【完結】振られてばかりの幼馴染を寝取って絶対に幸せにします

りちょ

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14話

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俺はと言えば、元々人と話すのも距離を埋めるのも得意だったから、まあ…それなりにモテた。
男女分け隔てなく仲良くなるタイプだったから女友達も多く、時々それが恋人に進展した。

でも、それなりにモテはするが、大体いつも浮気をされるか、最初から俺が浮気相手だったかの、どちらかだった。
俺にそんなつもりが無くても、どうやら雰囲気や話し方で軽く見られるみたいだった。

楓ほどじゃ無いにしろ俺だってマメな方なのに、なんでかいつも上手く行かない。
いつも振られて楓に泣きついて、その度に夏樹は見る目がないんじゃ無いの?と指摘されて、そんな事ないと意地を張った。

それで今度こそは長続きさせるぞと、大学で初めて付き合った女の子にはラグビー部と浮気された。

俺は色が白くて顔も童顔だった。
背の高さと声の低さくらいしか男性らしさの無いことが若干のコンプレックスだった俺は、今までで1番プライドが傷ついた。

笑えないくらい落ち込んでフラフラ楓の家に行った。そういう時に限って楓はたまたまゼミで旅行に行ってて、どうしようも無くなって普段あまり関わりがない、サークルの先輩の飲み会に無理に参加した。

酒を飲んだらグダグダになるのは分かっていたから飲まないつもりで参加したけど、まあ普通に流されるままベロベロになるまで酔って、散々な浮気をされたと愚痴って泣いた。

めちゃくちゃに泣いてハイペースで飲んでいたら、1人の初対面の先輩に可哀想だね、かわいいね、とやたらと絡まれていた。
それでお開きになったらその人に「家の方向同じだから送ってく」と言われてみんなと別れて、あれ、俺家教えたっけ?と思った頃には、俺はホテルに連れ込まれていた。

もちろん俺にそんな気は無かったし、その趣味も無い。
だけどあの時は酔いすぎていた。その上浮気事件の直後でメンタルもボロボロで、正常な判断なんかできかはなかった。
酔いすぎていて勃たないだろうし、まあ酷いことはされないだろうなと思った俺は、拒否するのも面倒臭くて先輩に好きにさせた。顎を持ち上げられてキスして良い?と聞かれた時に、俺はちゃんと頷いたのだった。

先輩は優しかった。
可愛いねと何度も言って頭も頬も撫でてくれて、キスだって愛撫だって俺が彼女にしてきたより何倍も丁寧だった。

後ろから抱き抱えられてローション塗れの手でぬちゃぬちゃと性器を扱かれた。
どこをどう触れば気持ち良くなるのか分かりきった手つきだった。
自分でする時よりも強い力で握られぐりぐりと亀頭を擦られて、そんな乱暴に扱った事なんか無かったから怖いと思ったはずなのに、すぐに気持ちよくなってしまってしまって俺は喉を反らせてよがっていた。
今日は絶対に勃たないと思っていたのに、強引にキスをされて手早く扱かれたらいつの間にか勃起していた。それどころかあっけなく先輩の手の中に射精していた。

その後のことはあまり覚えていないけれど、なりゆきで次も会う約束をしていたみたいで、「また再来週ね」と次の日先輩からチャットが届いていた。


次は昼から食事に誘われたので、酔いも覚めて浮気のショックからも回復した俺はこの前のことも謝って全部片付けようと思って会いに行った。 

駅で待ち合わせて、ちょっとおしゃれなカフェに行って、それからいくつかお店を回って先輩が俺に似合いそうって言って香水を買ってくれた。俺があれ、これもしかしてデート?と思った頃には、またホテルに連れ込まれていた。

そういう事するつもりは無いですと言ったものの、強引にキスをされて、シャワーを浴びながらぐちぐちと前を擦られた俺は素面なのに呆気なく勃起してしまって、また可愛い好きだと言われるうちに流された。

可愛がられて甘やかされて、快感を与えられるのは楽だった。
かっこよく、男らしく、スマートにって、そういう振る舞いをしなくて済むのはすごく楽で、ただただ気持ちよかった。

女の子のとは程遠い、可愛くない情けない喘ぎ声を漏らすたびに、先輩は喜んだ。
また手の中で射精してしまったらなんだがもう全部どうでも良くなってしまって、ろくに抵抗もせずにされるがまま身体を暴かせた。

初めて腹の中に男のそれを突き立てられた時のことは、今も鮮明に覚えてる。
痛くて、気持ち悪くて、熱かった。ずぷずぶ侵入されるのが怖くて泣いた。
潰れたカエルみたいな、苦しげな声を出す情けない姿を晒してボロボロ涙を流した。

それで先輩に優しく、…それはそれは優しい手つきで大丈夫だって頭を撫でられた時に、ギリギリ残っていた男としての矜持みたいなものが、崩れてしまった。

全部終わって着替えてから、今度は自分からまた会いたいと言った。
先輩は二つ返事で良いよと言って、明後日の夜にご飯に誘ってくれた。


「………付き合うんですか?俺たち」

「んー……清水くんは付き合いたい?」

「…………………………」


楓に言われた、見る目ないんじゃ無い?の一言が頭の中で再生された。俺は女運も無ければ、男運さえも無いみたいだった。



でも、それで関係を終わりにできるほど俺は強くなかった。
だからそれ以降も変わらず、先輩に呼び出されたり、俺が呼び出したりして遊んだ。変わらず、どころか頻度はどんどん高くなっていった。

やることと言えば、飯を食うこととセックスすることくらい。大体夜に会って、飯を食ってそのままホテルや先輩の家にいった。

人の身体はよく出来ているもので、何度もしているうちに俺の身体は受け入れる側の快感を覚え出してしまった。ずっと最中苦しかったのは初めの頃だけで、案外すぐに快感を拾えるようになった。そうなってからは、楽だった。
楽だったけど、楽なだけだった。


行く途中も、帰り道でも、1人になるたびに何してるんだろうと思って悩んだ。先輩と寝てその後帰るたび、自分が嫌になって消えたくなった。
やってる事はどうしようも無いくせして、セフレが欲しかったわけでもないから、割り切ることもできずに苦しかった。

それである日爆発して、自棄になって酒を抱えて楓の家にいって飲みまくった。
楓はいつも付き合ってくれるから居心地が良くてまた飲みすぎて、安い酒を開けているうちに、楓がなんだか色っぽく見えきてしまったのだ。

俺と違って楓は骨ががっしりしていて、細い癖に体が角張っているような印象がある。顎もシャープで、喉仏も違っていて、何より手がゴツゴツしていて男らしい色気があった。

表情を変えずに缶を煽っている姿になんとなく目が釘付けになってしまって、悔しくなってからかった。男に抱かれてるなんて本当は、楓には知られたくなかったけど、ベラベラ喋ってわざとおちょくった。


その結果が今に至るわけだ。


初対面の先輩にも流された俺は、楓に迫られたらもっと呆気なかった。
自棄になっていて、男と寝る事に対するハードルが著しく下がっていたタイミングだったせいもあって、もっと簡単に許してしまった。

ただ、多分楓は俺のこと好きだったんだろうなって、抱かれて分かった。
大切に丁寧に扱われた。楓は俺の反応を見ながら、俺が好きなことだけをしてくれた。

キスもセックスも、脳みそが溶けるほど良かった。
楓は俺を抱きながら、いつもまっすぐ見つめてきた。口じゃ何も言わなかったけど、思いっきり顔に好きって書いてあって、それが少し可愛かった。
それにずるずる甘えて、宙ぶらりんなまま楓に何も言わないまま抱かれ続けた。

今日初めて楓から好きだと言われて、目が覚めた気持ちになった。
自分は他人に対して誠実さを求めるくせに、何やってんだろうと思った。



ほとんど意識を飛ばすように、セックスのあとは眠ってしまう。
少ししてから楓に起こされて、ベタベタにこびりついた体液を落としに1人でシャワーに向かった。楓がついて来ようとしたが、一度考え事がしたくて適当に断った。

ざーーー、と温かいお湯を身体に被る。腹の上の体液が落ちていくところをぼんやり眺めて、まだぼやけている頭を落ち着かせた。


楓に、どこから話せば良いんだろう、と思った。


俺に浮気させる事にすら、楓は罪悪感を感じていた。そのくらい楓は俺を大切に扱った。

怖いくらい俺がして欲しい事だけを的確にやってのけたあいつだ。おそらく相当、俺のことが好きだったんだと思う。もしかしたら、ずっと前から。
それを俺が暴くまで、1ミリだって漏らさなかった。すごいやつだ。すごいけど、損なやつだとも思った。
器用なのに不器用なところがアンバランスで、楓らしい。


「…まあ全部言うしかないか」


呟いた独り言は、シャワーと一緒に排水溝に吸い込まれていった。

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