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第78話 不戦条約
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その頃、ラインハルホ王国では。
会議用の大広間が破壊されたので、仕方なく中庭で会議を開いていた。
ラインハルホ王国の騎士団長であるセバス。
「調査隊の報告によりますと、ガーレット王国からこちらに向かったガーレット国王と密約を交わした50のパーティ。総勢500人は全て死の海岸で全滅したことを確認しました」
その報告にラインハルホ国王は大きく頷いた。
そして、
その目線は、会議室の隅で椅子に座る男に向けられていた。
それはバルク。
今回の策は彼が提案した物だった。
「バルク殿、そなたのお陰で、先手を打つことが出来た」
「いえ、私だけの力ではありません。マイン様の力も大きかったです」
バルクは赤鎧に赤い髪のマインの方を見て、笑顔を投げかけた。
マインは薄く笑った。
「さて、今後が重要です。当面はこれで敵の侵攻を妨げることが出来ましたが、この先です」
バルクは居ずまいを正す。
皆の視線が彼に集まる。
彼は咳払いをして話を続けた。
「ガーレット王国はこの所業を見逃すわけにはいかんでしょう。だが、ラインハルホ王国を糾弾すれば、自分達がラインハルホに攻め込もうとしたことを認めることになる」
バルクの言葉にハルトは、頷く。
あたまいい。
と思う。
「だから、ここで一旦、ガーレット王国と交渉しましょう。ここは一旦、痛み分けとする」
ざわざわ。
周囲がざわつく。
「バルク殿。だが、それでは向こうがまた……」
「大丈夫です。他の王族にも立ち会ってもらい交渉をする。そうすればガーレットも、一旦は不戦条約を受け入れるでしょう」
ざわざわ。
周囲がまたざわつく。
「なるほど。他の王族の目もあれば、ガーレットも無茶はできんな」
「左様。ガーレットもしばらくは攻撃してこないでしょう。そして、その間に我々は戦力をためましょう」
「分かった。それでいこう!」
ハルトが立ち上がり、手を上げる。
それを合図に全員が立ち上がった。
会議用の大広間が破壊されたので、仕方なく中庭で会議を開いていた。
ラインハルホ王国の騎士団長であるセバス。
「調査隊の報告によりますと、ガーレット王国からこちらに向かったガーレット国王と密約を交わした50のパーティ。総勢500人は全て死の海岸で全滅したことを確認しました」
その報告にラインハルホ国王は大きく頷いた。
そして、
その目線は、会議室の隅で椅子に座る男に向けられていた。
それはバルク。
今回の策は彼が提案した物だった。
「バルク殿、そなたのお陰で、先手を打つことが出来た」
「いえ、私だけの力ではありません。マイン様の力も大きかったです」
バルクは赤鎧に赤い髪のマインの方を見て、笑顔を投げかけた。
マインは薄く笑った。
「さて、今後が重要です。当面はこれで敵の侵攻を妨げることが出来ましたが、この先です」
バルクは居ずまいを正す。
皆の視線が彼に集まる。
彼は咳払いをして話を続けた。
「ガーレット王国はこの所業を見逃すわけにはいかんでしょう。だが、ラインハルホ王国を糾弾すれば、自分達がラインハルホに攻め込もうとしたことを認めることになる」
バルクの言葉にハルトは、頷く。
あたまいい。
と思う。
「だから、ここで一旦、ガーレット王国と交渉しましょう。ここは一旦、痛み分けとする」
ざわざわ。
周囲がざわつく。
「バルク殿。だが、それでは向こうがまた……」
「大丈夫です。他の王族にも立ち会ってもらい交渉をする。そうすればガーレットも、一旦は不戦条約を受け入れるでしょう」
ざわざわ。
周囲がまたざわつく。
「なるほど。他の王族の目もあれば、ガーレットも無茶はできんな」
「左様。ガーレットもしばらくは攻撃してこないでしょう。そして、その間に我々は戦力をためましょう」
「分かった。それでいこう!」
ハルトが立ち上がり、手を上げる。
それを合図に全員が立ち上がった。
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