勇者の旅立ち

臥龍岡四月朔日

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勇者の旅立ち 〜出立前夜〜

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 僕にはずっと心の内に秘めていた想いがあった。

 僕の家は代々勇者の血を引く家系だった。父も勇者の血を引いているだけあってとても勇敢な男で、僕はそんな父を尊敬していた。

「母さんのこと、よろしく頼むぞ」

 そう言って、大きな背中を見せながら家の扉から出ていく父の姿。それが父を見た最後の姿だった。
 父は魔王を倒すために旅に出て、そのまま帰らぬ人となったのだ。

 尊敬する父が亡くなった。それはとても悲しかった。だけど、どこかそれを喜んでいる自分がいた。

 ……これで母さんは独り身だ……

 そう、僕は母さんを一人の女性として愛していた。ずっと、ずっと昔から。

 昔、父と母さんの行為を目撃したことがあった。母さんは脚を大きく開き、まんぐりがえしの体勢で父に種付けプレスをされていた。その時の母さんの蕩けるような顔、気持ちよさそうな嬌声、そして……それまで感じたことのないような胸の痛みと、心の底から湧き上がってくる燃えるような感情が今でも忘れられなかった。

 母さんは父が死んでも気丈に振る舞った。僕を立派な勇者に育てようとの決意からだった。だけど母さんが人の見ていないところで泣いていたのを僕は知っている。僕は母さんを慰めたかった、抱きしめたかった。僕が母さんを満たしてあげたかった。でも、僕はまだ子供だ。いつか、僕が父を超える立派な男になって、母さんをこの腕に抱くんだと心に誓った。


 そして時は過ぎ、僕は成長し、今度は僕が魔王討伐の旅に出ることになった。

 とうとう、僕が……

 魔王を倒す旅に出ることには迷いはなかった。僕も勇者の血を引くものだからだ。だけど心残りがあった。母さんのことだ。僕も父のように志半ばで倒れるかもしれない。そうしたら母さんは一人だ。それに、この想いを伝えずに死ぬのも嫌だった。
 僕は、出立前夜の今晩、母さんに僕の想いを伝えようと決意した。

「とうとう明日はあなたが魔王討伐に出立する日ね。この日のためにあなたを勇敢な子に育ててきたつもりよ。母さんと父さんの子供として、勇者の末裔として、頑張りなさい」

そう言って僕を見つめる母さんに話を切り出した。

「母さん、話があるんだ」

「どうしたの?急に改まって」

「母さん……僕は、母さんが好きだ!」

母さんは一瞬の困惑の後「……私もあなたのことが好きよ」と返した。

「……僕は、一人の女性として母さんのことを愛してるんだ!」

「……私たちは母子おやこなのよ?」

「僕は明日魔王討伐の旅に出る。もしかしたら父のように帰れないかもしれない。もう、母さんに会えないかもしれない。だから、この想いを伝えたかったんだ」

 母さんは何も答えなかった。
 僕はそのまま母さんを抱きしめ、口づけをする。母さんは抵抗しなかった。

「母さん、頼みがあるんだ。……僕に、女性を教えてほしい。僕を男にしてほしいんだ」

 母さんはしばらく迷った後、口を開いた。

「……私で、良いの?」

「母さんが良いんだ」

 僕がそう言うと今度は母さんから唇を重ねてきた。僕が呆気にとられていると、僕の唇を割って母さんの舌が侵入してきた。その行為に僕も舌を差し出し絡め合う。

「……今日は、特別だから、ね?あなたの部屋に行きましょう?」



 母さんは僕の部屋へ入るとゆっくりと服を脱いだ。熟れた裸身が露わになる。大きな胸は少し垂れてはいたが十分に張りがあり、年齢よりも若々しく感じた。お腹やお尻のたるみも少なく、こちらも十分に若々しい。股間の茂みは少し薄めでその下の大切な部分が茂みの向こうに見えていた。

 ……これが、母さんの身体……僕はその魅力的な裸体から目が離せなかった。

「こんな身体、そんなに見られたら恥ずかしい……」

 母さんは両手で胸と股間を隠しながらそう言った。見るとその顔は羞恥に紅く染まっていた。

「そんな事ない!とても綺麗で、魅入っちゃったよ」

「そう言って貰えると嬉しい……ねぇ、あなたも、脱いで」

 そう言えば母さんの身体に夢中になって自分が脱ぐのを忘れていた。

 僕は服を脱ぐとベッドに腰掛ける。

「それじゃあ横になって……最初は母さんがしてあげる」

 その言葉に従い僕はベッドに横になると母さんが僕を跨ぐように上に乗ってきた。

「もう、準備は十分みたいね……」

 そう、僕の股間は母さんを抱きしめた時からずっと猛りっぱなしだった。

「それじゃあ、いくわね」

 そう言って母さんはそのまま腰を下ろした。下半身が温かいものに包まれていくのを感じる。母さんの中はとっても温かく、とても心地が良かった。

「母さん……僕、母さんが初めての相手でうれしいよ。ありがとう」

「……私こそ、あなたの初めての相手になれて嬉しい……」

 こうして僕と母さんは肌を重ね合った。



 その後も僕と母さんは何度も交わり、僕は母さんの中に何度も精を注ぎこんだ。明け方になる頃、僕は疲れてそのまま寝落ちしてしまっていた。



 朝の光の中、ゆさゆさと身体を揺すられる感覚がする。

「おきなさい……おきなさい、私のかわいい……」

 いつもの優しい母さんの声がする。
 僕は寝ぼけ眼をこすりながら起きあがる。

「おはよう、もう朝ですよ」

 いつもの朝だった。昨日のあれは夢だったのだろうか?
 母さんは明け方まで僕と交わり続けた割には元気だった。

 僕は朝ごはんを食べ、旅の支度を整えた。

「それじゃあ、行ってくるよ」

「行ってらっしゃい。……あなた」

 そう言うと母さんは僕に抱きつき、唇に口づけをした。舌を絡め合う、濃厚な大人のキスだ。
 ああ、あれはやっぱり夢じゃあなかったんだ……

 こうして僕は旅に出た。
 必ず、生きて母さんの元に戻ってくると心に誓って。
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