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101 三河に通信してみる

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 プルルルル


『小烏丸か!?』

「清光さん、お久しぶりです!赤い流星こと小烏丸です」

『ハハッ!暫くぶりだが、元気そうだな』

「ええ、そりゃあもう!では早速報告を。ジャバルグの討伐に成功し、ミスフィートさんが尾張を手中に収めました!」

『おめでとう!まあニーナの報告で聞いてはいたのだが、ジャバルグの死は確認出来ていなかったので、詳細を知りたいと思ってた所だ』

「ありがとうございます!もう知っているとは流石の諜報力ですね」

『ニーナはああ見えて有能だからな。それでバイクはいつ取りに来る?なんなら、こちらから届けに行ってもいいが』

「そうそうバイク!いや~、嬉しいなあ。尾張の端まで行くのが本当に大変だったんですよ。それでですね、他国の先輩大名直々に来てもらうのもアレなんで、勿論こちらから行きます。バイクの受け取りと同盟の締結、そして付与魔法をかけるための武器の受け取りですね」

『ようやく俺の武器が強化されるのか!コテツも呼び寄せないとな』

「あれ?そこにいないんですか?」

『コテツは遠江にいる。今あの国はコテツのもんだ』

「マジっすか!?二つ目の国を落とすとは流石ですね。ジャバルグの強さを知っているので、それが偉業だというのはよくわかっていますよ」

『まあ大名と言っても強さはピンキリだけどな。三河の元大名の方が強烈だったわ。それで三河にはいつ頃来る?』

「まだミスフィートさんに何も話していないので、今から色々話し合います。同盟のこともあるので、三河に行く時はミスフィートさんも連れて行きますよ」

『了解した。では話がついたらまた連絡をくれ。ジャバルグとの戦の話は、三河に来た時にでもゆっくり聞かせてくれ』

「了解です。こちらも同盟を急ぎたいので、近日中に行くようにします」



 ふーーー、やっと清光さんと連絡を取れるようになったぞ!
 まあ別に今までも通信可能ではあったんだけど、同盟の締結前に三河を頼ってしまうと、その後の交渉が対等じゃなくなってしまうからな。

 付与を頑張って借りを清算したら、次はダンジョンへ補給をする為の交渉をしなければならない。
 もう聖水も無いし、ダンジョンの高級食材も尽きた。それと恩賞で配る為の女性服の補充も必要だ。
 そして何よりも最重要なのが、一刻も早く赤い流星を卒業することだ!!絶対に何がなんでも男性服を手に入れなければ!



 トントン


「入れ」

 ミスフィートさんの部屋に入ると、彼女は茶を飲んで寛いでいた。


「ミスフィートさん、おはようございます!
「おはよう小烏丸!」

「えーと、いきなりなのですが、ミスフィートさんに言ってなかったことが一つあるのです」
「ほうほう、それは重要なことなのか?」

「実は俺、三河の大名と知り合いなんですよ」

「ブッ!・・・なんだって!?」

 ミスフィートさんが茶を噴いた後、驚いて立ち上がった。まあさすがに驚くか。

「それでですね、三河と同盟を組もうと思っているのですがどうでしょう?」
「それは願ってもない話だ!」
「ならば俺と一緒に三河に行ってもらえますか?」
「・・・えーと、今すぐに出発するのか?」

 軍は屋敷に帰還したばかりで、尾張の内政をどうするかなど、まだ全然話し合ってないんだよな。でもこの同盟はめっちゃ重要なので、三河に行くのは早ければ早いほど良い。

「近隣国が攻めて来る可能性を考えると、同盟は急ぐ必要があります。とはいえ尾張の統治について、みんなと話す必要があるので、2日後でどうでしょう?」
「2日後か・・・、良かろう!ところで三河の大名とは、一体どれくらい懇意な関係なのだ?」

どれくらい・・・、どう説明すりゃいいんだろ?

「えーと、同郷繋がりですね。昔、強くなる為に魔物を狩りまくっていた時に偶然出会ったのですよ。そしてダンジョンへ連れて行ってもらったんです」
「なるほど・・・、そこに繋がるのか」
「そういう経緯があるので、俺個人には彼らに借りがあります。その借りを返す為、彼らの武器を強化する約束をしました」
「彼ら?一人じゃないのか!?」
「三河を統治しているのは、事実上二人の男です。あー、でももう一人の人物は、現在遠江の国を任されているらしいです」
「なにっ!?遠江までも落としたのか!」
「みたいですね。二人とも無茶苦茶強いですよ!」

 清光さんとは直接戦ってないけど、バフォメット戦を見て強いのは知っている。
 まあ虎徹さんと組んでいるのだから、同等かそれ以上なのは確実だろうね。

「そうか。会うのが少し楽しみだな!」

「それとですね、要件はもう一つあります」


 マジックバッグから箱を取り出し、一着の服を取り出す。


「ミスフィートさんは晴れて大名になりました。この先必要となるのは威厳です!早速今日から大名に相応しい服に着替えましょう」

「えーーー!?私はこの巫女装束を気に入っているのだが・・・」

「確かに巫女装束は可愛いです。なので、それはそれで部屋着として使って下さい。でも公の場では新しい服の着用をお願いします。無茶苦茶格好良いんで、絶対気に入りますよ!」


[女帝の衣装]
 :謎の化学繊維で作られた服。付与魔法が込められている。評価SS
 :斬撃耐性+++ 刺突耐性+++ 衝撃耐性+++ 魔法耐性+++ 炎耐性+++
  雷耐性+++ 熱耐性+++ 冷気耐性+++ 汚れ耐性+++ 精神耐性+++
 :自動修復(強)サイズ自動調節 防水機能 消臭脱臭機能


 早速彼女を着替えさせる。豪快な衣装なので勿論手伝う。

 あまり乗り気じゃないみたいだけど、大名となったからには、そこは我慢してもらうしかない。今は他国に見下されるワケにゃいかんのですよ。


 その凛々しい姿を見て、感動で少し震えた。


「・・・似合うか?」

「凄まじい威厳です!どこからどう見ても、貴女がこの国の大名だ!」


 これで三河に行っても、絶対に相手に見劣りしないハズだ。
 きっと彼女の姿を見ただけで、美濃や伊勢の奴らも震え上がることだろう!
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