10 / 23
百花繚乱
「椿」十
しおりを挟む
…気に食わねえ、ってどういう意味だ?
一瞬色々考えたけど、彼が沈黙を破って話しかけたので、僕は思考を放棄した。
「小童、お前しょっちゅうあんな奴らに狙われてるのか?」
「…最近、ちょっと。…なんでそう思ったの?」
「生きてる人間のくせに、あんなのを見てもあまり慌ててなかったからな、場数を踏んでると思ったんだ」
その後、一瞬の沈黙を経て、彼は言った。
「お前の、用心棒になってやろうか?」
…「なんで?」
僕は、やや困惑した。
「…鎖を壊してもらった礼をしたいと思ってな。俺は、こんなんでも多少は腕がたつんでね、暇つぶし程度にやってやるよ」
「そうか、ありがとう」
僕は、よくお人好しだと言われるし、自分でもそうなのだと思う。
だけどそれ以上に、彼には人を惹きつける何かがあって、だからきっと僕は普段誰かを信頼するよりもさらに、彼を無意識のうちに信頼したのだと思う。
僕は、右手を差し出して、握手を申しでた。
彼も、自分の左手を差し出して、握手するような素振りを見せた。
彼は、幽霊だからか、透けて実際に触れることはできなかったけど、握手した時に、何かが繋がったような気がした。
一瞬色々考えたけど、彼が沈黙を破って話しかけたので、僕は思考を放棄した。
「小童、お前しょっちゅうあんな奴らに狙われてるのか?」
「…最近、ちょっと。…なんでそう思ったの?」
「生きてる人間のくせに、あんなのを見てもあまり慌ててなかったからな、場数を踏んでると思ったんだ」
その後、一瞬の沈黙を経て、彼は言った。
「お前の、用心棒になってやろうか?」
…「なんで?」
僕は、やや困惑した。
「…鎖を壊してもらった礼をしたいと思ってな。俺は、こんなんでも多少は腕がたつんでね、暇つぶし程度にやってやるよ」
「そうか、ありがとう」
僕は、よくお人好しだと言われるし、自分でもそうなのだと思う。
だけどそれ以上に、彼には人を惹きつける何かがあって、だからきっと僕は普段誰かを信頼するよりもさらに、彼を無意識のうちに信頼したのだと思う。
僕は、右手を差し出して、握手を申しでた。
彼も、自分の左手を差し出して、握手するような素振りを見せた。
彼は、幽霊だからか、透けて実際に触れることはできなかったけど、握手した時に、何かが繋がったような気がした。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説



チャラ男会計目指しました
岬ゆづ
BL
編入試験の時に出会った、あの人のタイプの人になれるように…………
――――――それを目指して1年3ヶ月
英華学園に高等部から編入した齋木 葵《サイキ アオイ 》は念願のチャラ男会計になれた
意中の相手に好きになってもらうためにチャラ男会計を目指した素は真面目で素直な主人公が王道学園でがんばる話です。
※この小説はBL小説です。
苦手な方は見ないようにお願いします。
※コメントでの誹謗中傷はお控えください。
初執筆初投稿のため、至らない点が多いと思いますが、よろしくお願いします。
他サイトにも掲載しています。

BlueRose
雨衣
BL
学園の人気者が集まる生徒会
しかし、その会計である直紘は前髪が長くメガネをかけており、あまり目立つとは言えない容姿をしていた。
その直紘には色々なウワサがあり…?
アンチ王道気味です。
加筆&修正しました。
話思いついたら追加します。

真冬の痛悔
白鳩 唯斗
BL
闇を抱えた王道学園の生徒会長、東雲真冬は、完璧王子と呼ばれ、真面目に日々を送っていた。
ある日、王道転校生が訪れ、真冬の生活は狂っていく。
主人公嫌われでも無ければ、生徒会に裏切られる様な話でもありません。
むしろその逆と言いますか·····逆王道?的な感じです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる