先輩のことが大大大好きな俺となんだかんだ全部許してくれる先輩

10話※

「黒崎さん」

「え…？は、バッ、ちょ……っ！」

また覆い被さって、今度は首筋にキスを落とす。
そのままゆっくり右手を下ろしていって、やわやわとハーフパンツの上からそこを揉んだ。まだふにゃふにゃだけどしっかり熱くて、指先が震えるくらい興奮する。

「黒崎さん、っ黒崎さん」

「バカっバカお前、ぅあ、ちょっと……！」

鎖骨までキスをしてから、そこに舌を這わせて首筋から耳の裏まで舐め上げる。声が裏返ったのが分かって、やっぱり耳好きなんだ、と分かって嬉しくなる。舌先でくすぐるように刺激して、またかぷっと甘噛みをすると手の中の性器が跳ねたのが分かった。
どうしよう。どうしよう、かわいい。
だんだん芯を持って硬くなり始めた性器を服の上から擦って刺激する。それから先端をくるくる円を描くように撫でると、黒崎の腰が跳ねた。

「アッ……！なあ、綾瀬、ちょっと待ってって…」

「かわいい、待てないかも、ごめんなさい」

「う……、何、シたいの…？」

少しずつ黒崎の息が上がっていっている。待ってとは言うけれど、俺の手を振り解いたりはしないで好きにさせてくれている。

本当にこの人が大好きだ。本当に本当に大好きだ。顔が熱くなって、泣きたくなるような気持ちになる。

「したい。したいです、俺」

「そっか………え、ぅわ、えっ？」

黒崎の股間をやわやわ揉んだまま、トレーナーを勢いよく捲り上げた。特にインナーも着ていなかったようで、素肌がすぐに見える。
空いている手で白い腹を撫でる。すべすべで気持ちいい。割れた腹筋がごく薄く見えているが、もうほとんど衰えていて触るとどこもぷよぷよしていた。
すりすりと撫でつつ少しずつ上に上に手を滑らせて、控えめにつんと立っている乳首を摘んで、優しく捏ね回してみる。
いつのまにか真っ赤な顔をしていた黒崎が慌てて手首を掴んで止めてきた。

「ま、待って、綾瀬、俺が抱くんじゃなくて？！」

「…………？」

一瞬何を言っているのか分からなくて、首を傾げてみせた。それより今は中断されたのが気に入らなくて、手がダメならと顔を寄せてもう片方の乳首を舐めて吸う。ぢゅうっと音を立てると黒崎が声を漏らした。

「違、ちがくて……、綾瀬っ、あっ」

「好きです黒崎さん、だいすき、本当にかわいい大好きです」

「俺、逆だと…、ばかっ、っちょ」

乳首を口に含んで、そのまま舌で転がす。性器に添えていた右手はゆるゆると服の上から撫でる動きを続ける。もうすっかりズボンの上から形がわかるようになってきた頃、先端がじんわり濡れていることに気がついて、ぐりぐりと撫でた。

その瞬間、黒崎が俺を強引に引き剥がす。

「待っ、え、俺のこと抱くつもりでいる？」

「…？はい」

「……マジかお前、ちょっと、待って。じゃあ今日はダメだよ！もうちょい時間…」

「なんで？……俺じゃダメ？俺じゃ不安？」

「そうじゃ、なくて……ああもうかわいいな！！そんな顔するなよ！ただちょっと、準備があるかなって……っひ、」

焦ったくなってまた黒崎の股間に手を伸ばした。
今度は緩いハーフパンツの裾から手を入れて、太ももを撫でる。あまり体毛が生えないタイプらしく、こっちもすべすべで気持ちいい。脚ももちもちしてるものだと思っていたが、意外としっかり筋肉があって硬い。内腿をやわやわ撫でて、そのまま性器のそばまで手を滑らせる。
足の付け根あたりの皮膚の薄いところに触れると、指先がじんと痺れるほど興奮した。

「黒崎さん、黒崎さん好き」

「は…、分かった、分かったから、ン」

顔を寄せてキスをした。
甘えるようにちゅ、ちゅ、と何度も唇を重ねて、緩んだ口元に舌を差し込んで吸う。

「無理、治んない。好きです、好き」

「んむ、……….うう、も、バカ」

くしゃくしゃと柔らかく頭を撫でられた。
お礼を言った時とか謝った時とか、いいよって言う代わりに黒崎はよくこうやって俺の頭を撫でる。
それと、この人は意外と押しに弱い。　

「…抜いてあげるから、だからそれで勘弁して」




2人分の荒い息が響く。ときどき控えめにくちゅくちゅと水音が聞こえて、耳のすぐ近くで心臓がバクバク鳴った。
俺が上に覆い被さったまま、腰を密着させて性器同士をくっつけて2人でお互いに扱いている。擦れ合うたびに黒崎のそれの熱もかたさも分かってしまって、興奮でずっと頭がくらくらしている。

ときどき唇をかみながら俺を見る黒崎の目が熱っぽくて、こんな蕩けた顔なんか見たことがなくて、かわいくってたまらなくなる。
とろとろ溢れ出している黒崎の先走りを拭って、先端をくちくち撫でると、裏返った高い声が漏れた。夢中になって黒崎のそれを扱いて、裏筋も雁首も先端も反応が良いところは全部ぬるぬる触った。

「……は、も、だめ、ぅあっ」

切羽詰まった声でそういって、黒崎が片方の手を俺の背中に回してぎゅっと服にしがみつく。身体が全部密着して、黒崎の匂いが強くなった。

「……黒崎さん俺もう出る」

腰が震えるほど気持ちよくて、自分の限界が近いことが分かった。一緒に気持ちよくなって欲しくて根本から強く黒崎のそれを擦ると、腰が跳ねる。
顔を上げて黒崎と目を合わせる。鼻先が触れ合うほどの距離でじっと見つめると、ぐっと後頭部を押さえられてそのままキスされた。すぐに舌が割り入ってきて、絡め取られて吸われる。何度も角度を変えて深いキスをされ、ガチガチに反り上がったそれを強く扱かれ、頭がぼーっとして何も考えられなくなる。

「は…、出る、イく、イク…ッ」

「ぅ、んん、…っ、ア………っ！」

ビクビクと性器が震え、そのまま射精した。黒崎の腹の上にびゅくびゅく精液が飛び散る。
同じようなタイミングで黒崎も達したようで、日焼けしていない白い腹は2人分の精液でべっとり汚れていた。

働かない頭で、部屋着を捲っておいてあげて良かったなとぼんやり考えた。





「なんか悪いことした後みたいです」

狭い浴室で2人でシャワーを浴びて、汗かいて気持ち悪いからと言って黒崎は部屋着を変えて、それからまた2人で並んでベッドに入った。
もうすでに少しうつらうつらとしていた黒崎が、なんで、と相槌を打って笑う。

「だって…黒崎さん、こういうことしたかったの？」

「なに、無理やりだったって思ってんの？」

「うん………、なんで笑うの」

ふふ、と小さく笑う声が聞こえて、本当は少し安心しつつそう言った。ごろっと黒崎が寝返りを打ってこっちを向く。手を伸ばして、目にかかった俺の前髪をよかした。

「…嫌だったら、突き飛ばして怒ったよ。俺そんなに弱くないし」

「じゃあまたしてもいい？」

「………うん、いいよ」

ちょっとだけ赤くなった黒崎がそう言って、眠たそうにゆっくり瞬きをする。アラームだけ掛けといて、先起きたら俺のことも起こしてねと舌ったらずにつぶやいて、その後すぐに黒崎は眠ってしまった。
しばらくほっぺたをふにふに触って遊んで、それから満足して俺も目を閉じた。