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七月二十八日
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暑い。暑い。猛暑だった。人類は実は絶滅期で、発達した科学のおかげで暑さによる衰退を免れているらしい。
そんなにしてまで生きたいかなあ。疑問を抱く人類はたくさんいるはずだ。と、深海は思う。
深い海のように静かな図書館で、本に埋もれていると、なおさらに思う。外に出ればたくさんの人が夏休みを謳歌していて、友達や家族や恋人や、そういう大切な人と美しい夏を作っているだろう。けれどそれは孤独ではないことにはならず、また、悲しみがないわけでもないはずだ。夏休みの終わりに自殺を図るひとがたくさんいるのは、その証拠だろう。これだけの人類が共生を試み、けれどそれでも救われることのない。
それなのに人類は、築いてきた文明の指し示す未来に向かって生きてゆく。
孤独で死ぬより滅んだほうが、よほど優しい物語になりそうなものなのに。
深海は思う。
死ぬ時くらいは独りじゃなければ良い、と。
そんなにしてまで生きたいかなあ。疑問を抱く人類はたくさんいるはずだ。と、深海は思う。
深い海のように静かな図書館で、本に埋もれていると、なおさらに思う。外に出ればたくさんの人が夏休みを謳歌していて、友達や家族や恋人や、そういう大切な人と美しい夏を作っているだろう。けれどそれは孤独ではないことにはならず、また、悲しみがないわけでもないはずだ。夏休みの終わりに自殺を図るひとがたくさんいるのは、その証拠だろう。これだけの人類が共生を試み、けれどそれでも救われることのない。
それなのに人類は、築いてきた文明の指し示す未来に向かって生きてゆく。
孤独で死ぬより滅んだほうが、よほど優しい物語になりそうなものなのに。
深海は思う。
死ぬ時くらいは独りじゃなければ良い、と。
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