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第132話 「次はあなたの番です」「え!? 嫌です」
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次に、魔王攻略についての話し合いがもたれる。
姫が一言、皆に伝えた。
》
「ラストダンジョンの第3段、双子の段の攻略がユウタとガイアによって達成された」
それを受けた皆、それぞれの反応を示した。
驚く者もいれば、無表情の者もいる。
誰もが本心を悟られない様に、擬態を演じているかの様だ。
「双子の段の攻略には100人の犠牲を必要とした。ここに哀悼の意を表する」
姫が黙とうする。
皆もそれにならい黙とうした。
それは一瞬、ギルドや思想の垣根を越えた瞬間に見えた。
「次の段は蟹だったな」
ロゼが足を組み直し、そう言う。
「ユウタとガイアが調査してくれています」
またも皆、それぞれ反応し、ユウタを一斉に見る。
当初、貧弱そうなユウタを救世主と疑っていたギルドマスター達の瞳の色が変わっていた。
皆、今ではユウタを救世主と認めつつある。
「それ程でも……」
そんなユウタは小さく舌を出し、頭を掻いている。
ユウタ、もっと堂々としろ!
私は彼の細い背中を叩いてやりたい。
「ユウタ、調査結果を話してください」
「はい」
ユウタが皆を見渡し、口を開く。
「階段を降りると、ボスモンスターが吐いたと思われる泡で結界が作られていました。その結界のせいで先に進むことが出来ませんでした」
「魔法は効かないのですか?」
モモがピシッと手を上げ、鼻にかかった様な声で質問する。
「はい。レシピテキストにはこう書かれていました」
『蟹の泡の結界
レベル95以上の戦士で、竜神の剣を使いこなす者のみがこの結界を切り裂くことが出来る』
ユウタの口から伝えられた内容を受けたマリアン以外のギルドマスター達は、一斉にマリアンの方を見た。
ユウタが彼女の方を見る。
「そこで、マリアンさんに協力をお願いしています」
蟹の泡の結界を破るには、マリアンの力が必要だった。
「本当なのか? マリアン?」
ロゼがせわしない感じで足を組み直し、問い掛ける。
動揺しているのか声がちょっと震えている。
彼女とマリアンは反魔王討伐派だ。
同志の心変わりに驚いているのか。
「今のところ、利害が一致しているので」
マリアンは円卓に足を投げ出しふんぞり返ったまま、そっけなく答えた。
「はい。質問」
モモがまたも宣誓する様に右手をピッと上げる。
ユウタが目で合図すると、鼻声でこう言った。
私は彼女のかわい子ぶったこの声音が嫌いだ。
だが、彼女はそういう声を、可愛いと自惚れている節がある。
「蟹の泡の結界の先はどうなっているのでしょうか?」
「それは切り裂いてみないと分かりません」
「結界を切り裂いたらそれで終わりという訳ではないでしょう。今までの段も、攻略に散々苦労させられてきましたわ。ここはマリアンさんを中心とした探索パーティを送り込みましょう。確か、次にダンジョンにパーティを送り込むのはロゼさんのギルドからでしたわね」
ラストダンジョンへの探索パーティの派遣は、各ギルドの持ち回り制だった。
前回は地球だった。
今回はロゼ率いる富の会のターンだった。
つづく
姫が一言、皆に伝えた。
》
「ラストダンジョンの第3段、双子の段の攻略がユウタとガイアによって達成された」
それを受けた皆、それぞれの反応を示した。
驚く者もいれば、無表情の者もいる。
誰もが本心を悟られない様に、擬態を演じているかの様だ。
「双子の段の攻略には100人の犠牲を必要とした。ここに哀悼の意を表する」
姫が黙とうする。
皆もそれにならい黙とうした。
それは一瞬、ギルドや思想の垣根を越えた瞬間に見えた。
「次の段は蟹だったな」
ロゼが足を組み直し、そう言う。
「ユウタとガイアが調査してくれています」
またも皆、それぞれ反応し、ユウタを一斉に見る。
当初、貧弱そうなユウタを救世主と疑っていたギルドマスター達の瞳の色が変わっていた。
皆、今ではユウタを救世主と認めつつある。
「それ程でも……」
そんなユウタは小さく舌を出し、頭を掻いている。
ユウタ、もっと堂々としろ!
私は彼の細い背中を叩いてやりたい。
「ユウタ、調査結果を話してください」
「はい」
ユウタが皆を見渡し、口を開く。
「階段を降りると、ボスモンスターが吐いたと思われる泡で結界が作られていました。その結界のせいで先に進むことが出来ませんでした」
「魔法は効かないのですか?」
モモがピシッと手を上げ、鼻にかかった様な声で質問する。
「はい。レシピテキストにはこう書かれていました」
『蟹の泡の結界
レベル95以上の戦士で、竜神の剣を使いこなす者のみがこの結界を切り裂くことが出来る』
ユウタの口から伝えられた内容を受けたマリアン以外のギルドマスター達は、一斉にマリアンの方を見た。
ユウタが彼女の方を見る。
「そこで、マリアンさんに協力をお願いしています」
蟹の泡の結界を破るには、マリアンの力が必要だった。
「本当なのか? マリアン?」
ロゼがせわしない感じで足を組み直し、問い掛ける。
動揺しているのか声がちょっと震えている。
彼女とマリアンは反魔王討伐派だ。
同志の心変わりに驚いているのか。
「今のところ、利害が一致しているので」
マリアンは円卓に足を投げ出しふんぞり返ったまま、そっけなく答えた。
「はい。質問」
モモがまたも宣誓する様に右手をピッと上げる。
ユウタが目で合図すると、鼻声でこう言った。
私は彼女のかわい子ぶったこの声音が嫌いだ。
だが、彼女はそういう声を、可愛いと自惚れている節がある。
「蟹の泡の結界の先はどうなっているのでしょうか?」
「それは切り裂いてみないと分かりません」
「結界を切り裂いたらそれで終わりという訳ではないでしょう。今までの段も、攻略に散々苦労させられてきましたわ。ここはマリアンさんを中心とした探索パーティを送り込みましょう。確か、次にダンジョンにパーティを送り込むのはロゼさんのギルドからでしたわね」
ラストダンジョンへの探索パーティの派遣は、各ギルドの持ち回り制だった。
前回は地球だった。
今回はロゼ率いる富の会のターンだった。
つづく
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