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二人を置いて進む結婚という罰
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ユウナは念には念を押して、ノアと共に書類をじっくりと確認する。
婚約解消自体はすでに口頭にて解消が決定していたが、互いの行き違いを防ぐためにも書面にして残しておく必要がある。
その内容がきちんと取り決めされているか、ユウナは書類をあらかじめ確認してはいたが、ガゼルのサインに不備がないかなど、改めてじっくりと目を通す。
自分の将来にも関わることなので、誰より真剣だ。
まあ、シスコンのノアも必死さで言えば負けていない。
大事な大事な妹にまつわることなので、目を血走らせながら何度となく確認している。
そばではジュード達の話題に移り変わっていたが、ユウナは正直いうとあまり――いや、まったく興味はなかった。
解消されさえすればジュードとは赤の他人である。
誰と結婚しようがしまいがどうでもいいので、ユウナはBGMのように話題を耳にしているだけだった。
だからこそ、ジュードがすがるような目を向けてきているのに気がついていても、無視を貫いた。
もともと婚約するまでは交流すらなかった間柄だったのだから、今さらこっち見んな! と内心うんざりしていても、視線を向けることはない。
そんなことをして話しかけたら鬱陶しいだけである。
ノアもユウナの意思を理解しているので、わざわざジュードのことをユウナに伝えたりはしなかった。
そんな中で声を上げたのはアリアだ。
「お父様! やっぱりジュードと結婚するのは難しいと思うの」
「なにを言っているんだ、アリア?」
まったくだと思いながら、ユウナは書類からは目を離さない。
「だって、このままだと私は平民になっちゃうでしょ? ジュードは跡取りですらないし、お父様だってそんな相手に私を嫁がせるのは心配じゃない? ほら、私は体が丈夫じゃないから……」
弱々しく訴えかけるアリアだが、その声には必死さがにじんでいる。
ユウナですら気がつくのだ。
貴族社会の海千山千を生き抜いた伯爵の祖父が気づかぬはずはなく、ユウナの祖父は冷めた目を向けている。
アリアの父親である男爵は、深いため息を吐いた。
確かに男爵にとってはかわいい一人娘であろう。
病弱だったことも相まって、多少の我が儘は笑って受け入れていたようだが、だからこそ男爵の罪はある。
「アリア、いいかげんにしないか。確かに私個人としてはお前のこれからが心配でならないが、それでもジュード君を選んだのはお前だろう? そのためにこれだけ周囲を整えてくださったシャロン嬢と伯爵に、その発言は失礼ではないか。今さら嫌だなどと、子供のような我が儘が通る年齢ではないのだと自覚しなさい」
真剣な眼差しで窘める男爵の声は決して荒らげていなかったが、厳しさは伝わっていた。
「お、お父様」
これまで口にした我が儘はほとんど叶えられたからだろう。
父親が味方になると信じて疑っていなかったようだが、伯爵という高位の貴族を巻き込んだ上に、社交界でも噂になっている以上、やっぱりやめたでは済まない。
男爵はユウナ達に頭を下げた。
ユウナもノアも平民ではあるが、このままいけばユウナが伯爵を継ぐことになる。
今は平民だからといって、下に見ていい相手ではなかった。
ノアもまた、国一番の商会の跡取り。
そこいらの貴族より財力があるのだ。
シャロン商会と取引を中止されて困るのは、どちらかというと貴族の方だろう。
「娘が失礼いたしました。伯爵ならびにシャロン家の方々にご迷惑とご配慮いただきながら、状況を理解できていない娘を育てた私の責任です」
「気にしないでくれ、と言いたいところだが、今後君の娘が私の孫達と関わらないというなら許すとしよう。ユウナも、元婚約者である彼と君の娘の仲は応援しているからな」
そう言って、ユウナの祖父はジュードを一瞥する。
「ありがとうございます」
大人の話し合いに、アリアとジュードは置いてけぼり。
そして、もう一人の大人であるガゼルは貴族の勘気に触れないように身を縮めているだけだ。
ジュードとアリアに味方する者はいない。
「さて、ではさっさと済ませてくれるかね」
上位の貴族らしく子爵を前に堂々たる態度のユウナの祖父の言葉を聞き、男爵が頷く。
そして、書類をジュードの前に出した。
「婚姻届だ。君の名前を書いてくれ」
「ちょ、ちょっと待ってくださいっ。急にそんな……」
婚姻届というものを目の前にしてようやく現実を知ったように慌て出すジュードに、なにを今さらとユウナは不快そうに目を細める。
「アリアと関係を持っていながら、今さら嫌だと言うのか?」
男爵から発せられる圧にたじろぐジュードは恐る恐るペンを手に取った。
ここで負けまいと毅然とした態度でいられるなら将来有望かもしれないという一縷の望みがあるが、ジュードは一睨みで怖じけずいてしまった。
貴族との取引もある商会に深く関わっていける器量でないのは、その一瞬で理解させられ、男爵は小さく息を吐いている。
その様子を見たユウナは少し憐れむが、アリアをきちんと管理していなかった男爵の責任でもある。
しかし、その責任を一番身にしみているのは男爵本人であろう。
緊張故か、怖さ故か、震えた線で書いたジュードの名前を確認した男爵が、今度はアリアの前に置く。
「名前を書きなさい、アリア」
「で、でも、お父様……」
不安に彩られた表情で父親の顔色をうかがうが、男爵は甘えを許さぬ厳しいまなざしでアリアを見ていた。
「なにをしているんだ。早く書きなさい」
「っつ……」
アリアはゆっくりとした動作でペンを取り名前を書いていく。
それを焦れったく感じながら待つユウナは、横から聞こえてきた「早く書け。今さら逃げんじゃねぇぞ」という、世にも恐ろしい呟きに背筋が凍った。
顔はニコニコと笑い、まるで新たな二人の門出をお祝いしているかのような快い雰囲気を発しているからなおさら怖い。
幸い他に聞こえていた者はいなかったが、この兄だけは敵にするまいと、ユウナが心に誓った瞬間である。
そうして結ばれた結婚という契約を記した書類を確認したユウナの祖父は、それを持って立ち上がる。
ユウナとノアも一歩遅れて席を立った。
「では、これは私の方で提出しておこう。即日に受領されるはずだ」
普通、なんの繋がりもない庶民だと、結婚の届け出をしても、認められるまでに一週間以上はかかる。
だが、伯爵ともなるといろいろな手順をすっ飛ばしてすぐに受領させられる。
婚約解消だけでは心配で、即刻二人を結婚させておきたいユウナとしてはありがたい限りだ。
「ありがとうございます、伯爵様」
「娘がご迷惑をおかけいたしました」
ガゼルと男爵が椅子から立ち、それぞれ頭を下げた。
しかし、ジュードとアリアは椅子に座ったまま、顔色を悪くしている。
上位の貴族相手に無礼すぎる態度だが、いろいろとショックが大きいのだろう。
ユウナもユウナの祖父も、特に咎めはしなかった。
けれど最後に……。
「大好きな人と結ばれてよかったわね。ジュード、アリアさん、おめでとう」
クスリと微笑んでからユウナは部屋を出た。
「ねぇ、兄様。私悪役っぽくなかったですか? 物語でいうラスボス的な」
楽しそうに笑いながらノアに問いかけると、ノアもクスクスと笑った。
「こんなにかわいらしい悪役なら、むしろ聖女として祭り上げられてしまうよ」
「さすがにそれは兄バカが過ぎますよ」
「いや、ユウナは本当のラスボスを知らないだけだよ。本物は本当に本物なんだから……ははっ」
まったく言葉の意味が分からない。
遠い目をして渇いた笑い声を上げるノアに、ユウナは首をかしげた。
「なんにせよ、こっちの問題は片付いたようでよかったよ」
「え? 他になにか問題なんてありましたか?」
思いつかないユウナは疑問符を浮かべる。
そのノアの言葉の意味を理解したのは家に帰ってからだった。
婚約解消自体はすでに口頭にて解消が決定していたが、互いの行き違いを防ぐためにも書面にして残しておく必要がある。
その内容がきちんと取り決めされているか、ユウナは書類をあらかじめ確認してはいたが、ガゼルのサインに不備がないかなど、改めてじっくりと目を通す。
自分の将来にも関わることなので、誰より真剣だ。
まあ、シスコンのノアも必死さで言えば負けていない。
大事な大事な妹にまつわることなので、目を血走らせながら何度となく確認している。
そばではジュード達の話題に移り変わっていたが、ユウナは正直いうとあまり――いや、まったく興味はなかった。
解消されさえすればジュードとは赤の他人である。
誰と結婚しようがしまいがどうでもいいので、ユウナはBGMのように話題を耳にしているだけだった。
だからこそ、ジュードがすがるような目を向けてきているのに気がついていても、無視を貫いた。
もともと婚約するまでは交流すらなかった間柄だったのだから、今さらこっち見んな! と内心うんざりしていても、視線を向けることはない。
そんなことをして話しかけたら鬱陶しいだけである。
ノアもユウナの意思を理解しているので、わざわざジュードのことをユウナに伝えたりはしなかった。
そんな中で声を上げたのはアリアだ。
「お父様! やっぱりジュードと結婚するのは難しいと思うの」
「なにを言っているんだ、アリア?」
まったくだと思いながら、ユウナは書類からは目を離さない。
「だって、このままだと私は平民になっちゃうでしょ? ジュードは跡取りですらないし、お父様だってそんな相手に私を嫁がせるのは心配じゃない? ほら、私は体が丈夫じゃないから……」
弱々しく訴えかけるアリアだが、その声には必死さがにじんでいる。
ユウナですら気がつくのだ。
貴族社会の海千山千を生き抜いた伯爵の祖父が気づかぬはずはなく、ユウナの祖父は冷めた目を向けている。
アリアの父親である男爵は、深いため息を吐いた。
確かに男爵にとってはかわいい一人娘であろう。
病弱だったことも相まって、多少の我が儘は笑って受け入れていたようだが、だからこそ男爵の罪はある。
「アリア、いいかげんにしないか。確かに私個人としてはお前のこれからが心配でならないが、それでもジュード君を選んだのはお前だろう? そのためにこれだけ周囲を整えてくださったシャロン嬢と伯爵に、その発言は失礼ではないか。今さら嫌だなどと、子供のような我が儘が通る年齢ではないのだと自覚しなさい」
真剣な眼差しで窘める男爵の声は決して荒らげていなかったが、厳しさは伝わっていた。
「お、お父様」
これまで口にした我が儘はほとんど叶えられたからだろう。
父親が味方になると信じて疑っていなかったようだが、伯爵という高位の貴族を巻き込んだ上に、社交界でも噂になっている以上、やっぱりやめたでは済まない。
男爵はユウナ達に頭を下げた。
ユウナもノアも平民ではあるが、このままいけばユウナが伯爵を継ぐことになる。
今は平民だからといって、下に見ていい相手ではなかった。
ノアもまた、国一番の商会の跡取り。
そこいらの貴族より財力があるのだ。
シャロン商会と取引を中止されて困るのは、どちらかというと貴族の方だろう。
「娘が失礼いたしました。伯爵ならびにシャロン家の方々にご迷惑とご配慮いただきながら、状況を理解できていない娘を育てた私の責任です」
「気にしないでくれ、と言いたいところだが、今後君の娘が私の孫達と関わらないというなら許すとしよう。ユウナも、元婚約者である彼と君の娘の仲は応援しているからな」
そう言って、ユウナの祖父はジュードを一瞥する。
「ありがとうございます」
大人の話し合いに、アリアとジュードは置いてけぼり。
そして、もう一人の大人であるガゼルは貴族の勘気に触れないように身を縮めているだけだ。
ジュードとアリアに味方する者はいない。
「さて、ではさっさと済ませてくれるかね」
上位の貴族らしく子爵を前に堂々たる態度のユウナの祖父の言葉を聞き、男爵が頷く。
そして、書類をジュードの前に出した。
「婚姻届だ。君の名前を書いてくれ」
「ちょ、ちょっと待ってくださいっ。急にそんな……」
婚姻届というものを目の前にしてようやく現実を知ったように慌て出すジュードに、なにを今さらとユウナは不快そうに目を細める。
「アリアと関係を持っていながら、今さら嫌だと言うのか?」
男爵から発せられる圧にたじろぐジュードは恐る恐るペンを手に取った。
ここで負けまいと毅然とした態度でいられるなら将来有望かもしれないという一縷の望みがあるが、ジュードは一睨みで怖じけずいてしまった。
貴族との取引もある商会に深く関わっていける器量でないのは、その一瞬で理解させられ、男爵は小さく息を吐いている。
その様子を見たユウナは少し憐れむが、アリアをきちんと管理していなかった男爵の責任でもある。
しかし、その責任を一番身にしみているのは男爵本人であろう。
緊張故か、怖さ故か、震えた線で書いたジュードの名前を確認した男爵が、今度はアリアの前に置く。
「名前を書きなさい、アリア」
「で、でも、お父様……」
不安に彩られた表情で父親の顔色をうかがうが、男爵は甘えを許さぬ厳しいまなざしでアリアを見ていた。
「なにをしているんだ。早く書きなさい」
「っつ……」
アリアはゆっくりとした動作でペンを取り名前を書いていく。
それを焦れったく感じながら待つユウナは、横から聞こえてきた「早く書け。今さら逃げんじゃねぇぞ」という、世にも恐ろしい呟きに背筋が凍った。
顔はニコニコと笑い、まるで新たな二人の門出をお祝いしているかのような快い雰囲気を発しているからなおさら怖い。
幸い他に聞こえていた者はいなかったが、この兄だけは敵にするまいと、ユウナが心に誓った瞬間である。
そうして結ばれた結婚という契約を記した書類を確認したユウナの祖父は、それを持って立ち上がる。
ユウナとノアも一歩遅れて席を立った。
「では、これは私の方で提出しておこう。即日に受領されるはずだ」
普通、なんの繋がりもない庶民だと、結婚の届け出をしても、認められるまでに一週間以上はかかる。
だが、伯爵ともなるといろいろな手順をすっ飛ばしてすぐに受領させられる。
婚約解消だけでは心配で、即刻二人を結婚させておきたいユウナとしてはありがたい限りだ。
「ありがとうございます、伯爵様」
「娘がご迷惑をおかけいたしました」
ガゼルと男爵が椅子から立ち、それぞれ頭を下げた。
しかし、ジュードとアリアは椅子に座ったまま、顔色を悪くしている。
上位の貴族相手に無礼すぎる態度だが、いろいろとショックが大きいのだろう。
ユウナもユウナの祖父も、特に咎めはしなかった。
けれど最後に……。
「大好きな人と結ばれてよかったわね。ジュード、アリアさん、おめでとう」
クスリと微笑んでからユウナは部屋を出た。
「ねぇ、兄様。私悪役っぽくなかったですか? 物語でいうラスボス的な」
楽しそうに笑いながらノアに問いかけると、ノアもクスクスと笑った。
「こんなにかわいらしい悪役なら、むしろ聖女として祭り上げられてしまうよ」
「さすがにそれは兄バカが過ぎますよ」
「いや、ユウナは本当のラスボスを知らないだけだよ。本物は本当に本物なんだから……ははっ」
まったく言葉の意味が分からない。
遠い目をして渇いた笑い声を上げるノアに、ユウナは首をかしげた。
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