パーティから追放されたのは神に選ばれし救世主だった。~チートスキルで元のパーティを見返し、全知全能の冒険者になってやる!~

yonechanish

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第112話 手籠め

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夜は食事会だった。

大広間で国王を囲んでの。

すると、

ラージェとルミナスが戻って来た。
二人は何やら満足げだ。
ラージェの目はハートマークになっている。
ルミナスの作戦は成功した様だ。
だが、ルミナスの顔は悲しそうだった。

「ルミナス、どうしたんだ?」

ハルトは心配になって聞いた。

「うむ……。実は……」
「あー!可愛いなぁ!俺、君みたいな女の子大好きなんだよね!ねぇ!今から俺の部屋来ない?もう一回いいことしようよ!俺が優しく教えてあげるからさ!男の良さを教えてやるぜ」

ラージェは下品なことを言い始めた。
ハルトは思わず殴りそうになるのをグッと堪える。

「ええい!寄るでないわ!この変態!」

ルミナスは嫌悪感丸出しで叫んだ。

「お!怒ったそういう顔、かわいい!」

ラージェにはこたえていない。

悲しい顔をしたルミナス。
有頂天のラージェ。
一体何があったのか。

ハルトは気になった。
ラージェが部屋に戻ろうとすると、

「待ちなさい」

フィリアが呼び止めた。

「ん?」

「あなた、ルミナスに何をしたの?」

フィリアが言った。

「!?」

フィリアの言葉に驚く一同。

「俺は何もしていないぞ!むしろ、これから仲良くしようと……」
「黙りなさい。私はあなたの嘘を見抜いた。正直に答えないと殺すわよ?」

フィリアは冷たい目でラージェを見る。

「はっはは。君は馬鹿かい?」

ラージェは笑って言う。

「どういう意味かしら?」
「俺は君のことなんか知らないんだよ。つまり、お前らは部外者だ。口を挟むんじゃねえ」

ラージェは睨みつける様に言う。

「あら、ごめんなさい。私ったらうっかりしていたわ。では、あなたを殺してもいいかしら?私、記憶力が悪くて」

フィリアは申し訳なさそうな表情を浮かべている。

「ふふふ。面白いことを言うね。できるものならやってみろ」

ラージェは余裕の態度を見せる。

「そう。じゃあ、死んでくれる?」

フィリアは剣を抜く。

「おい、ちょっと待ってくれ!」

ハルトは慌てて止めに入る。

「……ハルトさん。どいてください」
「落ち着けって!」

ハルトはフィリアの腕を掴んだ。

「離してください!」
「頼むから冷静になれって!まずは話を聞こう」
「……分かりました」

フィリアは渋々、剣を収めた。
ハルトはホッとした。

「ふふふ。君達は本当に愉快だね」

ラージェは笑いながら言った。

「なぁ、あんた。どうしてこんなことをしているんだ?」

ハルトはラージェに問いかける。
ラージェはしばらく考えた後、

「……理由か。強いて言うならば、退屈だからかな。そして、ルミナスとは仲良くさせてもらった。こちらのことを知りたいなら、身体を捧げろと言ったら、この通り楽しませてもらった」

と答えた。
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