悪役令嬢は最強になりたい

咲良

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第2章 原作が始まった!

入学式!

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「「お姉ちゃん!遅れるよ!」」
「あと5分…」
「お嬢様、立ってください。よし。終わりましたよ。着替え。」
「今日は入学式です!急いで!」
はっ!そうだった!
「遅れるー!ってもう着替えてるし、馬車の上に乗ってる!?」
お母様とお父様になにも言ってない!
さすがサナ、着替えが早い!
転生してから早6年、誘拐もされずに、平和な人生を送った。
でも、まさかセターレが飛び級してくるとは。
しかも、ロアも飛び級してくるし!みんなすごすぎよ!
それにしても、見た目が原作と一緒になったな。
ローゼは、うん!可愛い!
セターレとロアもイケメンになったねえ。
私は、ギリッギリ悪役顔にならなかった。
ロアが昨日倒れた時は驚いたけど、回復してよかった。
まあ、超回復魔法を何回もやったらそりゃあ治るよね。
「姉さん、着きました!」
セターレはもう私のことお姉ちゃんって呼ばなくなったのが悲しいけどね。
「すごーい!」
学校でっか!城かよ!
ここで、『ローズ』の原作が始まる。
学校の寮の前で下ろしてもらい、私たち四人は入学式場へ向かう途中、見慣れた人達が建物の前で立っていた。
「「「「ローザ!」」」
「みんな!」
見慣れた人達の正体は、シリウス、ミラ、リギルだった。
みんな原作顔になってるじゃん!でも、もうちょっとだけ優しくなってる気がする。
「リギル様よ!」
「かっこいい!」
「ミラ様もいるわ!」
周りの女子達の声が聞こえる。
「みんな人気者だね。」
「いや、一番人気なのは…」
「あれって、ローザ様じゃない!?」
「あの ’伝説’の?」
「きゃー!目があっちゃった!」
え、なぜ私?
伝説ってなに?
「社交界ではローザは皇太子を第一皇子から救った救世主だからな。」
リギルが教えてくれた。
そ、そうなんだ。
なんだか照れる。
7人並んで座っていると、校長先生のスピーチが始まった。
「みなさん、学園へようこそ。私は校長のメイアです。これから、あなた達にはたくさんのことを学んでもらい、青春を味わってもらいます。」
この世界にも青春なんてあるんだ。
「それでは、2年生代表、アステール シュテルンからスピーチを、お願いします。」
お!アステールは原作通り、2年代表なんだね!
それにしても、すっごいイケメンになったね。アステールも。裏表は無くなったし、変人にはならないでしょ!
「みなさん、ご入学おめでとうございます。校長先生が言ったとおり、たくさん学び、青春を味わい、友達を作り、最後は笑顔で卒業しましょう。」
なに?このザ・スピーチは!
こんなにシンプルなスピーチある?普通。
まあ、そんなことはどうでもよくて、今日は入学式パーティを存分に楽しまなきゃ!

夜になり、私達8人は女子寮と男子寮の真ん中で集合した。
「アステル、スピーチ、カッコよかったわよ!」
私はアステルの肩を叩く。
「ありがとう。」
「あ!もうこんな時間!ジェードと待ち合わせしてるから!行かなくちゃ!」
「僕も、ジェミャのことを…」
「俺も、ティナのこと待たせてるから!また後で!」
幼なじみ3人組は婚約者にゾッコンみたいね。
「アステル、ロア、行きましょ。セターレとローゼはどうする?あ、ローゼは私から離れないで。怪我しちゃいそうだから。」
「もうっ!私はそんなに弱くないもん!」
「ね、姉さん。僕がローゼのこと守ってあげてもいい?」
おや?この動揺っぷり、ローゼに気があるか?
「良いわよ。」
「ローゼ!行こう!」
セターレはローゼの手を握り、会場へ走った。
「待ってよ!セターレ!」
ふふっ。この二人を見てると、昔を思い出すなあ。
なにも変わってない。
「「ローザ」」
「ん?なに?」
あ、まだこの二人がいたわ。
「僕とー」
アステルが何かいいかける瞬間、女子生徒達がアステルのことを囲んだ。
「え、ちょっ。」
アステルはそのまま女子生徒達に流されてしまった。
アルテル、これが本当のモテる男は辛い。だね。
「ローザ。」
「なに?顔赤いよ?大丈夫?」
「だい、じょう、ぶ。」
「危ない!」
私はギリギリロアのことを受け止めた。
やっぱり、熱下がってなかったんだ。
どうしよ。
くるみさん!なんでロアをこの日に倒れさせたんですか!

くるみさんの説明
原作では、高熱で倒れてるロアールを見つけたローゼがロアールのことを一晩中看病するっているてえてえ場面があるんですよ!

とりあえず、空間に行くか。
私たちの超リアルロボットを設置して…
よし!これで大丈夫!なはず。
空間の中に入り、私はロアをベッドの上で寝かせた。
魔力が安定したら、倒れることがないはず。
後数週間だっけ。
確か、暴走はなかったはず。
氷枕をロア頭の下に置いてると、ロアがゆっくりと目を開けた。
「ロー、ザ。ご、めん。」
「大丈夫だからほら。目を瞑って。」
ロアが眠ったことを確かめると、私はロアのことを男子寮の部屋で寝かせておいた。
ロア、セターレと同じ部屋なんだ。
その後、セターレに事情を説明すると、ロアのことを看病してくれると言ってくれた。
これで一件落着。
私はパーティ会場に戻り、ミラ達のことを探した。
「あのっ!すみません、ローザ様。」
「なに?」
可愛い。ボブヘアの女の子だ。
「握手してください!」
…へ?
手を前に伸ばされても、どうすればいいか。
とりあえず、彼女の手を握ってみた。
「きゃああああ!ローザ様が手を握ってくれた!私、一生に報いなしです!」
女の子が叫ぶと、たくさんの生徒達が周りに
集まってきた。
「私の手も握ってください!」
「サインを…」
へ?なにが起きてるの!?
あわあわしながら、最終的に全員のお願いを聞いてあげたローザだった。


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