モィ バリーブィ～サイリスタ帝国に抗う者たち～

第2章 ホテルで休憩のひと時を…。

第25話 洗脳されたナーシャ。

今の私は何処へ行ったのだろうか…。

私の身体はあるのにも関わらず、丸で死んだ様に動かない感覚。
その感覚を持っているとまるで私の身体がどこかに流れたような感触がしての不思議さを持ってしまった。
本当にここは何処なんだ…。

「では、サーシャ。君は見事に我が僕になったようですね。」

「御意。私は貴方の立派な手先である事が誇りです。」

「流石、君は我の僕として働いてもらうからな。」

「了解です。私は貴方の手足となって働きますから。」

えっ。

私は、何を言っているのか?

明らかにおかしい事だが、一体、それは何なのだ。

正直、今の私にはわかる術もない。
何故なら今の私は意識はありそうで無い状況の上、凄く気が遠くなっているんだから…。

当然、分かる訳がないからだ。

仮に、この状況に違和感があったとしても、身体の動きが変に鈍い状況に私は分からなくなっていた。
同時に私の身体に別人格が目を覚ましたような感触も少しずつ持っていた。
なんか、私の裏の人格が作られたのか、それとも密かに潜んでいたのが大っぴらに目覚めたのか…、

「では、ナーシャ。君に最初の任務を課してやる。その任務は確実に遂行してもらうんだぞ。」

「御意。貴方達みたいな素晴らしい聖職者の下で働けるなら、私は物凄く満足します。」

私の言っている事が非常におかしくて以上だ。
けど、口がそれに反発出来ずにいるのはどうしてなのだ。
まるで今の私が生きた人間の感覚がしない状況、私は凄く恐怖を抱いた。

なんか、今の私が凄く怖い。
何か、別人のような感覚になっているのだろうか?

私はこの感覚に恐怖を抱きながらも、本当にこれで良いのか分からなくなっていた。
そして次第に私自身の感覚も遠くなっていた。

どうして、こんなに気が遠くなったのか非常に気になってしょうがない。
けど、今の私では何も出来ないのが実情だ。

だが、このままで良い訳じゃない。
今のままなら彼らに私が呑まれてしまう。

そういう本当に疑念が浮かんでしまう状況に私は恐怖を抱いた。
まるで私は悪い事をやりそうな恐怖で私は本当に信雄さんを殺しそうな状況になるのは避けられないと…、
私の意識は次第に混濁して、本当に今の意識が消えそうな状況になって、本当に私の人格が消えてしまうのか非常に不安で仕方なかった。

「では、最初に東方にある軍港の都市から子供達を誘拐して欲しい。」

「御意。我が聖職者の為に私は何でもやります。」

「その通りだぞ。ナーシャ。そうやって子供達を攫って、我の為に尽くすんだ。」

「御意。流石は、フランコ15世です。」

私の意識がない状況で私は本当に東方にある軍港の都市から子供を誘拐する任務を引き受けてしまった。
本当なら、ここで誘拐を阻止しなければならないのにまるで私の身体には別の魂が宿っているような感触から逆らえない状況に凄く恐怖を抱いた。

そう思いながらも私は逆らうとサイリスタ帝国の聖職者に殺される恐怖からここはこの任務を引き受ける事にした。
そして私は東方の軍港の都市の制圧任務を引き受け、そちらに向かった。

********
あの女も最初は反発していたのに、まるで我に意識を奪われてしまっておしまいだな。
まずは、子供を誘拐する任務を引き受け、それから信雄さんとオズワルドの殺害任務を引き受けねばならないからな。

クククククッ!!

「ふふっ。最高ですよ。ベネティクト13世。」

「そうですな。フランコ15世。」

フランコ15世。
お前もこの話を聞いていたとはさすがだ。
このサイリスタ帝国では長子長男だけが人間で女性や上に兄弟がいる男性は絶対に出世が出来ない構造になっているんだ。

「これで我らの計画が着実に進んで最高の悪魔崇拝が完成しますね。」

「くくっ。流石はフランコ15世。ローマ市国が壊滅させられそうな状況にこの世界に逃げ込んで見事に成功させたとはさすがだな。」

「くくくっ。勿論です。そしてこの世界の住民の中には向こうの世界との繋がりを否定する為に、記憶を吹っ飛ばす技術と人格を書き換える技術、更には女の子を不老不死にさせる技術まで用意していて最高です。」

「そうですね。ベネティクト13世。貴方はそれらの技術を用いて、最高な仕事をしています。」

「そう。女の子の身体は15歳を過ぎると追わなくなるんです。そして、身体の方は確実に死後硬直も腐敗もしないから、最高の美術館になるんですよ。」

「ほう。流石は、ベネティクト13世。女の子の身体に不老不死になり、閉経出来なくなると子供が何時でも埋める様になる事を知っているんだね。」

「勿論さ。そして男の子を生贄にして、我の理想の世界のささげた後は骨にしてダイヤモンドにすれば最高なんだな。」

そう。
我は男の子を生贄にして、理想の世界をささげる崇拝をしなければならない。
その為、我々は向こうの世界から人間を引きずり出して、これから本格的な侵略戦争を仕掛ける為に、様々なやり方を進めた。

あちらの世界からこの世界に引きずり出して、転生したと思わせれば我らの思う壺でっせ。
だから、絶対に彼らにやられないように一気に現実世界を侵略しようと思った。

それは、我らが向こうの世界で失敗した計画の再臨を意味するから…。