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61 ルーサイアに帰還

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 辛い記憶を思い出したルルが、思わずララを抱きしめた。

「ジャバルグ軍に村が襲われたの。ボクはなんとかララを連れて逃げ出すことが出来たんだけど、村のみんながどうなったのかはわからない。普段から警戒をしていたから、大半の人が逃げ切れたとは思うんだけど・・・」

 なるほど。やはりあの腐れ外道共か。
 もうアイツらは誰一人容赦しねえ!最初から容赦なんてしたことないが。

「そういえば君の名は?俺は小烏丸という」
「ルルです。助けていただいて、本当にありがとうです!」

 ルルとララか、憶えやすくていいな。

「君達の状況は把握した。しかしそんな状態で、どこへ行こうとしていたんだ?」
「わからない・・・。とにかくララだけは守らなきゃって」
「そうか。偉いな」

 ルルの頭を撫でる。

「良かったら俺達と一緒に来ないか?俺達は反乱軍に所属しているんだが、えーと、すなわちジャバルグ軍は俺らの敵だ」
「反乱軍・・・、でも、ボクはともかくララは戦えませんが」
「ララも君も、無理に戦わせるようなことはしないさ。正直この国はどこにいても危険だ。しかし俺達の所に来れば、少なくとも身の安全は保障されるだろう。それに反乱軍には女性が多い。軍のリーダーも女性だ。今は鉱山から男共を救出して来たばかりなので、街へ帰るまでは男まみれだけどな!」

 タイミングが悪いというか、女性が多いって言ったばかりなのに、男の集団と一緒に街へ向かわなければならんのよね。警戒しないでくれると良いんだが。

「わかりました。反乱軍に入れて下さい!」
「喜んで君達を迎え入れよう!と言いたい所なんだけど、俺にそのような権限は無いんだ。鉱山の男達を含めて、反乱軍のリーダーに入隊許可を願うことになる。まあリーダーは素晴らしい人なので、絶対に悪いようにはしないさ」

 ララを見ると、カニを食べて満足したようで、ずっとニコニコしている。

 うん。無茶苦茶可愛らしい。

 しかし俺は近所でも評判になるくらいの最上位紳士なので、YESロリータNOタッチの精神を徹底厳守するぞ!

「よし、じゃあみんなが待ってるから、さっきの場所に戻ろうか」
「わかりました!」
「はーい!」

 ララを抱っこする。
 あ、NOタッチの精神が・・・。いや、まあ、これくらいはセーフだろ!?


 そのままドワンゴ達のいる場所に戻って来た。


「待たせたな。この2人はミスフィート軍で保護した。さあ街へ帰ろう!」

「お、やっとじゃな!」


 そして総勢100人以上になった集団を引き連れて、ルーサイアの街へと帰還した。





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 ルーサイアの入り口には、5人の見張りがいた。
 軍のみんなはパラゾンを解放中だから、この5人は軍に入ったばかりの新兵だな。


「小烏丸だ。鉱山の制圧が完了した!通行許可を願う!」

「うわっ!なんでこんなに人が!?ちょっと待ってて下さい!軍の人を呼んで来ます!」

「迅速に頼む!」


 数分後、とんでもない美人が現れた。うん、ミスフィートさんだ。


「すごい人数だな!」
「鉱山の解放は無事成功です!ミスフィートさんがいるってことは、そちらも終わったんですか?」
「こちらもパラゾンを解放したぞ!」
「めっちゃ早いですね!まさか俺の方が遅かったとは・・・」

 ミスフィートさんと拳を突き合わせる。

「皆に紹介しよう!この御方が反乱軍の総大将、ミスフィート様だ!」
「おい!様って何だ!?」

「この人が!?」
「なんて美しい女性なんだ・・・」
「この人が俺達のボスになるのか!?」
「うおおおお!すごくやる気が漲ってきたぞ!!」
「強いな・・・」
「流石は総大将じゃの」

 鉱山組の紹介は、少し大袈裟にしてみるか。
 このタイミングで更にやる気を上昇させるのだ!

「この100人超の男達は、鉱山で働かされていた尾張国民です。そして全員がミスフィート軍への参加を希望しています!」
「なにっ!?全員がだと!?」
「ミスフィート軍の理想や素晴らしさを伝えた所、全員が感銘を受け、共に戦うことを決断してくれました。毎日鉱山で働いてた者達故に、強靭でタフな肉体を有しています。しっかり訓練さえすれば、優れた戦士になることは間違いありません!」
「そうか!実に頼もしいな!」

 おっと、彼らの活躍も報告せねばなるまい。

「そして、こちらにいるドワーフ11名は、鉱山を解放する為に俺と共に戦ってくれた戦士達です!ドワーフのリーダーであるドワンゴは、鉱山の頭目だったピエールを、壮絶な一騎打ちの末に撃破した豪傑です!」
「あのピエールを!?見事な働きじゃないか!!」
「こがらす殿の武器を使わせてもらったからな。造作も無いことじゃ」
「小烏丸の武器を・・・、なるほど!これからの活躍を大いに期待しよう!」

 わはは、ドワンゴの奴、照れてるな!

「あ、そうそう!もう一つだけ報告があります。鉱山からの帰り道でエルフの女性が倒れているのを発見し、無事保護しました。詳しい話は後程説明します」
「行き倒れか・・・、よくぞ此処まで連れて来てくれたな!ああ、そろそろ場所を変えよう」

 ミスフィートさんが全員の方を向く。


「此処まで本当にご苦労だった!皆の者、私について参れ!」


 そして100人を超える鉱山からの帰還者達は、領主の館へと向かった。





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 鉱山組をミスフィート軍の皆に紹介した後、男達の寝床を確保する必要があったので、ジャバグル軍が使っていた近隣の大きな建物などを使うよう手配した。

 鉱山組は早速、自分の住居となる建物の清掃に向かった。


「ルルとララの村はジャバルグ軍に襲われて、みんな散り散りになってしまったようです。とにかく放っておくのは危険と判断し、軍で保護しようと連れて来ました」
「そうか・・・。ルルとララ、大変だったな。だが此処に来たならばもう安心だ。キミ達の身の安全は私が保証しよう!」

「ありがとうございます!」
「ございます!」

「ところでパラゾン解放の戦いはどうでした?」

「ああ、ほとんど順調だったのだが、重傷者が3名出た」


「・・・え?」
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