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第6話 続けざまの・その頃、僕のいたギルドでは……

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「大した事ねぇ奴らだったな」

 無様に去って行くペガサス旅団の背中を見て、タイチは高笑いした。

「リンネ、お疲れ様」

 そして、私に労いの言葉を掛ける。
 
「あんな奴ら、俺が返り討ちにしてやるよ!」

 何て言ってたのはどこのどいつだ?
 返り討ちにしたのは私じゃないか。

「ありがとう」

 事を荒げたくない私は、素直さを装う。

「ギルマス」
「何だ? リンネ?」
「相変わらず、後先考えず……手荒いな」

 私は先ほどまで振り回していた小刀についた血を拭いながら、タイチを批判する。

「力だ。この世は力を示してなんぼ。俺は近い将来、一番乗りで魔王を倒す。俺に着いて行けば、リンネ、そしてお前達の栄誉は約束された様なものだ」

 ギルドメンバーにそう宣言する。
 戦士職なだけに、タイチは戦闘が三度の飯より好きだった。
 私はそんな彼の無鉄砲さに、従うことにしている。
 だって、血を分けた兄妹だから。



「困るんだよ。こういうことされちゃぁ……」

 会議室の上座に座っている華奢な男はそう言った。
 メガネをかけ七三分けの学者然とした妖術師。
 この世界の5大ギルドの一つ『DEATH』の幹部、ルドルフ。

「ペガサス旅団の奴らが、暴力を振るって来たんで正当防衛したまでです」

 流石のタイチも敬語で受け答えする。
 5大ギルドは大小さまざまなギルドを傘下に治め、日々、勢力争いをしている。
 ペガサス旅団のバックにはDEATHが付いていた。

「タイチさん。先にちょっかいを出したのは、あなた達でしょう? ペガサス旅団はそのことに腹を立てただけだ。違うかね?」

 ルドルフは、タイチがリサを引き抜いたことを引き合いに出した。
 先にケンカをふっかけて来たのは、そちらの方だと言わんばかりだ。

「リサとは合意の上だ。文句を言われる筋合いはありません」

 タイチのこめかみに青筋が浮かぶ。
 彼はこういう話し合いよりも、戦いで決着をつけたい質だ。

「ギルマス。落ち着いて」

 ナオシゲが笑顔で、タイチの怒りを鎮めようとする。

「リサを引き抜くなら、こっそりじゃなく、ペガサス旅団のギルドマスターに一言、言っておくのが筋じゃないのかい?」

 ギルド間でのメンバーの引き抜きは、日常茶飯事。
 いちいちギルドマスターに筋を通していたら、話が進まない。
 そのことは、ルドルフだってよく分かっているはずだ。
 私は、この騒動の一部始終にきな臭いものを感じた。

「うるせぇよ。この口先野郎が! ペガサス旅団も大した事ねぇな。自分達じゃなんともならねえからって親に泣きつくなんて!」

 タイチが怒鳴った瞬間、会議室が真っ白になった。
 目が眩む。
 
 数秒後、視界が晴れる。
 ルドルフの姿は無かった。

「おぉ!」

 タイチの驚きと怒りの声が会議室に響く。
 八つ裂きにされたナオシゲの身体が会議卓のど真ん中に置かれていた。

「歯向かうとこうなるぞ」

 それは、ルドルフからのメッセージだった。

つづく
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