パーティから追放されたのは神に選ばれし救世主だった。~チートスキルで元のパーティを見返し、全知全能の冒険者になってやる!~

yonechanish

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第95話 末端の人間は振り回される

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「あ、はい。実はですね……」

ジークフリートの殺気にビビった男は口を開く。
男は語る。

ラインハルホ王国とガーレット王国は同盟状態だった。
そして、ガーレット王国はラインハルホ王国に要請されて傭兵団を送った。
だが、ラインハルホ王国はその傭兵団を死の海岸に放置し、全滅させた。

「ラインハルホ王国は、同盟を破棄してでも、ガーレット王国の戦力を削ぎたかったとしか思えねえんでさあ」

話し終わった男は、ビールを一口飲む。

俺の体験した話と違うな。

ジークフリートは顎に手を置き考える。

ガーレット国王の命令で、500人の冒険者は、嘘の傭兵団つまり、ラインハルホ王国への刺客として贈られるはずだった。
そして、ラインハルホ王国で抹殺行為を行う予定だった。
だが、ラインハルホ王国は何らかの形でガーレットの動きを察知していたのだ。
だから、嘘の傭兵団は死の海岸に放り込まれた。

「うむむ」

ジークフリートは更に考える。

だが、実際の話は俺達というか、犠牲になった冒険者たちは、本当の傭兵団だった様だ。
ガーレットとラインハルホのために、出兵させられていた。
じゃ、なんで船長が俺達を船に乗ることを拒否したり、その船が死の海岸に行ったのか。
俺達はなんで、そこで皆殺しにされたのか。

「ラインハルホの裏切りなのか」

ジークフリートはそう結論付けた。

「ありがとう」

男に銅貨を渡した。


「いえいえ、お役に立てて良かったです」
「おい、行くぞ」

ジークフリートは仲間を連れて店を出る。

「ねぇ、何の話だったの」

リョナが訊ねてくる。

「いや、別に大したことじゃない」
「ふーん」

ジークフリートはそれでも胸に何かが引っ掛かっていた。
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