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第167話 こたつ

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 時は過ぎ、冬になった。

 少しずつこの世界のことがわかってきて、暦も読めるようになりました!
 地球の暦とは若干違いますが、今は大体12月の終わり頃ですね。

 そうなのです!いつの間にかクーヤちゃんは6歳児となっていました!

 ワーーー パチパチパチパチ!

 ただ、この世界に受肉した日が5歳児になって1日目だとすると、実はまだ5歳児のままだったりします。でも前世の自分の誕生日と照らし合わせて、10月10日の時点で6歳ってことにしました!

 リリカちゃんにマウントを取られないようにする為には、同い年と言い張る必要があるのですよ・・・。

 というかですね、弟の方が賢しいってのは彼女のプライドを傷付けるかもしれないけど、同い年ならスゲーって感じで済むと思うんですよね。それにリリカちゃんと同学年で学校に行ける方が面白いに決まってるもの。

 ・・・とまあ年齢のことは置いといて、そう!冬なのですよ。

 どうやらボクの住んでる街は四季がある所だったみたいで、現在外では雪がしんしんと降ってたりします。

 少し前にリリカちゃんと雪合戦をしたり、かまくらを作ったりして遊んだけども、さすがに毎日外で遊んではいられません。だって寒いからね!!

 アイテム召喚で手に入れた『ファンヒーター』が大活躍して、家の中はポカポカなのですが、更に『こたつ』も設置して、リビングは完全に冬仕様となりました!


 バタン!

『うお~~~~~~~~、寒ィィィィィィィィィィィィ!!』

「ぐエッ!」

『何だ?こたつの中から、カロリーゼロに踏み潰されたような声が聞こえたぞ?』


 こたつ布団をめくって中を確認したレオナねえと目が合った。


「あーーーーーっ!こんな所にいやがったのか!!一人だけ『雪かき』から抜け出して暖まってやがったな?ていっ!ていっ!」
「にょわ~~~~~~~~~~~~~!」

 レオナねえに足のつま先でツツかれまくったので、こたつから這い出た。

「酷いことしますね!!」
「クーヤ、ラーメン一丁頼むぜ」
「完全にスルーしてラーメンを注文するとは、さすがレオナねえです!」
「あまり褒めるなよ。照れるじゃねえか」
「言うほど褒めてません!」

 でもラーメンを出してあげると、相変わらず美味しそうにラーメンを食べ始めた。

 ズズズズッ

「やっぱ冬はラーメンに限るぜ!」
「それは間違いないです。メメトン汁との最強争いですね」
「わかるぜ!この前食ったメメトン汁は美味かったな~~~!」

 ご察しの通り、『メメトン汁』ってのは豚汁のことです。

 最近アイテム召喚で味噌が手に入ったので、お母さんに豚汁の具材なんかの説明をしながら作ってもらったのだ。

 この世界の野菜を使ってるから少し違和感はあるけど、これは豚汁じゃなくてメメトン汁だから全然問題無し。控えめに言って神ってくらい美味しかったです!

 もちろん味噌は無限味噌になったぞ!


 ガチャッ

「ただいまー」

 お?タマねえが学校から帰って来た。


「タマねえ、おかえりーーー!」
「ズズズズズッ、おかえり!」

 タマねえがこたつの右隣に座ったので、板チョコを出してあげた。

「やっぱ冬はチョコに限る」
「それって季節とか関係あるんですかね!?」
「クーヤ、そろそろ大きいチョコを召喚して。これじゃ足りない」
「狙って出せるもんじゃないので!でも出る可能性は十分あるよ」

 あっちの世界には色んな種類のお菓子があるからね!

 でも出るとしたら、おそらく日本のお菓子だと思われます。
 洋物のエロ本とかも出たけど、呼び出した物の大半が日本製なんだよね。

 理由はわからんけど、ボクが日本育ちだってのが関係してるのかも?

 そもそも地球上の物を呼び出せることがイレギュラー的な摩訶不思議現象なので、考えてもしゃーないんだけどさ。


 ガチャッ

「雪かきしておいてくれたのね!みんなありがと~!ただいま~」
「ただいまーーーーーーー!」

 お母さんとリリカちゃんが買い物から帰って来た。

「「おかえりーーーーーーーー!」」

「クーヤちゃんに頼まれてた『みかん』、い~っぱい買って来たわよ~!」

「やったーーーーーーーーーー!」

 こたつといったら『みかん』でしょう!

 もちろんこの世界の果物なので名前も違うし見た目もちょっと違うんだけど、脳内自動変換でアレはもう『みかん』としてインプットされています!

 ただ皮がフニャフニャしていないので、どちらかというとグレープフルーツに近いんですけどね。食べ方も、真横にスッと切ってスプーンで食べるのです。


 お母さんが、こたつの上にみかんを切って出してくれたので、タマねえと一緒に食べ始める。


「うまーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
「すっぱーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

 ん?

「そういえばタマねえはチョコを食べてたから、ただ酸っぱいだけなんだ!ってことで、一旦チョコ消すよ?」

 チョコを消して、タマねえの味覚を正常に戻した。

「おいしーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
「だよね!!」


 そしてクーヤちゃん・リリカちゃん・タマねえの三人が揃ったことで、『クエクエⅡ』の続きをすることになった。


『リリカは 18ポイントの ダメージをうけた』


 前までは戦闘シーンも全部翻訳しなければいけなかったんだけど、長いこと遊んでるうちにタマねえもリリカちゃんも日本語をかなり覚えたようで、クーヤちゃん翻訳が無くともこれくらいなら読めるようになってたりします!

 もしかしたら、クエクエシリーズだけで『ひらがな』『カタカナ』『数字』を極めるかもしれませんね。子供の吸収力ってすごいよな~。


 とまあ、そんな冬の1ページでした!


 ちなみに青ハムちゃんに持たせたまま召喚獣の不思議空間に預けてあったアツアツコーヒーは、結構ぬるくなってました。

 時間停止ではなかったけど、ハムちゃんの頬袋に入れておくよりも更に長持ちするって感じですね。これは使えますよーーーーー!
 
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