95 / 199
第95話 ギルドを潰された落とし前はキッチリと!
しおりを挟む
和風のギルドホール内のあちこちから火の手が上がった。
DEATHの連中が外からギルドホールに火を着けて周っている様だ。
「リンネ! そっちは任せたぞ!」
タイチの呼び掛けに私は無言で頷いた。
目の前にいる武闘家を、暗闇の小太刀で真っ二つにする。
次に踵を返し、後ろから襲い掛かろうとする暗殺者を縦横十文字に切り裂く。
「暗殺者のくせに、殺気を漂わせ過ぎなんだよ」
既にHPが0になった暗殺者の死体に向かって、私はアドバイスをした。
「おっと」
黒焦げになった柱が天井から落ちて来た。
私は後方に飛び退いて、それをかわす。
先程の暗殺者の死体が柱と一緒に紅く燃え上がった。
辺りを見渡すと、至るところで戦いが繰り広げられていた。
DEATHとその傘下のギルドメンバーは、20のパーティを組んで地球のギルドホールに攻め込んで来た。
寝込みを襲われた形になった地球のメンバーはパーティを組む暇もなく、ソロで戦うことを強いられた。
もちろん私達、鉄騎同盟も。
「どらあああっ!」
戦いに飢えていたタイチが嬉しそうに、身の丈程もある巨大な斧を振り回している。
まるで、水を得た魚の様だ。
まったく……戦えればどんな状況でも構わないのか、私の兄者は。
「タイチ、そこの角に追い詰めて!」
「おうよ!」
タイチはセイラの呼び掛けに応じた。
傷つきボロボロになった盗賊を、壁際に追い詰める。
「た、助けてくれ!」
「お前ら何でこんなことしやがるんだ! 不意打ちとギルドホールの破壊はペナルティの対象だぜ。そうまでして、ここに攻め込む理由は何だ? 素直に言えば命だけは助けてやる」
タイチが怯える盗賊の首筋に斧の刃先をあてがう。
「ギルマスの指示だ」
「そんなの分かってる。ごまかすな」
「俺達、末端は指示通り動くだけだ」
タイチは盗賊の腹に膝蹴りを入れた。
「わ、分かった……確か、小耳にはさんだ情報によると……復讐だとか何とか」
「復讐……?」
「それ以上は、分からねえ」
タイチは盗賊を投げ捨てた。
彼は壁にぶち当たり、床に転がった。
すぐに立ち上がる。
背を向け、歩き出したタイチにレイピアを手に突進する。
マンドラゴラの毒がタップリ塗られた剣先。
盗賊はあれで数々の地球のメンバーの急所を突き、殺して来た。
「兄者、危ない!」
「斬殺風!」
私が叫ぶと同時に、セイラが風の魔法を唱えた。
盗賊の周囲が真空状態になった。
気圧差で、彼の上半身と下半身が剣で切られたかのようなザックリと真っ二つになる。
「サンキュ」
「どういたしまして」
二人は仲良くグータッチした。
「復讐……か」
私がB.B.B倶楽部の奴らを倒したのが、バレたのか。
その報復なら分かる。
それにしても、なりふり構わないやり方だ。
そして、これだけの侵入者を許しているということは、地球の中に内通者がいるということだろう。
つづく
DEATHの連中が外からギルドホールに火を着けて周っている様だ。
「リンネ! そっちは任せたぞ!」
タイチの呼び掛けに私は無言で頷いた。
目の前にいる武闘家を、暗闇の小太刀で真っ二つにする。
次に踵を返し、後ろから襲い掛かろうとする暗殺者を縦横十文字に切り裂く。
「暗殺者のくせに、殺気を漂わせ過ぎなんだよ」
既にHPが0になった暗殺者の死体に向かって、私はアドバイスをした。
「おっと」
黒焦げになった柱が天井から落ちて来た。
私は後方に飛び退いて、それをかわす。
先程の暗殺者の死体が柱と一緒に紅く燃え上がった。
辺りを見渡すと、至るところで戦いが繰り広げられていた。
DEATHとその傘下のギルドメンバーは、20のパーティを組んで地球のギルドホールに攻め込んで来た。
寝込みを襲われた形になった地球のメンバーはパーティを組む暇もなく、ソロで戦うことを強いられた。
もちろん私達、鉄騎同盟も。
「どらあああっ!」
戦いに飢えていたタイチが嬉しそうに、身の丈程もある巨大な斧を振り回している。
まるで、水を得た魚の様だ。
まったく……戦えればどんな状況でも構わないのか、私の兄者は。
「タイチ、そこの角に追い詰めて!」
「おうよ!」
タイチはセイラの呼び掛けに応じた。
傷つきボロボロになった盗賊を、壁際に追い詰める。
「た、助けてくれ!」
「お前ら何でこんなことしやがるんだ! 不意打ちとギルドホールの破壊はペナルティの対象だぜ。そうまでして、ここに攻め込む理由は何だ? 素直に言えば命だけは助けてやる」
タイチが怯える盗賊の首筋に斧の刃先をあてがう。
「ギルマスの指示だ」
「そんなの分かってる。ごまかすな」
「俺達、末端は指示通り動くだけだ」
タイチは盗賊の腹に膝蹴りを入れた。
「わ、分かった……確か、小耳にはさんだ情報によると……復讐だとか何とか」
「復讐……?」
「それ以上は、分からねえ」
タイチは盗賊を投げ捨てた。
彼は壁にぶち当たり、床に転がった。
すぐに立ち上がる。
背を向け、歩き出したタイチにレイピアを手に突進する。
マンドラゴラの毒がタップリ塗られた剣先。
盗賊はあれで数々の地球のメンバーの急所を突き、殺して来た。
「兄者、危ない!」
「斬殺風!」
私が叫ぶと同時に、セイラが風の魔法を唱えた。
盗賊の周囲が真空状態になった。
気圧差で、彼の上半身と下半身が剣で切られたかのようなザックリと真っ二つになる。
「サンキュ」
「どういたしまして」
二人は仲良くグータッチした。
「復讐……か」
私がB.B.B倶楽部の奴らを倒したのが、バレたのか。
その報復なら分かる。
それにしても、なりふり構わないやり方だ。
そして、これだけの侵入者を許しているということは、地球の中に内通者がいるということだろう。
つづく
0
お気に入りに追加
300
あなたにおすすめの小説
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
異世界に転生した俺は元の世界に帰りたい……て思ってたけど気が付いたら世界最強になってました
ゆーき@書籍発売中
ファンタジー
ゲームが好きな俺、荒木優斗はある日、元クラスメイトの桜井幸太によって殺されてしまう。しかし、神のおかげで世界最高の力を持って別世界に転生することになる。ただ、神の未来視でも逮捕されないとでている桜井を逮捕させてあげるために元の世界に戻ることを決意する。元の世界に戻るため、〈転移〉の魔法を求めて異世界を無双する。ただ案外異世界ライフが楽しくてちょくちょくそのことを忘れてしまうが……
なろう、カクヨムでも投稿しています。
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
転生賢者の異世界無双〜勇者じゃないと追放されましたが、世界最強の賢者でした〜
平山和人
ファンタジー
平凡な高校生の新城直人は異世界へと召喚される。勇者としてこの国を救ってほしいと頼まれるが、直人の職業は賢者であったため、一方的に追放されてしまう。
だが、王は知らなかった。賢者は勇者をも超える世界最強の職業であることを、自分の力に気づいた直人はその力を使って自由気ままに生きるのであった。
一方、王は直人が最強だと知って、戻ってくるように土下座して懇願するが、全ては手遅れであった。
ハズレ職業のテイマーは【強奪】スキルで無双する〜最弱の職業とバカにされたテイマーは魔物のスキルを自分のものにできる最強の職業でした〜
平山和人
ファンタジー
Sランクパーティー【黄金の獅子王】に所属するテイマーのカイトは役立たずを理由にパーティーから追放される。
途方に暮れるカイトであったが、伝説の神獣であるフェンリルと遭遇したことで、テイムした魔物の能力を自分のものに出来る力に目覚める。
さらにカイトは100年に一度しか産まれないゴッドテイマーであることが判明し、フェンリルを始めとする神獣を従える存在となる。
魔物のスキルを吸収しまくってカイトはやがて最強のテイマーとして世界中に名を轟かせていくことになる。
一方、カイトを追放した【黄金の獅子王】はカイトを失ったことで没落の道を歩み、パーティーを解散することになった。
異世界をスキルブックと共に生きていく
大森 万丈
ファンタジー
神様に頼まれてユニークスキル「スキルブック」と「神の幸運」を持ち異世界に転移したのだが転移した先は海辺だった。見渡しても海と森しかない。「最初からサバイバルなんて難易度高すぎだろ・・今着てる服以外何も持ってないし絶対幸運働いてないよこれ、これからどうしよう・・・」これは地球で平凡に暮らしていた佐藤 健吾が死後神様の依頼により異世界に転生し神より授かったユニークスキル「スキルブック」を駆使し、仲間を増やしながら気ままに異世界で暮らしていく話です。神様に貰った幸運は相変わらず仕事をしません。のんびり書いていきます。読んで頂けると幸いです。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる