パーティから追放されたのは神に選ばれし救世主だった。~チートスキルで元のパーティを見返し、全知全能の冒険者になってやる!~

yonechanish

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第90話 ゴブリンの血

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エミリオ皇国の大聖堂。
その大広間では、王族たちを労う晩さん会が行われていた。

「ふむ。我々としてはラインハルホの者であっても、君たちは別だと判断している」

ギ・アンドゥ王国。
マテリアライズド王国。
バルガン王国。
それぞれの国王が、バルク、ハルト、フィリア、ルミナスに言葉を掛ける。

「君達はそもそも、ラインハルホの者でなく、ガーレットの者だ。ラインハルホ国王の手先では無いと思っている」

ギ・アンドゥ国王が言う。
ハルトはほっとした。
自分たちが共犯者として処罰されることは無さそうだ。

ガーレット国王も声を掛けて来た。

「バルク。追放してどこに行ったかと思ったらラインハルホの世話になっていたのだな。そして、フィリアも」

ガーレット国王は相変わらず、不機嫌そうに話す。
だが、その表情には安堵感が感じられた。
自分の娘と息子たちが無事だったことに対してだろうか。
先程は罵り合っていたが、やはり血の繋がりのせいだろうか。
ハルトはそのことに気が付いた。

「父上も、あの場では立場があったのでしょう。言い合いになったのは仕方ありません」

バルクは大人な対応をした。
フィリアだけはそっぽを向いたままだ。

「ラインハルホが同盟を無視して、我らが送った傭兵団を死の海岸に放置したのが行かんのだ!」

ガーレット国王は怒り心頭だ。
ルミナスはそれを冷めた目で見ていた。
この男は本当に愚かだと思う。
自分がラインハルホに戦争を仕掛けようとして置いて、それを棚に上げてよく言えるものだ。
ラインハルホの息子、ドルジがこのガーレット国王と裏で繋がってさえいなければ、今頃はこの男ガーレット国王が追放されていたのだ。

「フィリア。こうして私の無実は明らかになり、ラインハルホは我が物になった。戻ってこい。お主にも領地をやろう」

ガーレット国王は上機嫌になる。
フィリアの顔色が変わる。
フィリアはハルトを見た。
その視線は助けてと言っている様だ。
だが、ハルトは首を横に振る。
ここで、下手に出てしまっては、またガーレット国王に利用されるだけだ。
それは避けたい。
だた……

パチン!

フィリアの手は、父、自らの父であるガーレット国王の頬を叩いていた。

「何をたわけたことを! 全てはあなたが仕組んだことではないですか! ラインハルホ国王はあなたの策にはめられたのです。あなたはそうまでして他人の領地が欲しいのですか!そして、魔王の言うことを聞くしか能が無い、大バカ者なのですか!同じ血が流れていると思うと、今すぐ、この血を全て抜き取り、ゴブリンの血でもいいから入れ替えたい」

フィリアの感情があふれ出す。
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