造りに役に立つハズだ。
その辺に放置されている廃墟を全部壊さなきゃ、国造りどころじゃないけどな。
そして1日歩き続け、やっと三河の国に入った。
************************************************************
三河に入り、国境近くにある砦で検問を受けたので事情を説明すると、清光さんからしっかりと話が通っていて、城までの道順を丁寧に説明してくれた。
「街が見えて来たぞ!」
「やっとか~~~!思った以上に遠かったですね」
それから2日かけて辿り着いたのがこの街だ。
門番に事情を説明すると、ちゃんとココにも話が通っていて、一番大きな建物に寄るように言われた。
「とても綺麗な街だなっ!」
「いや~、すごいな・・・。明らかに文明の違いを感じます」
最初彼らと出会った時に、半年ほど前にこの世界に来たとか言っていた気がする。
あれから3年近く経ってるけど、その年月の間に、これほどまでの国を造り上げていたんだな。
まず一番驚いたのは道路だ。土じゃなくてアスファルトの道なんだよ。
しかし日本っぽい感じでもなく、自然と調和した美しい街並みに仕上がっている。
これを見てしまうと、尾張の廃墟な街並みがすごく恥ずかしくなって来たぞ。
もう絶対に廃墟を全部ぶっ壊して、ルーサイアを最強の街にしてくれるわ!
「・・・はい!?」
「・・・・・・・・・・・・」
ちょっと待てや!!なんでデパートの屋上にある乗り物が歩いている!?
「まさか、この世界でコイツを見ることになろうとは・・・」
「アレは何なのだ?」
「ちょっと説明しにくいですね。まあ、なんというか・・・、乗り物です」
ちなみに歩いているのは、間違いなくパンダちゃん号だ。
デパートの屋上で、子供の頃に何度か乗って遊んだ動物の乗り物だ。
短い足がうにょうにょ動いて、なんとも滑稽な姿だなあ。
街の中央まで歩くと、動物乗り物の姿がどんどん増えて行き、むしろその光景が当たり前って感じになってきた。
「まさか街がこんな方向に育ってるなんて、本当に想定外だ・・・」
「面白いなっ!私もアレが欲しいぞ!」
「どこかで買えるのかもしれませんね。買えるのなら買ってみましょう!」
「一番大きな建物って、あそこじゃないか?」
「あれっぽいですね。入ってみましょうか」
建物に入ると、中は動物乗り物だらけだった。
ココで製造販売してるのかもしれん。
「いらっしゃ、・・・いらっしゃいませー」
店員特有の流れ作業的な『いらっしゃいませー』をつっかえさせたぞ!
マスクを着けた赤い男と豪華絢爛な美女が入って来たら、そりゃあ平静を装うなど不可能だろうさ。その変な客は自分らなんだけどな!もう涙が出てくらあ。
「ああ、悪いけど俺らは客じゃないんだ。三河の大名に会う為に尾張から来たんですけど、門番の人に1番デカい建物に行けと言われまして」
「ああ!話は聞いているわ!ということは、貴方が小烏丸さん?」
「初めまして、小烏丸です。こちらが尾張大名のミスフィートさん」
「宜しく頼む」
「こちらこそ宜しくお願いします!私はレベッカ、この街を一任されています」
街を任されているとは中々の人物だ。ただの商売人じゃないらしい。
「二人とも、これから城へ向かうのでしょう?」
「ええ。大事な交渉があるので、あまり待たせるワケにはいきません」
「ならばコレに乗って行くと良いわ。貸し出しになりますけど」
「それは助かります!ああ、というか、これを2台買うことは出来ますか?」
「可能ですよ。1台金貨30枚ですが」
大体日本円で30万円か。安くはないけど、高いってほどでもないな。
「買います。動物をこっちで選ぶことはできますか?」
「此処にある物なら、どれでも大丈夫ですよ」
「よっしゃ!ミスフィートさん、好きなのを選んで下さい!」
「おお!コレが私の物になるのか!?」
ミスフィートさんが、とても楽しそうに動物を選んでいる。
俺はどれにすっかな~。
「名簿に名前と登録番号を記入しました。これで万が一盗難されても、誰の持ち物なのか判別が出来ます」
「車体の登録番号を消されたら、わからなくなりませんか?」
「見えない場所に何か所も書かれているので、大丈夫だと思いますよ」
「なるほど・・・。さすがしっかりしてるなあ。ありがとう!そろそろ出発します」
「清光に宜しくね!」
「伝えておきます。では」
いや~、実に良い買い物をした!これで城への旅が楽になったぞ!
「う~~~~、やっぱりこの服装で行くのかあ・・・」
「行きだけです。帰りは、理由があってズボンに着替えるので安心して下さい」
なんせバイクを受け取る予定だからな!
今着ているごわついたスカートでバイクに乗るなんてとても無理だ。タイヤに巻き込まれたら大惨事になりかねない。
駄々を捏ねるミスフィートさんを引き摺りながらルーサイアを出発した。
************************************************************
「ミスフィートさんは、尾張から出たことってあるのですか?」
「ん?ないぞ。三河がどんな国なのかすごく楽しみだ!」
そうだったのか・・・。
生まれてから今日までずっと荒んだ尾張の中で暮らしていたなんて、不憫なんてもんじゃないな。軍のみんなもきっと同じようなもんなんだろう。
今度みんなを三河に連れて行って、平和の素晴らしさを体感させてやりたいな。
いや、三河が俺の思っているような国とも限らんけどさ。
「俺も三河の国には一度も入ったことがないんですよ。彼らと出会ったのは尾張の端っこの方で、そのままダンジョンへ行くことになったので」
「ほう、そうだったのか。じゃあ私と一緒だな!」
「大名の清光さんと虎徹さんはかなり破天荒な方達なので、ビックリするような国かもしれないですが、平和なのは間違いないと思われます」
「へーーー!尾張の国を作り変える参考になりそうだな!」
大名自らが他国を回って見識を広げるのは、これからの国造りに役に立つハズだ。
その辺に放置されている廃墟を全部壊さなきゃ、国造りどころじゃないけどな。
そして1日歩き続け、やっと三河の国に入った。
************************************************************
三河に入り、国境近くにある砦で検問を受けたので事情を説明すると、清光さんからしっかりと話が通っていて、城までの道順を丁寧に説明してくれた。
「街が見えて来たぞ!」
「やっとか~~~!思った以上に遠かったですね」
それから2日かけて辿り着いたのがこの街だ。
門番に事情を説明すると、ちゃんとココにも話が通っていて、一番大きな建物に寄るように言われた。
「とても綺麗な街だなっ!」
「いや~、すごいな・・・。明らかに文明の違いを感じます」
最初彼らと出会った時に、半年ほど前にこの世界に来たとか言っていた気がする。
あれから3年近く経ってるけど、その年月の間に、これほどまでの国を造り上げていたんだな。
まず一番驚いたのは道路だ。土じゃなくてアスファルトの道なんだよ。
しかし日本っぽい感じでもなく、自然と調和した美しい街並みに仕上がっている。
これを見てしまうと、尾張の廃墟な街並みがすごく恥ずかしくなって来たぞ。
もう絶対に廃墟を全部ぶっ壊して、ルーサイアを最強の街にしてくれるわ!
「・・・はい!?」
「・・・・・・・・・・・・」
ちょっと待てや!!なんでデパートの屋上にある乗り物が歩いている!?
「まさか、この世界でコイツを見ることになろうとは・・・」
「アレは何なのだ?」
「ちょっと説明しにくいですね。まあ、なんというか・・・、乗り物です」
ちなみに歩いているのは、間違いなくパンダちゃん号だ。
デパートの屋上で、子供の頃に何度か乗って遊んだ動物の乗り物だ。
短い足がうにょうにょ動いて、なんとも滑稽な姿だなあ。
街の中央まで歩くと、動物乗り物の姿がどんどん増えて行き、むしろその光景が当たり前って感じになってきた。
「まさか街がこんな方向に育ってるなんて、本当に想定外だ・・・」
「面白いなっ!私もアレが欲しいぞ!」
「どこかで買えるのかもしれませんね。買えるのなら買ってみましょう!」
「一番大きな建物って、あそこじゃないか?」
「あれっぽいですね。入ってみましょうか」
建物に入ると、中は動物乗り物だらけだった。
ココで製造販売してるのかもしれん。
「いらっしゃ、・・・いらっしゃいませー」
店員特有の流れ作業的な『いらっしゃいませー』をつっかえさせたぞ!
マスクを着けた赤い男と豪華絢爛な美女が入って来たら、そりゃあ平静を装うなど不可能だろうさ。その変な客は自分らなんだけどな!もう涙が出てくらあ。
「ああ、悪いけど俺らは客じゃないんだ。三河の大名に会う為に尾張から来たんですけど、門番の人に1番デカい建物に行けと言われまして」
「ああ!話は聞いているわ!ということは、貴方が小烏丸さん?」
「初めまして、小烏丸です。こちらが尾張大名のミスフィートさん」
「宜しく頼む」
「こちらこそ宜しくお願いします!私はレベッカ、この街を一任されています」
街を任されているとは中々の人物だ。ただの商売人じゃないらしい。
「二人とも、これから城へ向かうのでしょう?」
「ええ。大事な交渉があるので、あまり待たせるワケにはいきません」
「ならばコレに乗って行くと良いわ。貸し出しになりますけど」
「それは助かります!ああ、というか、これを2台買うことは出来ますか?」
「可能ですよ。1台金貨30枚ですが」
大体日本円で30万円か。安くはないけど、高いってほどでもないな。
「買います。動物をこっちで選ぶことはできますか?」
「此処にある物なら、どれでも大丈夫ですよ」
「よっしゃ!ミスフィートさん、好きなのを選んで下さい!」
「おお!コレが私の物になるのか!?」
ミスフィートさんが、とても楽しそうに動物を選んでいる。
俺はどれにすっかな~。
「名簿に名前と登録番号を記入しました。これで万が一盗難されても、誰の持ち物なのか判別が出来ます」
「車体の登録番号を消されたら、わからなくなりませんか?」
「見えない場所に何か所も書かれているので、大丈夫だと思いますよ」
「なるほど・・・。さすがしっかりしてるなあ。ありがとう!そろそろ出発します」
「清光に宜しくね!」
「伝えておきます。では」
いや~、実に良い買い物をした!これで城への旅が楽になったぞ!
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
1,201
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる