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「えっ、え、……今日も?昨日あんだけして…」
「するでしょ…今日が記念日だし」
「俺無理、無理だってもう……んーっ!!」
告白騒動があったその日は俺だけバイトの予定が入っていたから、一旦外に出てそのまま楓の家に帰ってきた。
記念日だし、泣かせた事もまだちょっと気になっていた俺はコンビニでケーキを買って帰ってきて、2人で夕食後に食べてテレビを観てシャワーを浴びた。
布団に入ってから少し新鮮な気持ちになって、向かい合って何か話して、…気恥ずかしくなってくすくす笑ったりしてさ。
今まで無かった甘い空気の中で眠れるのはいいなあと思って俺は目を閉じた。
けれども楓は、完全にそのまま寝る気でいた俺とは違ったみたいだった。
普通に俺の上に乗っかってきて、頬やら耳たぶやらをすりすり撫で始めたのだった。
「くすぐったいから離せって…俺ほんともう無理だよ、勃たない!勃たないから!」
「とか何とか言って結局できるでしょ、夏樹は」
「人のことなんだと思って……んん゛ーーーッ!」
抵抗しようと身を捩ってみたが、あっけなく肩を掴まれキスをされているうちに、簡単に暴れる気力が削がれてしまう。
ぐっと楓の舌が奥まで入り込んできて、上顎や舌のあたりを舐めてくすぐる。ちょっと息苦しいくらいが気持ちよくて、つい声が漏れてしまった。
キスが好きだった。
相手で五感がいっぱいになる感覚がして、こんな風にねっとり舌を深くまで絡められると頭がぼーっとしてしまう。
それに、楓とのキスは特別良かった。呼吸のタイミングも舌が入ってくる動きもぶつからないから、ひたすら満たされた気持ちになってしまう。
…これで流されたら本当に単純すぎる、流石に弱すぎる。それはなんか嫌だ。ちょっとダサいし情けない。
あー、耳塞がれた。すりすり撫でられて、頭の中でキスの音がこもって聴こえて、ぞくぞくと快感が背筋を伝うのがわかった。やばいなあ、力抜ける。
「んん……………………ふぅ……、んぅ゛………ッ!?」
いつの間にか楓がもう片方の手を下ろしていて、カリカリと乳首を引っ掻き始めた。
ごく弱い力で、部屋着のTシャツの上から爪で何度も擦られる。自分でも弄ばれるそこが熱を持って勃ち上がり始めるのがわかった。
甘い声が漏れてしまう。
乳首なんか元々先輩としてた時だってそこまで触られなかったのに、楓がしつこく触るせいで性感帯に変わってしまった。
「ん゛………♡んん………んぅう゛……………ッ♡ふぅ………ッ♡」
ひくひくと腰が跳ねているのが自分でも分かる。いつのまにか両方の手でカリカリと引っ掻くのを楓は繰り返していて、ずくずくと腰に甘い快感が溜まっていくのが分かった。
やばい、気持ちいい。焦ったいのがたまんない。
ぎゅんぎゅん下腹部も熱くなって、それよりもっと気持ちいいのが欲しくてたまらなくなる。
自分の声が甘ったるく響いた。
情けない声を出す自分のことは、本当は好きじゃない。かわいいって言われるのだって好きじゃない。
だけど楓があんまりに嬉しそうな顔をするから、いつもいつも、悪くないのかもと思ってしまう。
「……夏樹、かわいいね」
「ばか……手離せってぇ」
すりすりと乳首を撫でていた楓が、突然ぎゅうっと摘み上げた。強い刺激に思わず声が漏れて、背中を反り返らせた。
昔、小学生の頃母親の勧めで体操を習っていた。その時の名残で俺は身体がめちゃくちゃ柔らかいから、結構わかりやすくぐいぐい背筋が反る。普通に恥ずかしくもあった。
「あ………っ、あぅ、んん゛………ッ♡」
「気持ちいいね、もっとしたい?」
「はぁ……っ、は……っ♡、あっ….うう゛……♡」
くにゅくにゅこりこり、楓が指で摘んですり潰すように捻る。
弄ばれるたび、腹の奥が疼いて熱くなった。
じわじわ追い詰めるような快感じゃもどかしい。じれったい。乳首を触られるのは気持ちいいけど、結局中途半端な刺激じゃ我慢できなくなってしまうから嫌だった。
太くて熱いので、ナカを思いっきり押し潰されて、もっと深い気持ちいいところをぐりぐり抉られるのを想像してしまう。
楓の首に腕を回して引き寄せてキスをする。
唇を舐めて舌を突っ込んで擦り合わせる。
俺的にはもういいから最後まで抱いてくれっていう合図のつもりだったんだけど、伝わっていないのか知ってて無視しているのか、楓はキスしながらぐにぐに乳首を弄る手を止めてくれない。
……本当に、それ弱いからやめてほしい。
どうにかなりそうな強い快感では無いけど、じわじわと追い詰められるともっと欲しくなる。息が荒くなって苦しい。楓に胸を押し付けるように身体がのけぞってガクガク震えた。
「はふ、ふーーっ♡……もー無理、乳首やめろ……っ♡」
「あは…苦しい?パンパンじゃん」
「んん゛ーー………………!!」
膝で股間をぐりぐり押され、自分のが思いっきり元気に勃ってることに気がついた。
「もーいいってぇ……もぉやだ、挿れろよ……っあ!?ぁああ……ッッ!!」
「えー……あとちょっと」
「あっ………あぅ、うう゛……ッッ!!」
四つん這いの姿勢で、楓に下半身を突き出して見せるようにして指を突っ込まれている。
楓はめちゃくちゃねちっこい。よく言えば丁寧なんだけど、まあねちっこくて後ろを解すにしてもなかなか離してくれなかった。
ナカに潜り込んだ長い指が、さっきからずっと前立腺を揉んだり押したりしつこく追い詰めてくる。性器で擦られるのとはまた違う、直接気持ちいいところだけを弄ばれる感覚は気持ち良いけど苦しくて、訳わかんないイき方をしてしまう。
とんとん、と叩くように前立腺を押し込まれる。
腹の奥まで快感が響いて、一気に性器に熱が集中するのが分かった。
イく、またイかされる。でもここで出してしまうとその後が絶対キツいから、必死に耐える。
「すーごい締まってる、とんとんされるの好き?」
「ち゛が………ッッ、あ゛、あ゛…………ッッ!!」
カクカク勝手に腰が揺れて、あっと思った頃には快感が弾けて射精していた。
どうにか耐えることができたようで、量はほんの少しだけだった。シーツにぽたっと垂れてシミになる。
「んぁ………むり、ほんとむり……、かえで、挿れてよぉ………」
「…………なつき可愛いね」
「そゆのいいから……………ぁ、……あぁああ゛…………ッッ!!♡♡」
楓も楓で限界だったんだと思う。四つん這いの姿勢のまますぐにずぷずぷ侵入してきた。
我慢していた分がすぐに弾けて、挿れられた瞬間思いっきり射精した。これじゃさっき我慢した意味ないじゃんと思ったけど、こればっかりはもう仕方ない。
大きくて熱いので気持ちいいところを擦られる。ぎゅうぎゅう圧迫されるとつま先まで痺れるくらい気持ちいい。……なんで楓は昨日の今日でこんなに硬いんだよ。どうなってんだ。
「これ……これやだ…………んぁあ゛……ッ!」
「…………なに、どうしたの」
「かお見たいぃ………あぅっ、あ゛………体勢かえる……」
楓が黙って抜いて、俺の身体をごろんと回した。
脚を高く持ち上げられる。結構楓は遠慮なく開かせたり持ち上げたりするから、身体柔らかくて良かったとこの時はいつも思う。
ギラついた目で真っ直ぐに見つめられる。正直たまらなかった。俺のこと欲しくてたまんないって顔されるのが好きだ。
「……好きにうごいてよ」
「………いつも好きにしてるよ」
「そぉじゃなくて…………ぁ、んあ゛ッッッ!!!」
遠慮無しに思いっきり突き立てられて、つい大きな声が出る。慌てて手で口を塞いだ。余裕のなさそうな顔をした楓が、荒っぽく腰を打ちつけてくる。
いつも好きに動いてた、なんて言っていたけど本当は奥をがつがつ突くのが好きだってことも何となく知っていた。
多分楓のってデカいし、さっきまでのじゃ全部入ってなかったと思うし。
ごちゅごちゅ音が聞こえてきそうなくらい、腹の奥を何度も突き上げられる。
苦しいくらいがちょうど良かった。腹の中が楓でいっぱいになるのが好きだ。腹を優しく撫でられると、本当に女の子にされたような気持ちになってしまって、快感で脳みそまで沸騰しそうになる。
「あ゛…………ッ♡ぅう゛、んん゛ーー………♡♡」
ふーふー荒い楓の息遣いが聞こえる。
夢中で俺のことを求めてるのがかわいいと思った。
指先でそっと噛み痕をなぞられて、ちくっとした痛みと共にぞくぞくと背筋が震えた。
「んぁ………♡なに、どしたの……」
「…けっこー、ちゃんと残るなって」
「………もっとつけたい?」
俺がそう言い終わってすぐ、夏樹が首筋に吸い付いてきた。ぎゅうっと抱え込まれて、噛まれた部分の近くをキツく吸い上げられる。
窮屈な体勢で逃げられないなと思ったらもっと興奮した。バチっとまた快感が弾ける。多分また軽くイったんだと思う。
姿勢が変わったせいで、楓のがもっと奥まで入り込んできた。
やばいと思った時にはもうぐちゅ、とすぼまってそうな所にねじ込まれていて、どっと身体が熱くなる。
「あ゛…………ッ!?♡♡ん゛あ゛、あ゛、あ゛ーーー………♡♡」
快感で頭が支配される。
絶対入ってきちゃダメなところなのに、楓がこじ開けて入ろうとしていた。
身体に勝手に力が入る。だめだ、本当にそこはだめだと思う。何回かされたことはあるけど、マジで、ほんと、だめなのに。
「………………ッッ、んぉ、お゛………………………………ッ゛ッ゛♡♡」
ぐぷっ、と一番奥を、楓が突き上げた。
すぼみを抜けた感覚が直接、脳みそをぶち抜く。
電流が走るくらいの強烈な快感が、身体中に駆け巡っていった。
腰がガクガク震えてる。無理やり押さえ込むように体重をかけられて、目の前がチカチカするくらい気持ちよくなった。
こんなの続けてたら絶対バカになる。
無理やり脳みその信号を気持ちいいだけに書き換えられてしまっていて、楓がほんの少し腰を動かすだけで死んじゃうくらい気持ちいい。
意識が飛びそうになって、楓に噛みつかれた微かな痛みで戻ってきた。
噛み付くようなキスをされて、舌がざらざら擦れるだけで気持ちよくてイった。
視界がぼやける。目頭が熱いから多分涙が出ている。
何度も好きだと囁かれて、そのまま楓が達した。
一層硬く膨れたそれでガツガツと奥を突かれながら射精されて、始めて俺はセックス中に意識を飛ばした。
どうにか意識を取り戻したのは、セックスが終わってから少ししてからだった。
腹の上がぽかぽか気持ちよくて目をやると、申し訳なさそうな顔をした楓が、あっためたタオルで俺の身体を拭いていた。
「あ、起きた?………マジでごめん、風呂いこ」
昨日の今日で下半身がガクガク震えて使いものにならない俺を、楓が抱えて浴室まで連れて行ってくれた。
体格差も身長差も無い男を、自分もしんどいセックス後に支えて最後まで世話を焼いてくれるなんて大したもんだなと感心した。
こいつ本当に、俺のことだけが大好きなんだ。
くすぐったい気持ちになって、楓の髪をくしゃくしゃ撫でた。
もう一回好きだって言おうとして、鏡に映った自分の身体が噛み痕とキスマだらけになっているのを見て絶句する。
「あー……その、ごめんっていうか、その……好きだからさ…………」
「…………なんか、俺が思ってたよりお前、重いんだね」
一回のセックスでここまで痕をつけてきた楓もおかしいけど、多分それを見てちょっと嬉しくてへらへら笑ってる俺もまあ、同じなんだろうなあと思った。
案外、というかめちゃくちゃお似合いだ。
そりゃそうか、ずっと前から一緒にいたんだし。
楓と目が合った。
笑ってる俺を見て表情が緩んでいてなんだかだらしない顔をしていた。
やっぱり可愛く見えてくる。ずっとこんなふうに2人でいられたらいいなと、ぬるい温度のシャワーを浴びながら思った。
「するでしょ…今日が記念日だし」
「俺無理、無理だってもう……んーっ!!」
告白騒動があったその日は俺だけバイトの予定が入っていたから、一旦外に出てそのまま楓の家に帰ってきた。
記念日だし、泣かせた事もまだちょっと気になっていた俺はコンビニでケーキを買って帰ってきて、2人で夕食後に食べてテレビを観てシャワーを浴びた。
布団に入ってから少し新鮮な気持ちになって、向かい合って何か話して、…気恥ずかしくなってくすくす笑ったりしてさ。
今まで無かった甘い空気の中で眠れるのはいいなあと思って俺は目を閉じた。
けれども楓は、完全にそのまま寝る気でいた俺とは違ったみたいだった。
普通に俺の上に乗っかってきて、頬やら耳たぶやらをすりすり撫で始めたのだった。
「くすぐったいから離せって…俺ほんともう無理だよ、勃たない!勃たないから!」
「とか何とか言って結局できるでしょ、夏樹は」
「人のことなんだと思って……んん゛ーーーッ!」
抵抗しようと身を捩ってみたが、あっけなく肩を掴まれキスをされているうちに、簡単に暴れる気力が削がれてしまう。
ぐっと楓の舌が奥まで入り込んできて、上顎や舌のあたりを舐めてくすぐる。ちょっと息苦しいくらいが気持ちよくて、つい声が漏れてしまった。
キスが好きだった。
相手で五感がいっぱいになる感覚がして、こんな風にねっとり舌を深くまで絡められると頭がぼーっとしてしまう。
それに、楓とのキスは特別良かった。呼吸のタイミングも舌が入ってくる動きもぶつからないから、ひたすら満たされた気持ちになってしまう。
…これで流されたら本当に単純すぎる、流石に弱すぎる。それはなんか嫌だ。ちょっとダサいし情けない。
あー、耳塞がれた。すりすり撫でられて、頭の中でキスの音がこもって聴こえて、ぞくぞくと快感が背筋を伝うのがわかった。やばいなあ、力抜ける。
「んん……………………ふぅ……、んぅ゛………ッ!?」
いつの間にか楓がもう片方の手を下ろしていて、カリカリと乳首を引っ掻き始めた。
ごく弱い力で、部屋着のTシャツの上から爪で何度も擦られる。自分でも弄ばれるそこが熱を持って勃ち上がり始めるのがわかった。
甘い声が漏れてしまう。
乳首なんか元々先輩としてた時だってそこまで触られなかったのに、楓がしつこく触るせいで性感帯に変わってしまった。
「ん゛………♡んん………んぅう゛……………ッ♡ふぅ………ッ♡」
ひくひくと腰が跳ねているのが自分でも分かる。いつのまにか両方の手でカリカリと引っ掻くのを楓は繰り返していて、ずくずくと腰に甘い快感が溜まっていくのが分かった。
やばい、気持ちいい。焦ったいのがたまんない。
ぎゅんぎゅん下腹部も熱くなって、それよりもっと気持ちいいのが欲しくてたまらなくなる。
自分の声が甘ったるく響いた。
情けない声を出す自分のことは、本当は好きじゃない。かわいいって言われるのだって好きじゃない。
だけど楓があんまりに嬉しそうな顔をするから、いつもいつも、悪くないのかもと思ってしまう。
「……夏樹、かわいいね」
「ばか……手離せってぇ」
すりすりと乳首を撫でていた楓が、突然ぎゅうっと摘み上げた。強い刺激に思わず声が漏れて、背中を反り返らせた。
昔、小学生の頃母親の勧めで体操を習っていた。その時の名残で俺は身体がめちゃくちゃ柔らかいから、結構わかりやすくぐいぐい背筋が反る。普通に恥ずかしくもあった。
「あ………っ、あぅ、んん゛………ッ♡」
「気持ちいいね、もっとしたい?」
「はぁ……っ、は……っ♡、あっ….うう゛……♡」
くにゅくにゅこりこり、楓が指で摘んですり潰すように捻る。
弄ばれるたび、腹の奥が疼いて熱くなった。
じわじわ追い詰めるような快感じゃもどかしい。じれったい。乳首を触られるのは気持ちいいけど、結局中途半端な刺激じゃ我慢できなくなってしまうから嫌だった。
太くて熱いので、ナカを思いっきり押し潰されて、もっと深い気持ちいいところをぐりぐり抉られるのを想像してしまう。
楓の首に腕を回して引き寄せてキスをする。
唇を舐めて舌を突っ込んで擦り合わせる。
俺的にはもういいから最後まで抱いてくれっていう合図のつもりだったんだけど、伝わっていないのか知ってて無視しているのか、楓はキスしながらぐにぐに乳首を弄る手を止めてくれない。
……本当に、それ弱いからやめてほしい。
どうにかなりそうな強い快感では無いけど、じわじわと追い詰められるともっと欲しくなる。息が荒くなって苦しい。楓に胸を押し付けるように身体がのけぞってガクガク震えた。
「はふ、ふーーっ♡……もー無理、乳首やめろ……っ♡」
「あは…苦しい?パンパンじゃん」
「んん゛ーー………………!!」
膝で股間をぐりぐり押され、自分のが思いっきり元気に勃ってることに気がついた。
「もーいいってぇ……もぉやだ、挿れろよ……っあ!?ぁああ……ッッ!!」
「えー……あとちょっと」
「あっ………あぅ、うう゛……ッッ!!」
四つん這いの姿勢で、楓に下半身を突き出して見せるようにして指を突っ込まれている。
楓はめちゃくちゃねちっこい。よく言えば丁寧なんだけど、まあねちっこくて後ろを解すにしてもなかなか離してくれなかった。
ナカに潜り込んだ長い指が、さっきからずっと前立腺を揉んだり押したりしつこく追い詰めてくる。性器で擦られるのとはまた違う、直接気持ちいいところだけを弄ばれる感覚は気持ち良いけど苦しくて、訳わかんないイき方をしてしまう。
とんとん、と叩くように前立腺を押し込まれる。
腹の奥まで快感が響いて、一気に性器に熱が集中するのが分かった。
イく、またイかされる。でもここで出してしまうとその後が絶対キツいから、必死に耐える。
「すーごい締まってる、とんとんされるの好き?」
「ち゛が………ッッ、あ゛、あ゛…………ッッ!!」
カクカク勝手に腰が揺れて、あっと思った頃には快感が弾けて射精していた。
どうにか耐えることができたようで、量はほんの少しだけだった。シーツにぽたっと垂れてシミになる。
「んぁ………むり、ほんとむり……、かえで、挿れてよぉ………」
「…………なつき可愛いね」
「そゆのいいから……………ぁ、……あぁああ゛…………ッッ!!♡♡」
楓も楓で限界だったんだと思う。四つん這いの姿勢のまますぐにずぷずぷ侵入してきた。
我慢していた分がすぐに弾けて、挿れられた瞬間思いっきり射精した。これじゃさっき我慢した意味ないじゃんと思ったけど、こればっかりはもう仕方ない。
大きくて熱いので気持ちいいところを擦られる。ぎゅうぎゅう圧迫されるとつま先まで痺れるくらい気持ちいい。……なんで楓は昨日の今日でこんなに硬いんだよ。どうなってんだ。
「これ……これやだ…………んぁあ゛……ッ!」
「…………なに、どうしたの」
「かお見たいぃ………あぅっ、あ゛………体勢かえる……」
楓が黙って抜いて、俺の身体をごろんと回した。
脚を高く持ち上げられる。結構楓は遠慮なく開かせたり持ち上げたりするから、身体柔らかくて良かったとこの時はいつも思う。
ギラついた目で真っ直ぐに見つめられる。正直たまらなかった。俺のこと欲しくてたまんないって顔されるのが好きだ。
「……好きにうごいてよ」
「………いつも好きにしてるよ」
「そぉじゃなくて…………ぁ、んあ゛ッッッ!!!」
遠慮無しに思いっきり突き立てられて、つい大きな声が出る。慌てて手で口を塞いだ。余裕のなさそうな顔をした楓が、荒っぽく腰を打ちつけてくる。
いつも好きに動いてた、なんて言っていたけど本当は奥をがつがつ突くのが好きだってことも何となく知っていた。
多分楓のってデカいし、さっきまでのじゃ全部入ってなかったと思うし。
ごちゅごちゅ音が聞こえてきそうなくらい、腹の奥を何度も突き上げられる。
苦しいくらいがちょうど良かった。腹の中が楓でいっぱいになるのが好きだ。腹を優しく撫でられると、本当に女の子にされたような気持ちになってしまって、快感で脳みそまで沸騰しそうになる。
「あ゛…………ッ♡ぅう゛、んん゛ーー………♡♡」
ふーふー荒い楓の息遣いが聞こえる。
夢中で俺のことを求めてるのがかわいいと思った。
指先でそっと噛み痕をなぞられて、ちくっとした痛みと共にぞくぞくと背筋が震えた。
「んぁ………♡なに、どしたの……」
「…けっこー、ちゃんと残るなって」
「………もっとつけたい?」
俺がそう言い終わってすぐ、夏樹が首筋に吸い付いてきた。ぎゅうっと抱え込まれて、噛まれた部分の近くをキツく吸い上げられる。
窮屈な体勢で逃げられないなと思ったらもっと興奮した。バチっとまた快感が弾ける。多分また軽くイったんだと思う。
姿勢が変わったせいで、楓のがもっと奥まで入り込んできた。
やばいと思った時にはもうぐちゅ、とすぼまってそうな所にねじ込まれていて、どっと身体が熱くなる。
「あ゛…………ッ!?♡♡ん゛あ゛、あ゛、あ゛ーーー………♡♡」
快感で頭が支配される。
絶対入ってきちゃダメなところなのに、楓がこじ開けて入ろうとしていた。
身体に勝手に力が入る。だめだ、本当にそこはだめだと思う。何回かされたことはあるけど、マジで、ほんと、だめなのに。
「………………ッッ、んぉ、お゛………………………………ッ゛ッ゛♡♡」
ぐぷっ、と一番奥を、楓が突き上げた。
すぼみを抜けた感覚が直接、脳みそをぶち抜く。
電流が走るくらいの強烈な快感が、身体中に駆け巡っていった。
腰がガクガク震えてる。無理やり押さえ込むように体重をかけられて、目の前がチカチカするくらい気持ちよくなった。
こんなの続けてたら絶対バカになる。
無理やり脳みその信号を気持ちいいだけに書き換えられてしまっていて、楓がほんの少し腰を動かすだけで死んじゃうくらい気持ちいい。
意識が飛びそうになって、楓に噛みつかれた微かな痛みで戻ってきた。
噛み付くようなキスをされて、舌がざらざら擦れるだけで気持ちよくてイった。
視界がぼやける。目頭が熱いから多分涙が出ている。
何度も好きだと囁かれて、そのまま楓が達した。
一層硬く膨れたそれでガツガツと奥を突かれながら射精されて、始めて俺はセックス中に意識を飛ばした。
どうにか意識を取り戻したのは、セックスが終わってから少ししてからだった。
腹の上がぽかぽか気持ちよくて目をやると、申し訳なさそうな顔をした楓が、あっためたタオルで俺の身体を拭いていた。
「あ、起きた?………マジでごめん、風呂いこ」
昨日の今日で下半身がガクガク震えて使いものにならない俺を、楓が抱えて浴室まで連れて行ってくれた。
体格差も身長差も無い男を、自分もしんどいセックス後に支えて最後まで世話を焼いてくれるなんて大したもんだなと感心した。
こいつ本当に、俺のことだけが大好きなんだ。
くすぐったい気持ちになって、楓の髪をくしゃくしゃ撫でた。
もう一回好きだって言おうとして、鏡に映った自分の身体が噛み痕とキスマだらけになっているのを見て絶句する。
「あー……その、ごめんっていうか、その……好きだからさ…………」
「…………なんか、俺が思ってたよりお前、重いんだね」
一回のセックスでここまで痕をつけてきた楓もおかしいけど、多分それを見てちょっと嬉しくてへらへら笑ってる俺もまあ、同じなんだろうなあと思った。
案外、というかめちゃくちゃお似合いだ。
そりゃそうか、ずっと前から一緒にいたんだし。
楓と目が合った。
笑ってる俺を見て表情が緩んでいてなんだかだらしない顔をしていた。
やっぱり可愛く見えてくる。ずっとこんなふうに2人でいられたらいいなと、ぬるい温度のシャワーを浴びながら思った。
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