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第七章
Chapter.28 国防力の強化、第三次世界大戦へ
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国防力の強化、第3次世界大戦へ
1月16日 横浜
「新年、明けましておめでとうございます! そして、LSJ計画において、我々の目標はとりあえず達成しましたー! ということを祝いまして、かんぱーい!」
智成の音頭で、周人、幸来紗、美智、そして、坂広と月川を含めた6人はジョッキを合わせる。LSJの進展も込めて、居酒屋で新年会を開いた。
「はじめまして。総理の秘書官の月川です」月川は五人に自己紹介をする。
「月川さんにの協力がなかったら、お父さんの気持ちを変えることはできなかったと思うよ」
幸来紗は感謝の意を込めて、みんなに伝える。
「いえいえ、大したことはしていませんよ。金谷教授はすぐに乗り気になったんで、あの程度のことで力になれてよかったです。それより、こんな若者の中に一人だけおっさんを誘ってくれてありがとうございます」
月川は謙虚に、低い物腰でお礼を言う
「そんなにかしこまらないでください。とにかくありがとうございました!」
「ありがとうございました!」
智成が言うと、みんな口を揃えてお礼を言う。
「あの、僕を誘ってくれましたけど、本来なら、僕の娘がここにいるべきなんじゃなかないんですかね」
坂広は気まずそうに口を開く。
「そんな、気を使わなくていいんだよ。彼女、どこにいるか分からないし。なんか日本中を一人旅してるらいいよ。逐一報告はちゃんとしているから、彼女も嬉しそうだったよ」美智は坂広を和ませる。
「あとは、政府の動向と、世界情勢がどう変化していくか、様子を見ていけばいいと思うよ」
周人が言うと、みんな頷く。
「そうですね。気長に待ちましょう。総理はきっと日本を安全な方向に舵を取ってくれると思いますよ」
「うん、お父さんを信じてる。きっと日本は大丈夫だよ」
月川に続いて、幸来紗も安心して言う。
「第3次世界大戦が勃発する予定日が、来年の11月3日。それまで、様子を見ていよう」周人が言う。
「そうだな。今は何もできないしな。……そうそう、報告があります。俺たち、付き合い始めました!」
智成は、声を大きくして伝える。
「本当?」
「去年のクリスマスに告られちゃった。調子がいいけど、馬が合って面白い奴だしね。付き合うことにしたよ」
幸来紗が訊くと、美智は答える。
「やったじゃん。二人がどうなっているのか気にはなってたよ」
周人と幸来紗は、嬉しそうに祝福する。
「それじゃあ、二人の交際を祝って、もう一度乾杯しませんか」
「いいですね」月川の提案に、坂広も乾杯を促す。
「じゃあ、乾杯!」月川がジョッキを上げ、再度乾杯する。
その時、カウンターの隅で変装していた友杏は、気が付かれないように、その光景を横目で満足気に眺めていた。
ーみんな、本当にありがとう。パパもありがとう……
2025年
5月から8月にかけて、政府は、多くの国々と軍事同盟を締結。
9月、国防費を、対GDP比、1.3%から2.8%に増額。
2026年
3月、防衛のみではなく、反撃もできるように憲法を改正。
5月9日、コンチャウがペイテイに侵攻。
周人、幸来紗、智成、美智、そして坂広と月川の6人はグループチャットで、世界情勢について頻繁に連絡を取り合うようにしていた。
智成『おかしいぞ、コンチャウがペイテイに侵攻するのは、未来の歴史書だと、8月だったぞ』
未来人(坂広に名前を知られないために、友杏はチャット上の名前を未来人としていた)
『きっと、私たちの行動によって、予定より早くなったんだよ。間違いなく未来は変わり始めてる。焦らないで』
周人『そうだよ、きっと、最終的にはいい方向に向かって行くよ』
美智『みんな、平和な未来を祈ろう』
坂広『未来人さんは娘か…… 不思議な感覚だな。僕たちは確実に未来を変え始めてるんですね』
10月12日
欧州で領土を拡大していたソロリオにイロラは加勢。対して、同盟を結んでいた欧州、及び中東の国々が宣戦布告。また、ペイテイを侵略したコンチャウにアユセウスが軍事介入、アユセウスと軍事同盟を結んでいた日本も参戦することになった。
智成『これは、もう第3次世界大戦が始まってないか? また予定より早いだろ』
友杏『そうね、始まったとみなしていいと思うわ。予定より早いわね』
美智『大丈夫? 戦争激化を加速させてない?』
月川『予定より、急速に早まっていますね。でも、結果はきっとよくなりますよ』
周人『日本に被害が及ぶのも早くなるかもしれないかな?』
未来人『大丈夫、日本への侵攻そのものだってなくなるかもしれないじゃん』
坂広『僕はそうなることを祈ります』
幸来紗『きっと、いい方向に向かってるよ。国防力は格別に上がってる。焦らず経過を見ていこう』
2027年、4月21日、コンチャウが突如、沖縄に侵攻する。
美智『日本への攻撃が始まっちゃたよ! ダメじゃん、もしかしたら沖縄も守れるかもしれないって思ったのに』
智成『大丈夫かよ? しかも、やっぱり、予定より早いぞ!』
未来人『大丈夫だよ。落ち着いて様子を見ていくしかないよ』
周人『アユセウスの援助もあるし、反撃して、きっと撤退させるよ』
坂広『ほんと、落ち着かないっすね』
1月16日 横浜
「新年、明けましておめでとうございます! そして、LSJ計画において、我々の目標はとりあえず達成しましたー! ということを祝いまして、かんぱーい!」
智成の音頭で、周人、幸来紗、美智、そして、坂広と月川を含めた6人はジョッキを合わせる。LSJの進展も込めて、居酒屋で新年会を開いた。
「はじめまして。総理の秘書官の月川です」月川は五人に自己紹介をする。
「月川さんにの協力がなかったら、お父さんの気持ちを変えることはできなかったと思うよ」
幸来紗は感謝の意を込めて、みんなに伝える。
「いえいえ、大したことはしていませんよ。金谷教授はすぐに乗り気になったんで、あの程度のことで力になれてよかったです。それより、こんな若者の中に一人だけおっさんを誘ってくれてありがとうございます」
月川は謙虚に、低い物腰でお礼を言う
「そんなにかしこまらないでください。とにかくありがとうございました!」
「ありがとうございました!」
智成が言うと、みんな口を揃えてお礼を言う。
「あの、僕を誘ってくれましたけど、本来なら、僕の娘がここにいるべきなんじゃなかないんですかね」
坂広は気まずそうに口を開く。
「そんな、気を使わなくていいんだよ。彼女、どこにいるか分からないし。なんか日本中を一人旅してるらいいよ。逐一報告はちゃんとしているから、彼女も嬉しそうだったよ」美智は坂広を和ませる。
「あとは、政府の動向と、世界情勢がどう変化していくか、様子を見ていけばいいと思うよ」
周人が言うと、みんな頷く。
「そうですね。気長に待ちましょう。総理はきっと日本を安全な方向に舵を取ってくれると思いますよ」
「うん、お父さんを信じてる。きっと日本は大丈夫だよ」
月川に続いて、幸来紗も安心して言う。
「第3次世界大戦が勃発する予定日が、来年の11月3日。それまで、様子を見ていよう」周人が言う。
「そうだな。今は何もできないしな。……そうそう、報告があります。俺たち、付き合い始めました!」
智成は、声を大きくして伝える。
「本当?」
「去年のクリスマスに告られちゃった。調子がいいけど、馬が合って面白い奴だしね。付き合うことにしたよ」
幸来紗が訊くと、美智は答える。
「やったじゃん。二人がどうなっているのか気にはなってたよ」
周人と幸来紗は、嬉しそうに祝福する。
「それじゃあ、二人の交際を祝って、もう一度乾杯しませんか」
「いいですね」月川の提案に、坂広も乾杯を促す。
「じゃあ、乾杯!」月川がジョッキを上げ、再度乾杯する。
その時、カウンターの隅で変装していた友杏は、気が付かれないように、その光景を横目で満足気に眺めていた。
ーみんな、本当にありがとう。パパもありがとう……
2025年
5月から8月にかけて、政府は、多くの国々と軍事同盟を締結。
9月、国防費を、対GDP比、1.3%から2.8%に増額。
2026年
3月、防衛のみではなく、反撃もできるように憲法を改正。
5月9日、コンチャウがペイテイに侵攻。
周人、幸来紗、智成、美智、そして坂広と月川の6人はグループチャットで、世界情勢について頻繁に連絡を取り合うようにしていた。
智成『おかしいぞ、コンチャウがペイテイに侵攻するのは、未来の歴史書だと、8月だったぞ』
未来人(坂広に名前を知られないために、友杏はチャット上の名前を未来人としていた)
『きっと、私たちの行動によって、予定より早くなったんだよ。間違いなく未来は変わり始めてる。焦らないで』
周人『そうだよ、きっと、最終的にはいい方向に向かって行くよ』
美智『みんな、平和な未来を祈ろう』
坂広『未来人さんは娘か…… 不思議な感覚だな。僕たちは確実に未来を変え始めてるんですね』
10月12日
欧州で領土を拡大していたソロリオにイロラは加勢。対して、同盟を結んでいた欧州、及び中東の国々が宣戦布告。また、ペイテイを侵略したコンチャウにアユセウスが軍事介入、アユセウスと軍事同盟を結んでいた日本も参戦することになった。
智成『これは、もう第3次世界大戦が始まってないか? また予定より早いだろ』
友杏『そうね、始まったとみなしていいと思うわ。予定より早いわね』
美智『大丈夫? 戦争激化を加速させてない?』
月川『予定より、急速に早まっていますね。でも、結果はきっとよくなりますよ』
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未来人『大丈夫、日本への侵攻そのものだってなくなるかもしれないじゃん』
坂広『僕はそうなることを祈ります』
幸来紗『きっと、いい方向に向かってるよ。国防力は格別に上がってる。焦らず経過を見ていこう』
2027年、4月21日、コンチャウが突如、沖縄に侵攻する。
美智『日本への攻撃が始まっちゃたよ! ダメじゃん、もしかしたら沖縄も守れるかもしれないって思ったのに』
智成『大丈夫かよ? しかも、やっぱり、予定より早いぞ!』
未来人『大丈夫だよ。落ち着いて様子を見ていくしかないよ』
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