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第57話 その頃俺が元居たギルドのメンバーは、大きな権力の下で守られていた

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「ありがとうございます」

さすが、王様。

「うむ。今日はゆっくりしなされ」
「はい」

こうして、謁見は終了した。



一報、その頃、バジウスとギリトは『春夏秋冬理論』のギルドホールの一室にいた。

「しかし、どうもライムの態度が気になる」

ギリトが呟いた。

「何が?」

バジウスが反応する。

「こうして俺達をかくまっているってことがさ」

ギリトは答えた。

「そうか?」
「うん」
「まぁ、お前が言うならそうなのだろう」
「だって、考えてもみろ、ライムは非情な奴だ。俺たちが刺殺倶楽部とことを構えている。そんな面倒な俺たちを切り捨てずにいるってことは何かあるのかも」
「まあ、考えすぎじゃない?」
「いや……、あの男ならやりかねない」
「お前の勘はよく当たるが」
「うん」
「大丈夫だよ。いざとなったら、俺がいる」

バジウスはニヤッとした。

「そうだな。お前がいれば安心だな」
「ああ、任せとけ!」

バジウスは胸をドンっと叩いた。

「ま、考えられるとしたら、奴らにとって俺らは利用価値があるということだ」

バジウスが言う。

「例えば、俺たちのポンの商売は春夏秋冬理論から引き受けたものだ。俺たちが売りさばくことで多額の上納金を納めている」
「うん」
「だから、あいつらにとっては、俺らの命は大切なはずだ。そう簡単に殺すはずがない」
「つまり、俺たちがこれからもポンの商売を拡大するために必要ということだ」
「ああ」
「もし、俺たちが殺されれば、ポンの売上が減る」
「だから、あいつらが俺らを殺す可能性は低い」
「なるほど」

バジウスの言葉に安心するギリト。

コンコン。

ノックの音。

「失礼します」

部屋に入ってきたのは、クロユリだった。

「どうしたのかな?」

バジウスが問い掛ける。

「はい。実はクエストを依頼したい」
「ほう」
「実は、聖国からの依頼です」
「え?」

驚く二人。
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