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第18話 思春期の少年と、思春期のエルフの、性教育
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僕はベッドの上でまどろんでいた。
「ユウター! 起きろー!」
フィナの甲高い声。
朝からテンションが高い。
「とうっ!」
床を蹴る音が耳に響いた。
突然、目の前が真っ暗になる。
ボフッ!
衝撃のせいで、瞼の裏側で白い星が輝いた。
柔らかい二つの何かが、僕の顔に覆いかぶさっている。
「むうぅっ!」
呼吸が出来ない。
頑張って鼻から息を吸う。
不思議と不快ではない。
むしろ、甘いにおいがして心地良い。
「こらこら、フィナ。やめなさい」
ネスコの声が遠くで聞こえる
「やだよー! ユウタ嬉しそうなんだもん!」
「さすが、思春期の男の子だねぇ」
喜ぶフィナの声と、呆れた様なネスコの声が僕の耳に響く。
そこで、僕はやっと自分の顔を覆っている二つの物体が何であるかに気付いた。
「わぁ! フィナ! 何してるんだ!」
僕は飛び起きた。
その衝撃でフィナがベッドからずり落ちた。
「痛ーい!」
エルフの美少女は耳を垂れ下げながら、泣き真似をする。
ネスコが笑いながら、こう言う。
「ユウタ。そう嫌がるな。フィナなりの愛情表現なんだ」
「それにしたって……思春期の女の子が、こんなこと……」
「とか言いながら、揉んだり触ったりしてたじゃないか」
「そっ、そんなことっ……! 何か分からなかったから確かめただけだよ!」
誰かが10メートル離れた場所から僕を見たとしても……
僕の顔は真っ赤だと分かるだろう。
生まれて初めての甘やかで魅惑的な体験に、僕は心が乱れていた。
しかも、相手は一目惚れの相手だ。
「ユウタが昨日、助けてくれたから、そのお礼をしただけなんだよ!」
床にペタリと座ったフィナが、頬を膨らませながら言う。
踊り子という職業からか、元々の性格からか、彼女はいつも明るい。
そして、幼児のまま10代に突入したのかと思う程、無邪気だ。
それにしても、この和やかな雰囲気は一体何なんだ。
ネスコは昨日、ゴブリン討伐クエストに乗じてギルメンを二人粛清した。
今の彼は、あの時の彼と、とても同一人物とは思えない。
「フィナの言う通り、君の『永遠の回復補助』のお陰で我々は助かった。そして、クエストを達成出来た」
ネスコの手には『火竜の牙』があった。
それを見た時、僕は巨大骸骨との戦いを思い出した。
巨大骸骨の攻撃から僕を守るために、身代わりになったフィナ。
彼女は毒に侵され、HPが0に近づいていた。
ネスコが「防御壁」を詠唱するが、巨大骸骨に邪魔されて集中出来ない。
僕を守ってくれたフィナ。
その瞳から色が消え掛かっていた。
僕は両親に捨てられた。
奴隷商人からは酷い仕打ちにもあった。
初恋の人にも。
そしてギルドもクビにされた。
僕は誰も信頼しなくなっていた。
だけど、最後にもう一度だけ誰かを信じたいと思った。
だから、『永遠の回復補助』をギルドメンバーに使った。
不死になった僕らは、時間を掛けて少しずつ巨大骸骨にダメージを与えた。
そして、勝つことが出来た。
「さ、朝飯にするか」
ネスコがキッチンに向かう。
「私、パンケーキがいいっ!」
フィナは相変わらずピョンピョン飛び跳ねる。
ロングTシャツの下は何も履いてないのか、白い太ももが露わになる。
「ネスコ」
「何だ?」
「色々訊きたいことがある」
「パンケーキの後でな」
つづく
「ユウター! 起きろー!」
フィナの甲高い声。
朝からテンションが高い。
「とうっ!」
床を蹴る音が耳に響いた。
突然、目の前が真っ暗になる。
ボフッ!
衝撃のせいで、瞼の裏側で白い星が輝いた。
柔らかい二つの何かが、僕の顔に覆いかぶさっている。
「むうぅっ!」
呼吸が出来ない。
頑張って鼻から息を吸う。
不思議と不快ではない。
むしろ、甘いにおいがして心地良い。
「こらこら、フィナ。やめなさい」
ネスコの声が遠くで聞こえる
「やだよー! ユウタ嬉しそうなんだもん!」
「さすが、思春期の男の子だねぇ」
喜ぶフィナの声と、呆れた様なネスコの声が僕の耳に響く。
そこで、僕はやっと自分の顔を覆っている二つの物体が何であるかに気付いた。
「わぁ! フィナ! 何してるんだ!」
僕は飛び起きた。
その衝撃でフィナがベッドからずり落ちた。
「痛ーい!」
エルフの美少女は耳を垂れ下げながら、泣き真似をする。
ネスコが笑いながら、こう言う。
「ユウタ。そう嫌がるな。フィナなりの愛情表現なんだ」
「それにしたって……思春期の女の子が、こんなこと……」
「とか言いながら、揉んだり触ったりしてたじゃないか」
「そっ、そんなことっ……! 何か分からなかったから確かめただけだよ!」
誰かが10メートル離れた場所から僕を見たとしても……
僕の顔は真っ赤だと分かるだろう。
生まれて初めての甘やかで魅惑的な体験に、僕は心が乱れていた。
しかも、相手は一目惚れの相手だ。
「ユウタが昨日、助けてくれたから、そのお礼をしただけなんだよ!」
床にペタリと座ったフィナが、頬を膨らませながら言う。
踊り子という職業からか、元々の性格からか、彼女はいつも明るい。
そして、幼児のまま10代に突入したのかと思う程、無邪気だ。
それにしても、この和やかな雰囲気は一体何なんだ。
ネスコは昨日、ゴブリン討伐クエストに乗じてギルメンを二人粛清した。
今の彼は、あの時の彼と、とても同一人物とは思えない。
「フィナの言う通り、君の『永遠の回復補助』のお陰で我々は助かった。そして、クエストを達成出来た」
ネスコの手には『火竜の牙』があった。
それを見た時、僕は巨大骸骨との戦いを思い出した。
巨大骸骨の攻撃から僕を守るために、身代わりになったフィナ。
彼女は毒に侵され、HPが0に近づいていた。
ネスコが「防御壁」を詠唱するが、巨大骸骨に邪魔されて集中出来ない。
僕を守ってくれたフィナ。
その瞳から色が消え掛かっていた。
僕は両親に捨てられた。
奴隷商人からは酷い仕打ちにもあった。
初恋の人にも。
そしてギルドもクビにされた。
僕は誰も信頼しなくなっていた。
だけど、最後にもう一度だけ誰かを信じたいと思った。
だから、『永遠の回復補助』をギルドメンバーに使った。
不死になった僕らは、時間を掛けて少しずつ巨大骸骨にダメージを与えた。
そして、勝つことが出来た。
「さ、朝飯にするか」
ネスコがキッチンに向かう。
「私、パンケーキがいいっ!」
フィナは相変わらずピョンピョン飛び跳ねる。
ロングTシャツの下は何も履いてないのか、白い太ももが露わになる。
「ネスコ」
「何だ?」
「色々訊きたいことがある」
「パンケーキの後でな」
つづく
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