先輩のことが大大大好きな俺となんだかんだ全部許してくれる先輩

14話※

「んん、は…っ、なに急に…」

「わかるでしょ、あんたがいいって言ってんの。…ナカに出したい。いれたい。足りないよこんなんじゃ」

思いっきり肩を押すと、案外楽に黒崎を押し倒す事ができた。黒崎はまだ目を白黒させている。

「…え、は？綾瀬……」

お構いなしに部屋着のズボンを脱がせて、片足を捕まえてぐいっと持ち上げる。男同士でするところなんか見たことなかったけど知識はあった。どこを使うかは知っている。ていうか最近ちょっと調べた。

「ばっバカッ！おい！あ…ッ！！…ちょ、ぁ……！？」

転がっていたローションを手に取って、適当に手のひらに出して指先までベタベタにして、表面をぬるぬる撫でて濡らしていく。
ビクッと黒崎の身体が跳ねた。顔も、首筋まで真っ赤にして口をぱくぱくさせている。

「え……ぁ…、ほ、本気？ひっ」

「ちょー本気。…思ったより柔らかいね、ここ」

「ん、ぅあ……ッ！」

時々ぐいぐい押してみると案外するっと指くらいなら入りそうな気がして、ローションを足しつつ、つぷっと指を入れてみる。
全然いけるじゃん。ぐいぐい指を進めて中に塗り込むように指を動かした。

「ぁ……あ…っ！も、いいって、ぁ、じ、自分で………んくっ、っは……」

弱くて情けない声がかわいくって止まらなくなる。指を出し入れしているとどんどんほぐれて表面もふっくらしてきて、興奮しすぎて開きっぱなしになっていた口から唾液が垂れた。
もう一本の指を足しても、簡単ににゅるっと呑み込まれる。ローションも手伝ってとろとろになったナカが熱くって、指だけでも震えるくらい気持ちよかった。

「ぁ……っ、ぅあ……あ……」

「ねえ、ダメ？黒崎さんいれたい、いれちゃだめ？」

耳たぶを甘噛みして、耳元に唇を当てて甘えた声を出す。ダメ押しだ。一番黒崎が弱い方法で押した。ガチガチになった自分のをふやけたそこに押し付ける。
顔をじっと見た。さっきまで俺のことをどうやって止めようか悩んでた顔してたくせに、ちょっと甘えた声を出せばこうやってすぐに黒崎は仕方ないって顔をしてしまう。不安になるくらい俺に甘いけど、今はそれが嬉しかった。

「…………わかっ、た、いいよ、…ただそのかわり、ゆっくり……ぁ、ああ、あ"ッ！」

聞き切る前に、グッと腰を進めてナカにねじ込んだ。

ぬぷ、と俺のを咥え込んで行くところをじっと見てしまう。
ナカはめちゃくちゃ熱くって、とろっとろで、柔らかくてぎゅうぎゅう締めてきて、どうにかなっちゃうくらいには気持ちよかった。こんなの知っちゃったら、ダメになるなと思ったくらい。

黒崎はきっと痛いだろうし、本当は気を使いたかったがもうそんな余裕なんて無かった。かろうじてゆっくりゆっくり、それだけ意識して、ずぷぷ、と奥に奥に進む。

「あ"………ん、く、ぅう……っ」

「ごめ…痛い？ごめん、でも、無理かも…」

やっと全部入りきって、はーっと息を吐く。
1人でしてきた時より、オナホ使ってしてた時より、比べ物にならないほど気持ちいい。とろとろ絡みついてくるのがたまんない。ぞくぞくと快感が背筋を上っていくのがわかった。

黒崎は顔を腕で覆って、手の甲で口を塞いではくはく浅い呼吸をしている。
必死に息を整えて、声を抑えていた。こんな顔見たことない。俺に犯されてる時って、こんな可愛い顔するんだ。

「かわい…もー動くね、っは、ごめん、もう無理だ、ごめ…っ」

「ぅ…ん、んん、……っう、あ…っ！」

軽く腰を引いて、奥を優しくとんとん突いてみる。これだけで腰が砕けるほど気持ちいい。思いっきり腰を打ち付けたい衝動をおさえつつ、ゆっくり抜いてはまたにゅぷにゅぷゆっくり挿入を繰り返した。
黒崎の口から溢れる声が甘ったるくて色っぽくて、ちょっと気持ちよさそうで、それがすごく嬉しかった。

「はぁ…はっ、黒崎さん、黒崎さん…ッ、すき、大好き…ッ」

「んぅ……ぅ、っは、いいよ…」

「…なに、が」

「平気、いいから、…すきに動いて。大丈夫だから」

「………………………ばか」

ぷつっと、張り詰めていた糸が切れた気がした。腰を引いて、それから思いっきり腰を打ち付ける。あっと漏れた苦しそうな声も可愛くて、何度も何度も激しく奥を突くように腰を振った。

俺の動きに合わせて黒崎が小さく喘ぐ。それに堪らなく興奮する。顔を赤くして、目のふちに少しだけ涙を溜めて、だらしなく緩んだ口元から赤い舌が見えるのがたまんなくて、全部全部、腰に甘い快感として溜まっていく。

「あっ……ぁ、あやせ、あうっ、ん、……ッ！」

「はぁっ…出る、イく、黒崎さん、黒崎さん……ッ！」

顔を無理やり寄せてキスをした。舌を吸って絡めて、腰も気持ちいいように好きに振った。

のぼせている時と感覚が近い。少しずつ頭の中も目の前も白く霞んでいって、あっと思った時には黒崎のなかで思いっきり射精した。
ビクビク大きく性器が震えてるのがわかる。奥に擦り付けるように腰を押し付けて、精液を出し切った。


力尽きてそのまま黒崎の上に倒れ込む。全力で走った後のように体が重くて息が整わない。
同じように黒崎も息を切らしていて、それがすっごく愛おしくて笑いが込み上げてきた。

「…なに、笑ってんの」

「なんか、おかしくって…2人して、ぜーはーして」

「………はは、確かに…」

重たい身体を起こして、腰を引いて抜いた。
ん…と黒崎が掠れた声を出したときまたちょっとムラッと来たが、今日は疲れが勝った。
いつもに増してぐしゃぐしゃのベッドに、ぽたっと垂れた精液。溢れたローションでシーツが濡れている。なにより部屋の匂いがなんか重たい。甘ったるいような、独特の匂いが充満している。

「…………セックスしちゃった」

ぼそっと俺がつぶやくと、黒崎が吹き出した。

「……綾瀬、卒業したじゃん」