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第2話 スキルゲット

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「タキよ。久しぶりじゃな」

 タキって誰だよ?

「久しぶりです。神様。俺は蒼です」

「元気にしておったか? タキよ」

「元気も何も、死にました。だから俺の名前は蒼ですって」

「うむ。そうじゃった。タキよ」

 俺は諦めた。
 まるでボケとツッコミだ。
 そして、神様は見た目ただのおじさんなので、余計ボケっぽく見える。

「それはそうと、またですか?」

「うむ。アボガルド王国には、わしも困っておる。蒼いよ」

 何でな急に名前覚えた?
 神様は、うずらみたいな禿げ頭をポリポリかいた。

「他のところは、魔王に襲われると言っても、100年から500年単位なんじゃがな……魔王にとって、アボガルド王国が魅力的なんじゃろか。それともアボガルド王国がかまってちゃんなのか……」

 神様は遠い目をした。
 神様でも分からないらしい。
 俺はどちらでもいいと思った。
 早く現世に戻って、また、妹に頬ずりされたい。

「今回の魔王は強力だから、わしも多めの神聖力を用意した」

 神様も俺が二回目だから、相当説明をはしょって来たな。

 神様は様々な世界を管理している。
 アボガドロ王国がある異世界もその一つだ。

「じゃ、このルーレットで今回のスキルを選んでくれ」

 リリナが弓道でよく見る様な丸い的を持って来た。

 ・成長チート
 ・言語チート
 ・魔法チート
 ・ご飯チート
 ・ウオーキングチート
 ・踏み台チート
 ・聖女殺しチート
 ・回復チート
 ・スローライフチート
 ・水魔法
 ・火魔法
 ・風魔法
 ・土魔法

 それぞれ、均等に面積が割り当てられている。
 さすが、多めの神聖力を割り当てられた案件だ。
 チートも前回より豪華だ。

「はい。タキさん」

 リリナまで間違ってんじゃねぇ!

「うん」

 ダーツの矢の様なものを手渡される。

「行きますよ!」

 リリナがルーレットを回した。

 回転が速くて、目指すチートを目で追いきれない。

「えいっ!」

 俺は思い切った。

「やった!」

 あれ?

 『成長チート』と『水魔法』の間の狭い線のところだ。

 どうなるの?

「両方ゲットです!」

 やりい!
 狙った通り、『成長チート』をゲット!
 そして、おまけに『水魔法』も。
 ルーレットの中で一番バランスが良さそうだし、つぶしが効きそうだから選んだ。

「おめでとうございます! 蒼さん。今回も頑張ってください!」

 リリナに称えられた。
 いつの間にか名前戻ってるし。

「では、これからお主を転生させる。言い残すことは無いかの?」

「そうですね~」

 俺が悩んでいると、

「あ、もう時間無いからやるよ」

 神様は俺に手をかざす。

「あっ、ちょっと……」

 俺は意識を失った。

つづく
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