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第21話 脱退
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その愛が故にショックが大きい。
「ハルトが無能だって言うの!?」
「ああ、そうだ」
「そんなはずない! ハルトは誰よりも強いし、優しいし、それに頭もいいし、それに、それに……!」
「落ち着け、ルミナス」
フージンは興奮する彼女を宥める。
「ハルトは弱いんだよ」
「嘘! あんなに強いハルトが弱いわけない! 私をモンスターから守ってくれた!」
「残念だが、それが上の人間には伝わっていない」
「ハルトを追放したのは誰?」
「それは……」
言いよどむフージン。
「そうね。多分、ジークフリートね」
すると、扉が開いた。
『ドラゴンテイルズ』のリーダー、ジークフリート・ジグモントだった。
「ルミナス。俺が決めたことだ。従ってもらうぞ」
「でも……!」
「ハルトは追放だ」
「……いくら私の兄でも、それは許せない」
ルミナスが殺気立つ。
「いいのか? 俺はお前の兄であり、このパーティのリーダーでもある」
兄であるジークフリートも殺気立った。
ルミナスはハルトが無能でない事、自分をモンスターから救ってくれたことを語る。
だが、兄はそれすら受け付けない。
「……もしかして、ハルトがいることが、パーティにとって都合が悪い理由でもあるんでしょう」
「なっ……」
「古の魔王と何か関係があるんでしょ?」
妹は兄に詰め寄った。
「ハルトに会わせて」
「駄目だ。ハルトに会うことは禁止とする。あいつは追放だ」
「…………」
「話は終わりだ」
ジークフリートは部屋を出て行った。
ルミナスはその場に立ち尽くし、ある決心をした。
「……私がハルトを助ける」
「無理だよ」
フージンが彼女の肩をポンと叩く。
「やってみないと分からないじゃない」
「ルミナス、君はパーティの要だ。君がいなくなると、俺たちは困る」
「ハルトもパーティに必要な存在よ」
「……」
フージンは黙り込む。
「私は行くわ」
「ルミナス、待ちなさい」
フージンが立ちふさがる。
「止めるなら、貴方を倒してでも進むわ」
ルミナスは後ろに飛び退り、フージンと距離を取る。
背中の弓を手に取った。
「分かった。見なかったことにしよう」
フージンはルミナスのために道をあけた。
「ハルトが無能だって言うの!?」
「ああ、そうだ」
「そんなはずない! ハルトは誰よりも強いし、優しいし、それに頭もいいし、それに、それに……!」
「落ち着け、ルミナス」
フージンは興奮する彼女を宥める。
「ハルトは弱いんだよ」
「嘘! あんなに強いハルトが弱いわけない! 私をモンスターから守ってくれた!」
「残念だが、それが上の人間には伝わっていない」
「ハルトを追放したのは誰?」
「それは……」
言いよどむフージン。
「そうね。多分、ジークフリートね」
すると、扉が開いた。
『ドラゴンテイルズ』のリーダー、ジークフリート・ジグモントだった。
「ルミナス。俺が決めたことだ。従ってもらうぞ」
「でも……!」
「ハルトは追放だ」
「……いくら私の兄でも、それは許せない」
ルミナスが殺気立つ。
「いいのか? 俺はお前の兄であり、このパーティのリーダーでもある」
兄であるジークフリートも殺気立った。
ルミナスはハルトが無能でない事、自分をモンスターから救ってくれたことを語る。
だが、兄はそれすら受け付けない。
「……もしかして、ハルトがいることが、パーティにとって都合が悪い理由でもあるんでしょう」
「なっ……」
「古の魔王と何か関係があるんでしょ?」
妹は兄に詰め寄った。
「ハルトに会わせて」
「駄目だ。ハルトに会うことは禁止とする。あいつは追放だ」
「…………」
「話は終わりだ」
ジークフリートは部屋を出て行った。
ルミナスはその場に立ち尽くし、ある決心をした。
「……私がハルトを助ける」
「無理だよ」
フージンが彼女の肩をポンと叩く。
「やってみないと分からないじゃない」
「ルミナス、君はパーティの要だ。君がいなくなると、俺たちは困る」
「ハルトもパーティに必要な存在よ」
「……」
フージンは黙り込む。
「私は行くわ」
「ルミナス、待ちなさい」
フージンが立ちふさがる。
「止めるなら、貴方を倒してでも進むわ」
ルミナスは後ろに飛び退り、フージンと距離を取る。
背中の弓を手に取った。
「分かった。見なかったことにしよう」
フージンはルミナスのために道をあけた。
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