パーティから追放されたのは神に選ばれし救世主だった。～チートスキルで元のパーティを見返し、全知全能の冒険者になってやる！～

第137話 聖人四天王

ジジイが目を覚ました。

ルミナスの光の力は、バルクが思っているよりも強かった。

ルミナスの光の力によって、老人の結界は破壊された。
しかし、老人の結界は、老人の魔力を使って発動されている。
つまり、老人は眠っていても魔力を消費していたのだ。
そのため、老人は起きてしまった。
そして、彼は鉄格子を破壊したルミナスとバルクを見た。

「しまった！」

バルクが叫ぶ。

「貴様ら！ どうやって牢から出た！」

老人は怒鳴った。


「待ちなさい！」

ルミナスが追いかける。
老人は杖を構えた。

「わしの眠りを妨げた罪！ 死をもって償うがよい！」

老人は叫んだ。
老人は詠唱を始めた。

「我が眠りを妨げる者よ。今すぐ立ち去れ。さもなくば、汝に災いを与えよう」

老人が唱えているのは魔法障壁を張る魔法。

「無駄です」
ルミナスは魔法障壁を破壊しようとする。
だが、ルミナスの魔法でも破壊できない。

「なっ！」
「ふはははははっ！」

老人は高笑いをした。

「わしの身体には強力な結界を張っておる。そう簡単には破らせぬわ」
「くっ……」

ルミナスは悔しそうな顔をする。

「どうする？ 逃げるか？」

バルクは尋ねた。

「いえ……」

ルミナスは首を振る。

「あの爺さんは、ここで倒さないと」

ルミナスは拳を握る。

「私達で倒すんです」

バルクは驚いた顔を見せる。

「お前が？」
「はい」
「無理だろ？」

魔力を使い果たしている。
バルクはルミナスの疲れ具合を見てそう思う。

「やってみないと分かりません」

ルミナスは言った。

「なら、俺がやる」

バルクは言った。

「えっ！？」
「こんな老ぼれ魔導士くらいなら、余裕だ」
「なっ！？」

バルクは老人に向かって歩き出す。

「バカな男じゃのう。ワシは聖人四天王の一人、闇の賢者ゾラン・ザルードを倒したことがある」