10 / 22
到着
しおりを挟む
俺は今、ルミナを抱っこして空を飛んでいる。
何故かって?
その理由を話すのに時は少し遡る。
ルミナが俺の娘になる宣言をした後。
俺はルミナと焚火の火を消したり、そこら中の魔物の死骸から魔石を抜き取ったりしていた。
魔石を抜き取るのはルミナにはスプラッタ過ぎてさせられないから俺が全部やっている。
抜き取った魔石は全部アイテムボックスにしまう。
「おとーさん、どうやって王都に行くの?」
ルミナが疑問に思ったのか俺に聞いてくる。
「そうだな……、歩いていくと時間がかかるし空を飛んで行こうと思う」
「?、おとーさんは飛べるの?」
「飛んだことはないけど多分できるよ」
後片付けが全て終わったのを確認する。
「ルミナ、こっちにおいで」
「はいなの」
俺はルミナをこっちに呼ぶ。
「なにするの?」
「こうするんだ、よっと!」
俺はルミナの背中と膝裏に、それぞれ右腕と左腕を回し、ルミナを抱っこして持ち上げる。
「わぁ!高いの!」
「そっか、でももっと高くなるから舌を噛まないように口を閉じててくれ。あと、しっかり捕まるように」
「分かったの」
俺にそう言われルミナは口を閉じて両手を俺の首に回す。
(それじゃあナビ、始めるぞ)
『了解です、マスター』
空を飛ぶためにはいろいろ準備が必要だ。
今回は空を飛ぶために重力を利用する。
俺にかかっている重力の向きを誘導を使って俺の正面に変えることによって自分の体を前方に引っ張られるようにする。
さらに俺の体全体にかかっている重力を誘導を使って一点に集中して束ねることによって強力なものにする。
そうすることによって俺の体の一部にかけられた強力な重力が俺の体の一部を高速で引っ張り、俺の体の一部がさらに俺の体全体を同じ速さで引っ張る。
これで飛行の方法は完成だ。
あとはナビにこの一連の流れを瞬時に行うように指示する。
俺じゃあまだ流石にそこまでできないからな。
『マスター、準備が完了しました。いつでも実行可能です』
(わかった)
「よし、それじゃあいくか」
俺は一呼吸して反射を展開した後、地面を思いっきり蹴って、高速移動する際の応用の誘導で斜め上に高く跳躍する。
(ナビ!今だ!)
『はい』
俺がそう指示しナビが実行する。
すると体が急に加速し、自分の体が前方に動き始めた。
「おお!?」
「すごいの!空を飛んでるの!」
なんとか成功したようで俺の体は思った通りに空を飛んでいる。
時間が経つごとに重力加速度によって加速しているので本当は空気抵抗が来るんだが、それは反射を使って空気抵抗によってかかる負荷を反射し、反射した負荷でさらに後から来る空気抵抗による負荷を相殺することを繰り返していることによって解決している。
だけど、この方法は魔力を常に消費するので永遠にはできない。
なので王都に着けるかが心配だ。
というのが飛んでいる理由だ。
正直ルミナの前で格好つけたかったというのもある。
この方法は本当は体を引っ張ってるのだが、感覚としては背中を押されてる感じだった。
最初は魔力が足りるかどうか心配だったが、どうやら杞憂に終わりそうだ。
「ルミナ、方向はこっちであってるか?」
「大丈夫なの、あってるの」
ルミナに方向を確認するのも忘れない。
今の飛行速度はナビの計算だと時速300kmは余裕で超えているという話だ。
道理でさっきから遠くの景色が移動してるわけだ。
多分この分ならもうすぐ着くだろう。
(ナビ、後どれぐらいで王都に着く?)
『おそらく5分程かと』
(早いな、もう着くのか)
『加速し続けているため当然かと』
その後、ナビの予想通りに5分後に王都が見えてきた。
「すごくおっきいの!」
「そうだな。これから着地するから口を閉じてて」
「はいなの」
ルミナが口を閉じたのを確認して俺は着地の準備を行う。
着地の方法は地面に着地した際にくる反動を反射で反射する。
だがそのままにすると高速で飛行してた際の運動エネルギーが地面に向けて反射されてかなりの規模の衝撃波が出てしまうので誘導を使ってエネルギーを衝撃波が出ないレベルまで分散するようにナビに頼む。
(ナビ、着地するからそっちは任せた)
『お任せください』
俺は再度ナビにお願したあと、着地準備に入る。
段々と検問所が近づいてきているが勢いそのままに俺は近くの地面に着地した。
本来、起きるはずの衝撃波は、エネルギーがナビの誘導によって分散されて起きなかった。
そのおかげで周りには衝撃波による被害は出てない。
着地の際の反動も反射したのでこっちにも負荷はなかった。
「ルミナ、大丈夫だったか?」
「全然へーきなの。それに楽しかったの」
「そっか、それならよかった」
「また今度お願いしてもいい?」
「いいぞ」
「やった!おとーさん、ありがとうなの!」
ルミナは喜んでいるみたいだ。
(空を飛んだ甲斐があったな)
「それじゃあ、王都に入ろうか」
「はいなの」
俺はルミナと手を繋ぎ王都に入ろうと……
「おいお前!そこで止まれ!」
……まだ入れないっぽい。
何故かって?
その理由を話すのに時は少し遡る。
ルミナが俺の娘になる宣言をした後。
俺はルミナと焚火の火を消したり、そこら中の魔物の死骸から魔石を抜き取ったりしていた。
魔石を抜き取るのはルミナにはスプラッタ過ぎてさせられないから俺が全部やっている。
抜き取った魔石は全部アイテムボックスにしまう。
「おとーさん、どうやって王都に行くの?」
ルミナが疑問に思ったのか俺に聞いてくる。
「そうだな……、歩いていくと時間がかかるし空を飛んで行こうと思う」
「?、おとーさんは飛べるの?」
「飛んだことはないけど多分できるよ」
後片付けが全て終わったのを確認する。
「ルミナ、こっちにおいで」
「はいなの」
俺はルミナをこっちに呼ぶ。
「なにするの?」
「こうするんだ、よっと!」
俺はルミナの背中と膝裏に、それぞれ右腕と左腕を回し、ルミナを抱っこして持ち上げる。
「わぁ!高いの!」
「そっか、でももっと高くなるから舌を噛まないように口を閉じててくれ。あと、しっかり捕まるように」
「分かったの」
俺にそう言われルミナは口を閉じて両手を俺の首に回す。
(それじゃあナビ、始めるぞ)
『了解です、マスター』
空を飛ぶためにはいろいろ準備が必要だ。
今回は空を飛ぶために重力を利用する。
俺にかかっている重力の向きを誘導を使って俺の正面に変えることによって自分の体を前方に引っ張られるようにする。
さらに俺の体全体にかかっている重力を誘導を使って一点に集中して束ねることによって強力なものにする。
そうすることによって俺の体の一部にかけられた強力な重力が俺の体の一部を高速で引っ張り、俺の体の一部がさらに俺の体全体を同じ速さで引っ張る。
これで飛行の方法は完成だ。
あとはナビにこの一連の流れを瞬時に行うように指示する。
俺じゃあまだ流石にそこまでできないからな。
『マスター、準備が完了しました。いつでも実行可能です』
(わかった)
「よし、それじゃあいくか」
俺は一呼吸して反射を展開した後、地面を思いっきり蹴って、高速移動する際の応用の誘導で斜め上に高く跳躍する。
(ナビ!今だ!)
『はい』
俺がそう指示しナビが実行する。
すると体が急に加速し、自分の体が前方に動き始めた。
「おお!?」
「すごいの!空を飛んでるの!」
なんとか成功したようで俺の体は思った通りに空を飛んでいる。
時間が経つごとに重力加速度によって加速しているので本当は空気抵抗が来るんだが、それは反射を使って空気抵抗によってかかる負荷を反射し、反射した負荷でさらに後から来る空気抵抗による負荷を相殺することを繰り返していることによって解決している。
だけど、この方法は魔力を常に消費するので永遠にはできない。
なので王都に着けるかが心配だ。
というのが飛んでいる理由だ。
正直ルミナの前で格好つけたかったというのもある。
この方法は本当は体を引っ張ってるのだが、感覚としては背中を押されてる感じだった。
最初は魔力が足りるかどうか心配だったが、どうやら杞憂に終わりそうだ。
「ルミナ、方向はこっちであってるか?」
「大丈夫なの、あってるの」
ルミナに方向を確認するのも忘れない。
今の飛行速度はナビの計算だと時速300kmは余裕で超えているという話だ。
道理でさっきから遠くの景色が移動してるわけだ。
多分この分ならもうすぐ着くだろう。
(ナビ、後どれぐらいで王都に着く?)
『おそらく5分程かと』
(早いな、もう着くのか)
『加速し続けているため当然かと』
その後、ナビの予想通りに5分後に王都が見えてきた。
「すごくおっきいの!」
「そうだな。これから着地するから口を閉じてて」
「はいなの」
ルミナが口を閉じたのを確認して俺は着地の準備を行う。
着地の方法は地面に着地した際にくる反動を反射で反射する。
だがそのままにすると高速で飛行してた際の運動エネルギーが地面に向けて反射されてかなりの規模の衝撃波が出てしまうので誘導を使ってエネルギーを衝撃波が出ないレベルまで分散するようにナビに頼む。
(ナビ、着地するからそっちは任せた)
『お任せください』
俺は再度ナビにお願したあと、着地準備に入る。
段々と検問所が近づいてきているが勢いそのままに俺は近くの地面に着地した。
本来、起きるはずの衝撃波は、エネルギーがナビの誘導によって分散されて起きなかった。
そのおかげで周りには衝撃波による被害は出てない。
着地の際の反動も反射したのでこっちにも負荷はなかった。
「ルミナ、大丈夫だったか?」
「全然へーきなの。それに楽しかったの」
「そっか、それならよかった」
「また今度お願いしてもいい?」
「いいぞ」
「やった!おとーさん、ありがとうなの!」
ルミナは喜んでいるみたいだ。
(空を飛んだ甲斐があったな)
「それじゃあ、王都に入ろうか」
「はいなの」
俺はルミナと手を繋ぎ王都に入ろうと……
「おいお前!そこで止まれ!」
……まだ入れないっぽい。
0
お気に入りに追加
270
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活
mio
ファンタジー
なんやかんや、無理矢理あいつに異世界へと連れていかれました。
こうなったら仕方ない。とにかく、平和に楽しく暮らしていこう。
なぜ、少女は異世界へと連れてこられたのか。
自分の中に眠る力とは何なのか。
その答えを知った時少女は、ある決断をする。
長い間更新をさぼってしまってすいませんでした!
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
【完結】異世界転移で、俺だけ魔法が使えない!
林檎茶
ファンタジー
俺だけ魔法が使えないとか、なんの冗談だ?
俺、相沢ワタルは平凡で一般的な高校二年生である。
成績は中の下。友達も少なく、誇れるような特技も趣味もこれといってない。
そんなつまらない日常は突如として幕を閉じた。
ようやく終わった担任の長話。喧騒に満ちた教室、いつもより浮き足立った放課後。
明日から待ちに待った春休みだというのに突然教室内が不気味な紅色の魔法陣で満ちたかと思えば、俺は十人のクラスメイトたちと共に異世界に転移してしまったのだ。
俺たちを召喚したのはリオーネと名乗る怪しい男。
そいつから魔法の存在を知らされたクラスメイトたちは次々に魔法の根源となる『紋章』を顕現させるが、俺の紋章だけは何故か魔法を使えない紋章、通称『死人の紋章』だった。
魔法という超常的な力に歓喜し興奮するクラスメイトたち。そいつらを見て嫉妬の感情をひた隠す俺。
そんな中クラスメイトの一人が使える魔法が『転移魔法』だと知るや否やリオーネの態度は急変した。
リオーネから危険を感じた俺たちは転移魔法を使っての逃亡を試みたが、不運にも俺はただ一人迷宮の最下層へと転移してしまう。
その先で邂逅した存在に、俺がこの異世界でやらなければならないことを突きつけられる。
挫折し、絶望し、苦悩した挙句、俺はなんとしてでも──『魔王』を倒すと決意する。
転生受験生の教科書チート生活 ~その知識、学校で習いましたよ?~
hisa
ファンタジー
受験生の少年が、大学受験前にいきなり異世界に転生してしまった。
自称天使に与えられたチートは、社会に出たら役に立たないことで定評のある、学校の教科書。
戦争で下級貴族に成り上がった脳筋親父の英才教育をくぐり抜けて、少年は知識チートで生きていけるのか?
教科書の力で、目指せ異世界成り上がり!!
※なろうとカクヨムにそれぞれ別のスピンオフがあるのでそちらもよろしく!
※第5章に突入しました。
※小説家になろう96万PV突破!
※カクヨム68万PV突破!
※令和4年10月2日タイトルを『転生した受験生の異世界成り上がり 〜生まれは脳筋な下級貴族家ですが、教科書の知識だけで成り上がってやります〜』から変更しました
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる