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僕の大事な親友
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こんなところで、こんな時に再会したくはなかった。その人とは、大学を卒業してから五年間も会っていなかった人物だった。
「久しぶり、まさか病院で会うなんてな。」
僕は言葉に詰まった。久しぶりすぎて言葉がでなかったのはもちろんだが、いまさら何を言ったらいいのかもわからなかった。
何となく、久しぶりだねと返して俯いた。次第に頭は冷静になって、彼をよく見ると松葉杖をついて、足には包帯を巻いていた。
「ちょっと!半田さん‼」
「ヤベ」
後ろから若い看護師が彼に声をかけた。まずいと言ったような顔をして逃げようとする半田だが、松葉杖に慣れていないのか簡単に看護師につかまった。どうやら病室から逃げ出したようで、看護師が怒っている。久しぶりに会ったとはいえ、彼の変わっていない自由奔放さに笑顔がこぼれた。
「で、どうして病院にいるんだ?」
何となく彼の病室に来て話すことになった。半田が変わっていないことが分かって安堵したが、やはりまだ気まずさを感じる。僕はとりあえず半田宛のお見舞い品の中にあったリンゴを剥くことにした。
「ここ最近調子が悪くて・・・」
僕はリンゴから目を離さず答える。今まで調子よくつながってくれていた皮が途中で途切れた。
「で?診断の結果は?」
こういう何のためらいもなく聞いてくるところとか本当に変わってない。そんなところが彼のいいところと言えばいいところだが、時と場合によっては悪いところにもなるということを彼は気が付いていない。その性格のおかげで救われたことが何度もある。
ここで、何と答えればいいのか迷った。事実を彼に打ち明けてもいいものなのだろうか。今回たまたま病院で再会して流れでこの場所でリンゴを剥くに至っているが、おそらく再会しなかったら僕が死ぬまで会うことは決してなかったと思う。そんな彼に、こんな重たい話をしてもいいものか・・・。ましてや、この僕が・・・。
「俺さ、お前のこと恨んでないよ。」
半田との出会いは、小学校の修学旅行の時だった。班員とはぐれて一人で歩いていた僕に声をかけてくれたのが同じく迷子になっていた半田海だった。
「隣のクラスのやつだったよな、迷子か?」
小学生という地味にプライドが高い時期に、自分が迷子になってしまったことを他人に指摘されて非常に腹が立った。知らない土地で一人、班員を探すにもあてもなかった中で同じ学校に通っている人に出会えたことは奇跡だが、どうしても素直になれなかった。
「僕は迷子じゃないよ。」
むすっとした顔で答えた。今思えば、逆の立場でこんな対応をされたら絶対に腹が立っていたと思う。しかしそんな対応をしても半田は笑顔でこう言った。
「そうなんだ!俺、迷子になっちゃったんだよね。同じ学校のやついて安心した!」
なんの恥ずかしげもなく堂々としている半田に、なぜだか自分のプライドが恥ずかしいものに思えた。半田はこんな状況でも楽しんでいるように見えて、不安だった心が安らぐ感じがした。
その日は結局二人で街を巡って、修学旅行を楽しんだ。意外にも話が合うし話しやすかったので、迷子の思い出も楽しいものに変わった。それ以降、在学中は会えば話す関係になり、中学に上がり同じクラスになってからさらに仲良くなり、高校、大学と同じところに行った。思えば誰よりも長く時間を共にした親友だった。
五年前の大学卒業式の日までは。
半田の誕生日は三月十日だった。当時半田と付き合っていた彼女に「海の誕生日プレゼントを一緒に選んでほしい」と言われ、卒業式の前々日に一緒に選びに行くことにした。海には内緒でと言われたのでこっそり二人で行ったのだがそれがまずかった。二人でプレゼントを選んでるところを半田が目撃してしまったのだ。卒業式の日、二人で飲みに行ったときにそのことを知った。
「彼女とは別れたよ」
淡々と話す半田だったが、その顔には珍しく怒りが見えた。半田とその彼女は大学を卒業したら結婚しようと約束しているのを僕は半田から聞いていた。やましい事は無かったとはいえ後ろめたさは十分だった。半田が怒っている理由が自分にあると思うと、もうその場にいるのが苦しかった。
「俺さ・・・。」
「ごめん!」
その一言を置き去りにして僕は半田の前から逃げた。ちゃんと説明してわだかまりを無くすべきだった。その場から逃げてしまったのなら後日にでも謝りに行けばよかった。しかし、謝りたい気持ちよりも半田が初めて怒りを露わにしたことが怖くて逃げ続けて五年も経ってしまった。
「あの時、お前に怒ってたんじゃないんだ。」
切り終わったリンゴを食べながら半田は続ける。
「あの時、ちゃんと彼女に事情を聞いたんだよ。お前もあいつも、何も悪くねーよ。卒業式の後、それが言いたかったんだ。なのにお前逃げちまうし、なんか連絡もつかなくなっちまったし、五年も経っちまうわで溝が深まっちまってよ」
「でも、あの時怒ってたよね?」
「許せなかったんだよ、事情を聞いても二人を許せない自分のことが。」
理由を聞いたら意外にもあっさりしすぎていた。僕たちは、なぜこんなにも時間を空けてしまっていたのだろうか。お互いの勘違いのために、五年間を無駄にしてしまったことをひどく後悔した。僕の人生がこんなにも短いものだと知っていたなら、もっと早く、何よりも優先して彼に謝っていたというのに。そう思うと、涙が出てきた。
「大丈夫か?」
半田はまっすぐな目で僕を見た。僕があの時見ることができなかった目が目の前にあった。
「僕、もうすぐ死んじゃうんだ。」
そう言うと、半田は一瞬驚いた顔をしたが、すぐにいつもの顔に戻り「そうか」とつぶやいた。この一言だけで何があったのかきっと察したに違いない。いつもはよくしゃべる半田だが、こういう時は何も言わずに黙って見守ってくれる。人生において、どうすればいいか分からないときにアドバイスを持ちかけられることが嫌いな僕のことをやはり半田はよく知っている。
「これからどうすればいいのか分からないんだよね。」
最後にそう告げて、僕ははにかんだ。
「俺だったら、治療は受けないかな。」
「どうして?」
「だってさ、残り少ない命なら大切な人たちにお別れ言いたいじゃん?」
この言葉が、僕の最期の人生の旅路を決めた。まさに半田の言う通りだった。狭くて何もない病院の中で辛い治療を受けながらただ死んでしまうのを待つ人生なんて、そんなのごめんだ。もっと有意義に自分の命を使おう。こんなにも簡単に答えを導いてくれる半田には感謝しかない。
「半田、あり・・・」
ありがとう。そう伝えたかったのだが、半田の顔を見た瞬間に言葉を詰まらせた。幼かったあの時から今日までこんなに長い間一緒にいた半田の一度だって見たことが無かった泣き顔が目の前にあった。
「悔しいなぁ。なんで俺、もっと早くお前に会いに行かなかったんだろう。こんなことになるなら、もっと・・・もっとさ・・・。」
五年という月日を無駄にしてしまったという事実を後悔しているのは半田も同じだった。僕は、僕たちはこの先も長いと、明日が当たり前のように来ることを疑いもしない生活に慣れて、突然終わりがくることも想像しないように生きてしまっていた。いつか半田に謝ればいい。まだ人生は長いんだから。そうこうしているうちに突然の終わりを迎えて結局大事なことを伝えられないまま死んでしまうのだ。
目の前で泣いている半田に、今日偶然出会えたから後悔は消すことができた。なら、僕が死んでしまう前にその偶然が起きない人たちはどうする。これまでの人生の中で伝えたいことがある人はたくさんいる。僕が動かなければ、何も伝えられずに死んでしまう。
今すぐに、会いに行こう。
「俺な、あの修学旅行の時、本当は怖くてたまらなかったんだ。」
「僕も本当は迷子だったんだよ」
「知ってるよ」
「海と出会えてよかった」
「省吾がいてくれてよかったよ」
空白の時間を埋めるように二人は笑いあった。
「久しぶり、まさか病院で会うなんてな。」
僕は言葉に詰まった。久しぶりすぎて言葉がでなかったのはもちろんだが、いまさら何を言ったらいいのかもわからなかった。
何となく、久しぶりだねと返して俯いた。次第に頭は冷静になって、彼をよく見ると松葉杖をついて、足には包帯を巻いていた。
「ちょっと!半田さん‼」
「ヤベ」
後ろから若い看護師が彼に声をかけた。まずいと言ったような顔をして逃げようとする半田だが、松葉杖に慣れていないのか簡単に看護師につかまった。どうやら病室から逃げ出したようで、看護師が怒っている。久しぶりに会ったとはいえ、彼の変わっていない自由奔放さに笑顔がこぼれた。
「で、どうして病院にいるんだ?」
何となく彼の病室に来て話すことになった。半田が変わっていないことが分かって安堵したが、やはりまだ気まずさを感じる。僕はとりあえず半田宛のお見舞い品の中にあったリンゴを剥くことにした。
「ここ最近調子が悪くて・・・」
僕はリンゴから目を離さず答える。今まで調子よくつながってくれていた皮が途中で途切れた。
「で?診断の結果は?」
こういう何のためらいもなく聞いてくるところとか本当に変わってない。そんなところが彼のいいところと言えばいいところだが、時と場合によっては悪いところにもなるということを彼は気が付いていない。その性格のおかげで救われたことが何度もある。
ここで、何と答えればいいのか迷った。事実を彼に打ち明けてもいいものなのだろうか。今回たまたま病院で再会して流れでこの場所でリンゴを剥くに至っているが、おそらく再会しなかったら僕が死ぬまで会うことは決してなかったと思う。そんな彼に、こんな重たい話をしてもいいものか・・・。ましてや、この僕が・・・。
「俺さ、お前のこと恨んでないよ。」
半田との出会いは、小学校の修学旅行の時だった。班員とはぐれて一人で歩いていた僕に声をかけてくれたのが同じく迷子になっていた半田海だった。
「隣のクラスのやつだったよな、迷子か?」
小学生という地味にプライドが高い時期に、自分が迷子になってしまったことを他人に指摘されて非常に腹が立った。知らない土地で一人、班員を探すにもあてもなかった中で同じ学校に通っている人に出会えたことは奇跡だが、どうしても素直になれなかった。
「僕は迷子じゃないよ。」
むすっとした顔で答えた。今思えば、逆の立場でこんな対応をされたら絶対に腹が立っていたと思う。しかしそんな対応をしても半田は笑顔でこう言った。
「そうなんだ!俺、迷子になっちゃったんだよね。同じ学校のやついて安心した!」
なんの恥ずかしげもなく堂々としている半田に、なぜだか自分のプライドが恥ずかしいものに思えた。半田はこんな状況でも楽しんでいるように見えて、不安だった心が安らぐ感じがした。
その日は結局二人で街を巡って、修学旅行を楽しんだ。意外にも話が合うし話しやすかったので、迷子の思い出も楽しいものに変わった。それ以降、在学中は会えば話す関係になり、中学に上がり同じクラスになってからさらに仲良くなり、高校、大学と同じところに行った。思えば誰よりも長く時間を共にした親友だった。
五年前の大学卒業式の日までは。
半田の誕生日は三月十日だった。当時半田と付き合っていた彼女に「海の誕生日プレゼントを一緒に選んでほしい」と言われ、卒業式の前々日に一緒に選びに行くことにした。海には内緒でと言われたのでこっそり二人で行ったのだがそれがまずかった。二人でプレゼントを選んでるところを半田が目撃してしまったのだ。卒業式の日、二人で飲みに行ったときにそのことを知った。
「彼女とは別れたよ」
淡々と話す半田だったが、その顔には珍しく怒りが見えた。半田とその彼女は大学を卒業したら結婚しようと約束しているのを僕は半田から聞いていた。やましい事は無かったとはいえ後ろめたさは十分だった。半田が怒っている理由が自分にあると思うと、もうその場にいるのが苦しかった。
「俺さ・・・。」
「ごめん!」
その一言を置き去りにして僕は半田の前から逃げた。ちゃんと説明してわだかまりを無くすべきだった。その場から逃げてしまったのなら後日にでも謝りに行けばよかった。しかし、謝りたい気持ちよりも半田が初めて怒りを露わにしたことが怖くて逃げ続けて五年も経ってしまった。
「あの時、お前に怒ってたんじゃないんだ。」
切り終わったリンゴを食べながら半田は続ける。
「あの時、ちゃんと彼女に事情を聞いたんだよ。お前もあいつも、何も悪くねーよ。卒業式の後、それが言いたかったんだ。なのにお前逃げちまうし、なんか連絡もつかなくなっちまったし、五年も経っちまうわで溝が深まっちまってよ」
「でも、あの時怒ってたよね?」
「許せなかったんだよ、事情を聞いても二人を許せない自分のことが。」
理由を聞いたら意外にもあっさりしすぎていた。僕たちは、なぜこんなにも時間を空けてしまっていたのだろうか。お互いの勘違いのために、五年間を無駄にしてしまったことをひどく後悔した。僕の人生がこんなにも短いものだと知っていたなら、もっと早く、何よりも優先して彼に謝っていたというのに。そう思うと、涙が出てきた。
「大丈夫か?」
半田はまっすぐな目で僕を見た。僕があの時見ることができなかった目が目の前にあった。
「僕、もうすぐ死んじゃうんだ。」
そう言うと、半田は一瞬驚いた顔をしたが、すぐにいつもの顔に戻り「そうか」とつぶやいた。この一言だけで何があったのかきっと察したに違いない。いつもはよくしゃべる半田だが、こういう時は何も言わずに黙って見守ってくれる。人生において、どうすればいいか分からないときにアドバイスを持ちかけられることが嫌いな僕のことをやはり半田はよく知っている。
「これからどうすればいいのか分からないんだよね。」
最後にそう告げて、僕ははにかんだ。
「俺だったら、治療は受けないかな。」
「どうして?」
「だってさ、残り少ない命なら大切な人たちにお別れ言いたいじゃん?」
この言葉が、僕の最期の人生の旅路を決めた。まさに半田の言う通りだった。狭くて何もない病院の中で辛い治療を受けながらただ死んでしまうのを待つ人生なんて、そんなのごめんだ。もっと有意義に自分の命を使おう。こんなにも簡単に答えを導いてくれる半田には感謝しかない。
「半田、あり・・・」
ありがとう。そう伝えたかったのだが、半田の顔を見た瞬間に言葉を詰まらせた。幼かったあの時から今日までこんなに長い間一緒にいた半田の一度だって見たことが無かった泣き顔が目の前にあった。
「悔しいなぁ。なんで俺、もっと早くお前に会いに行かなかったんだろう。こんなことになるなら、もっと・・・もっとさ・・・。」
五年という月日を無駄にしてしまったという事実を後悔しているのは半田も同じだった。僕は、僕たちはこの先も長いと、明日が当たり前のように来ることを疑いもしない生活に慣れて、突然終わりがくることも想像しないように生きてしまっていた。いつか半田に謝ればいい。まだ人生は長いんだから。そうこうしているうちに突然の終わりを迎えて結局大事なことを伝えられないまま死んでしまうのだ。
目の前で泣いている半田に、今日偶然出会えたから後悔は消すことができた。なら、僕が死んでしまう前にその偶然が起きない人たちはどうする。これまでの人生の中で伝えたいことがある人はたくさんいる。僕が動かなければ、何も伝えられずに死んでしまう。
今すぐに、会いに行こう。
「俺な、あの修学旅行の時、本当は怖くてたまらなかったんだ。」
「僕も本当は迷子だったんだよ」
「知ってるよ」
「海と出会えてよかった」
「省吾がいてくれてよかったよ」
空白の時間を埋めるように二人は笑いあった。
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