パーティから追放されたのは神に選ばれし救世主だった。～チートスキルで元のパーティを見返し、全知全能の冒険者になってやる！～

第125話 潜入調査

「でも、一つだけ不安があります」
「なんだい？」
「もし、もしも、兄の身に危険が迫っていたら……」
「その時は、全力を尽くしてくれ」
「わかりました。私頑張ります！」

こうして、ガーレット王国の潜入調査が始まった。

◆

「ハルト今日も頑張ってるね」

リリカが笑顔でハルトの肩をもむ。

「ああ、ありがとう」

ハルトも満更ではない様子だ。

「ハルト、いつもより疲れてるみたいだけど」
「ああ、実はな」

ハルトはこれまでの経緯を説明した。

「そっか、聖騎士団を強くする為に頑張ってくれているんだ」
「ああ、そういうことだ」
「偉い！ ハルトは凄いよ！」

リリカはハルトを褒める。

「いやぁ～それほどでもないけど」

ハルトは嬉しそうだ。

「ところで、ハルト。最近、ペールノエル様とはどうなの？」
「え？どうと言われても普通かな」
「そう、良かった」

リリカはホッとした表情を見せた。

「何がよかったの？」
「ううん、なんでもない」
「それより、リリカこそバルクとどうなんだ？」
「ふぇ！？」

ハルトの質問に動揺するリリカ。

「どうなの？」
「いや、別に何も無いです」
「そうなの？」
「はい」
「怪しいな」
「そんなことありません」
「まあいいか」

バルクは旅立った。
ガーレット王国にルミナスを連れて。

バルクとルミナスが出発してから数日が経った。

「はあ～」

教皇はため息をつく。

「教皇様、どうかなさいましたか？」
「いや、何でもない」

世界は徐々に変わりつつあった。
大聖堂には各地から情報が寄せられる。
巡礼者や旅の人から。
商人から。
貴族から。
冒険者から。
中には嘘の情報もあるかもしれない。
だが、それは些細な問題である。
重要なのは、各地の情報をまとめることで、魔王復活の可能性が高まっていることである。
各国の王たちは、魔王復活に備えて対策を練っている。