追放したギルドが最悪な状態で崩壊仕掛かっているけどもう知らん。俺は美少女魔導士とスローライフする！

第38話 謎の赤い少女との出会い。これはきっと……

「とりあえず、どうやって城に入るか考えなくきゃね」

ルリはステーキを食べながら言う。

「そうだなぁ」

俺たちは城の前の食堂にいた。

「門番を気絶させるのが一番手っ取り早いと思うけど……」

レイナはナイフを構える。

「それはダメだよ。騒ぎになって、バレちゃうかもしれない」
「なら、強行突破？」
「それもダメだ」
「じゃあ、どうすれば？」
「それを相談しているんだよ」

俺はため息をつく。

「しょうがない、俺もステーキ喰うか」

俺は肉を頬張る。

「うめぇ！」
「だよね！」

ルリが笑う。

「ところでさ」
「なんだ？」
「ジェイドのお父さんってどんな人なの？」
「なんでそんなことを訊くんだい？」
「だって、ジェイドのこともっと知りたいもん」
「そっか」

俺は苦笑いを浮かべる。

「父さんは……」

俺は語り始めた。

俺は自分のことを話そうと思った。
だが、レイナとバルターがいるのでやめた。

「ルリ、後で話そうぜ」
「あ、そうだね」

ルリも気付いたみたいだ。
転生のことを、俺ら以外に聞かれたくない。

「なんだ？二人とも内緒話か？」

バルターがからかう。

◆

食堂を出た俺たちは、街をぶらぶらしていた。

「きゃー！」

路地裏から声が聞こえる。

「誰か助けてー！」

女性の声だった。

「おい！待て！」

「いくぞ！」

路地先には、一人の少女がいた。
少女は必死に逃げている。
その後ろには、ガラの悪い男たちが迫っていた。

「来るな！クズども！」

その男達の前には、一人の少女が立ち塞がっていた。
赤髪ツインテールに赤い瞳をした美少女だ。

「我が名はカルネ・カイウェル！」
「そこどきな！」
「いやよ！もう逃げない！」
「どけ！」

男は剣を振り下ろす。

「ふん！」

しかし、少女はそれを受け止めた。

「なにぃ！？」

男は驚く。

「この程度の力で私に勝てると思っているのかしら？」
「うるせえ！死ねぇ！」