クーヤちゃん ~Legend of Shota~ このかわいい召喚士は、地球からアイテムを召喚してしまったみたいです

ほむらさん

文字の大きさ
上 下
429 / 436

第429話 宝石屋さんでお手伝い

しおりを挟む
 宝石大好きクールビューティーが目覚めたことで、エロビデオ屋さんだけじゃなく、宝石屋さんまで大掃除することになってしまいました。

 これ以上お宝を見つけても手に負えないので、本日の探索は終了みたいです。

 というわけでレオナねえ達はエロビデオ屋さんの掃除に戻るわけですが、正直エロビデオ屋さんの掃除なんか手伝う気にもなりませんので、ボク達は宝石屋さんに残ることにしました。


「一つ気付いたのですが、宝石屋で掃除機を使っても問題無いのでは?」
「どういうこと?」
「天使様が掃除機を消すと、その場所に埃が飛び出てきますよね?小さな宝石を吸い込んだとしても、飛び出た埃の中を調べれば回収出来ます」

 会話を聞いていたシーラお姉ちゃんの頭から『!』が出た。

「それよ!!宝石が床の上に落ちているかもしれないから、結局店内を徹底的に調べ尽くす必要があるものね。広い範囲を探し回るより断然楽だわ!」
「あ~、なるほど!むしろ一ヶ所に埃が集まってる方が、宝石を探しやすいじゃないですか!」
「もうエロビデオ屋の床と棚の埃は掃除機で吸い込んだから、1台持ってくか?」
「うん!んじゃ1台消してここに呼び出していい?」
「待て待て!今消したら掃除機の中の埃が飛び出しちまうだろ!」
「あ、そっか」

 もう何度も掃除機の中に溜まった埃を外に捨ててるだろうから、一度向こうに行って掃除機をリフレッシュした方がいいかもだね。

「じゃあとりあえずエロビデオ屋さんに行って戻って来よう!」
「うん」
「急いで戻って来るのよ?」

 ・・・ん?

「シーラお姉ちゃんは戻らないの?エロビデオ屋さんの掃除は?」
「総支配人である私が宝石屋の指揮を執るわ。向こうはみんなに任せた!」

「「なにッ!?」」

 いつの間にジュエリーショップの総支配人に!?

「私とナナもこっちの掃除を手伝うけど、もう3軒もやってるから全力は出さないからね?」
「それで構わないわ。こっちは小さな宝石の一粒ですら見落とさないよう、ゆっくり丁寧にいきましょう!」


 ほうほう。アイリスお姉ちゃんとナナお姉ちゃんもこっちか。
 エロビデオ屋さん勢の掃除が終わって合流してからが本番ですね~。

 というわけで、タマねえと二人で向こうの店までついて行き、掃除機を再召喚してから戻って来た。

 宝石屋さんで掃除機を呼び出すと、到着を待っていた総支配人のシーラお姉ちゃんが掃除機を装備し、細長い台の上の埃から吸い込んでいく。


 ブォーーーーーーン  カリッ


「ん~、やっぱり小さな宝石を吸い込んでしまうわねぇ」
「指輪とかイヤリングとかネックレスなんかも吸い込んじゃうかも」
「あ、そっか!丸裸の宝石だけじゃなくて、アクセサリーなんかもあるのか~」
「さっき私が盲牌したヤツは指輪だったよ」
「台によって置いてあるアクセサリーの種類が違うのではないでしょうか?」
「全部丸裸の宝石なのかと思ってた」


 ボクもそう思ってたんだけど、ナナお姉ちゃんが指輪を持ってるのを見たのだ。

 異世界の古代の宝石屋さんだから、ボクの知ってる宝石店のイメージとは全然違いそうだけどね~。

 ただ杖に付いてる宝石もこういう店で仕入れてるのかもしれないから、加工してない丸裸の宝石でも、とんでもない値打ち物だったりしそう!


「そろそろ中身を出した方がいいかしらね」
「どこに出すのさ?」
「掃除機の中に宝石が入ってますから、店内で調べた方がいいと思います」
「じゃあそっちの床の埃を吸い取って、そこでお宝探ししよっか!」
「埃を吸い取って埃をぶち撒ける」
「でもそれで正解なのです!」


 シーラお姉ちゃんが掃除機で床をキレイにしてくれたので、その真ん中で掃除機を消した。そこに圧縮された埃が積み上がる。

 そしてすぐ横に掃除機を召喚し直した。


「なるほど・・・、こんな感じになるのね。じゃあ私は次の埃を持って来るから宝石探しをお願いするわ。一粒たりとも見落とさないようにね!」
「任せて!」
「五人もいらなくない?」
「大丈夫。すぐ次の埃が運ばれて来るから」
「次の埃の山は少し離した方がいいね~。混ざっちゃうから」

 そんな会話をしながら地味な作業が始まった。
 でもガチな宝探しなので、地味だけど派手なのかも。

「お宝発見♪」
「結構あるね!でも勝負は後半だよ。一粒も見落とせないんだから」
「責任重大です!」

 そうこうしているうちに次の埃が運ばれて来たので、ボクとタマねえも宝探しを開始した。力仕事じゃないから、これならボクでも楽勝なのです。

「あ、指輪だ」
「そこそこ重いのにやっぱ吸い込んじゃうんだね。掃除機くんパワーあり過ぎ!」
「指輪って大体いくらくらいで買える?」
「ん~~~、幅が大き過ぎていくらってハッキリ言えないのです。1万ピリンで買える指輪もあるし、こんな小っちゃい宝石が付いただけで1億ピリンする指輪もあると思うよ」
「1億ピリン!?」
「でもそんな希少宝石が付いた指輪なんて大金持ちしか買えないから、庶民が買ってくのは大体20万ピリンくらいの指輪かな?」
「指輪を買うくらいならジャーキー買う」
「にゃははははは!ボクも買うならジャーキー!」


 まあ庶民なら結婚指輪を買うくらいだと思うけど、貴族みたいなプライドで生きてる人種だと数千万とかする宝石を何個も持ってるんだろな~。

 ハイドリムドの王妃様なんて腐るほど持ってそう。

 ・・・ふむ。

 王妃様には結構稼がせてもらってるし、希少な古代の宝石をプレゼントして、今以上に仲良くなっておくのもアリじゃない?

 あとでお姉ちゃん達に相談してみよう!



 ◇



「やっと終わったぜ!」
「こっちは・・・、なんかまだまだって感じ?」
「細長い台の上はキレイになってるけど、床が埃だらけだね~」

 お?リズお姉ちゃんとロコ姉ちゃんとミルクお姉ちゃんだ。
 ようやくエロビデオ屋さんの掃除が終わったみたいです。

「あれ?レオナねえと悪そうなお兄さんは?」
「店内はピカピカになったんだが、そのまま残って奥の部屋の掃除を始めたぞ」
「自分の部屋は自分で掃除するって言ってた」
「だから掃除機はまだ使うんだってさ~」


 あのエロコンビ、個室に籠ってエロビデオを観賞するつもりだ!!

 まあボクにも一人になりたい時期がありましたので、気持ちはわかりますとも。
 転生したら若返り過ぎて完全に枯れましたが!

 しかし大掃除の延長戦を始めるとは、エロパワーは偉大なのです。
 
しおりを挟む
感想 165

あなたにおすすめの小説

赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!

ほむらさん
ファンタジー
ヘルメット、マスク、そして赤い軍服。 幸か不幸か、偶然この服を手に入れたことにより、波乱な人生が幕を開けた。 これは、異世界で赤い流星の衣装を一生涯着続けることになった男の物語。 ※服は話の流れで比較的序盤に手に入れますが、しばらくは作業着生活です。 ※主人公は凄腕付与魔法使いです。 ※多種多様なヒロインが数多く登場します。 ※戦って内政してガチャしてラッキースケベしてと、バラエティー豊かな作品です。 ☆祝・100万文字達成!皆様に心よりの感謝を! 小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。  

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

転生しても山あり谷あり!

tukisirokou
ファンタジー
「転生前も山あり谷ありの人生だったのに転生しても山あり谷ありの人生なんて!!」 兎にも角にも今世は “おばあちゃんになったら縁側で日向ぼっこしながら猫とたわむる!” を最終目標に主人公が行く先々の困難を負けずに頑張る物語・・・?

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

大好きなおねえさまが死んだ

Ruhuna
ファンタジー
大好きなエステルおねえさまが死んでしまった まだ18歳という若さで

【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~

みやま たつむ
ファンタジー
【本編完結しました(812話)/後日譚を書くために連載中にしています。ご承知おきください】 事故死したところを別の世界に連れてかれた陽キャグループと、巻き込まれて事故死した事なかれ主義の静人。 神様から強力な加護をもらって魔物をちぎっては投げ~、ちぎっては投げ~―――なんて事をせずに、勢いで作ってしまったホムンクルスにお店を開かせて面倒な事を押し付けて自由に生きる事にした。 作った魔道具はどんな使われ方をしているのか知らないまま「のんびり気ままに好きなように生きるんだ」と魔物なんてほっといて好き勝手生きていきたい静人の物語。 「まあ、そんな平穏な生活は転移した時点で無理じゃけどな」と最高神は思うのだが―――。 ※「小説家になろう」と「カクヨム」で同時掲載しております。

処理中です...