パーティから追放されたのは神に選ばれし救世主だった。~チートスキルで元のパーティを見返し、全知全能の冒険者になってやる!~

yonechanish

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第114話 非常識じゃんけん

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「よし。じゃあ、勝負しよう」
「いいね。何で決める?」
「ジャンケンだ」
「ふっ。馬鹿馬鹿しい。俺は負ける気がしないね」

ラージェは呆れた様子だ。

「そうか?お前は俺のことを知らない。だから、勝てるんじゃないか?」
「はん。面白いことを言うね。やってやろう」

こうして、ハルトとラージェの戦いが始まった。

「行くぞ」
「来い」
「じゃんけん」
「ぽん」

二人は同時に出した。
ラージェはパー。
ハルトはグーを出していた。

「ハルトの勝!」

バルクがハルトのぐーを、天高く掲げた。
皆、ハルトを称えている。

「な、なんだこれは!」

ラージェは困惑の表情を浮かべている。

「はは。悪いな。俺の勝ちだ」

ハルトはニヤリと笑う。

「おいおい!嘘だろ!こんなのありえねぇ!」

じゃんけんのルールを無視するハルトをラージェは怒り心頭で怒鳴る。

「はははは。ラージェ、非常識とはこう言うことだ。グーがパーに勝てるわけがない。だが、勝利した。それは、我々がじゃんけんの常識を無視したからだ」
「だからなんだよ?」

バルクの解説に文句をつけるラージェ

「つまり、お前や国王がやっていることは常識外れだということだ。お前がじゃんけんに負けて、腹が立つように、俺達もモンスターを味方に付けたお前達に腹が立っている」

ハルトは怒鳴る。

「うるせぇ!つべこべ言ってんじゃねえ!ぶっ殺すぞ!!」
「ラージェ様!落ち着いてください!まずは話し合いましょう」

部下がやって来て一人がラージェを宥める。

「ちっ。分かったよ」

ラージェは渋々と引き下がった。

「ハルト。ありがとうございます」

ルミナスがハルトに感謝の言葉を告げる。

「気にするなって。俺達は仲間だ」

ハルトは笑顔で答えた。

「ハルト。嫌いにならないでね」
「ああ、君は汚れていない。綺麗だよ」

ルミナスから、ラージェの穢れを言葉で取り払うハルトだった。

「いやあ、ハルト君もすみに置けないね」

バルクとフィリアが笑う。

「ラージェに負けないくらい、女たらしかも」

フィリアがからかう。

「あんな奴と一緒にするな!」

ハルトが怒る。

「あはは。ハルトなら大丈夫。私が見はっておくから!」

ルミナスがまた笑ってくれた。
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