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第118話 魔王登場

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「き、貴様らこんなことしてタダで済むと思うなよ」

マテリアライズド国王が声を震わせている。

「ま、お義父さん、今日はこの辺にしときましょうや」

ラージェが国王を慰める。

「楽しかったよ君達。とくにルミナス。また、いちゃいちゃしよーぜ」

ラージェがルミナスにウィンクする。

「ばか。あんたなんか大嫌い」

ルミナスは顔を赤らめていた。

「今日のところは、見逃してやる。だがな、またモンスターを集めてお前らを殺すから楽しみにしとけ」

ラージェは笑った。

「ねぇ、ハルト、ここでラージェも殺しましょう」

フィリアの提案。

だが、バルクがこう言う。

「いや、止めておいた方がいい」
「なぜ?」
「こいつらを生かしておけば、いずれ魔王城の場所が分かるかもしれない」

なるほど。
モンスターと手を組んでいるこいつらなら、いずれ魔王とも手を組むだろう。
ということは、魔王城に向かう可能性が高い。

今だ何処にあるか分からない魔王城。

そこへの道は、ラージェたちが魔王に呼ばれることで開かれる。

「分かったわ」

フィリアは渋々納得した。

「国王。次にお目に掛るときは、是非、心を入れ替えていることを期待しています」

ハルトは救世主として国王にきつく言い聞かせた。


こうして、ハルト達は王国を去った。

―――ハルト達が去った後。

「くそっ!!あんなガキどもに!!この俺が!!」

マテリアライズド王は激怒していた。

「落ち着けって、親父」

ラージェが宥める。

「うるさい!!あの生意気な小僧を殺せ!なんとしてもだ!」
「はいはいっと」
「絶対に許さんぞ……!いつか必ず復讐してやるからな!」
「そう熱くなるなよ。あいつらは、ただの雑魚だろ」
「黙れ!あいつらに負けたことが気に食わんのだ!」
「はいはい」
「くっ……」

怒りが収まらない様子の国王。

「大丈夫だって。次こそ勝てるさ」

ラージェが国王を元気づける。

「そうだといいんだがな……」

国王はため息をつく。

<お前ら、情けないぞ>

その時、低い声が響く。
ラージェは辺りを見渡す。

だが、国王と彼以外誰もいない。

「誰だ?」

<魔王だ>
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