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第二章
第34話
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「もぅ、ルーチェ様じゃなくてルーチェでいいのに。」
「…そうですか?なんか、様つけてしまうのですよね。ルーチェがすごいからでしょうか。」
「全くシェリアは褒めるのが上手ね。足は、開きすぎると腰に隙ができるから気をつけて。」
「はい!あ、そうだ。お父様がルーチェさえ良ければ剣を交えて欲しいと言っていましたよ。」
「わかったわ。シェリアは、伯爵様との勝負を見るか休むかしておいてくれると助かるわ。」
「伯爵様、私との剣術の勝負、付き合ってくださいますか?」
と言って、ルーチェは伯爵に木刀を渡した。
「公女様から勝負のお誘い、断るはずないでしょう。むしろ、私がお願いしようと思っておりました。」
と、伯爵が言った。
「それなら良かったです。」
2人は、剣を構え準備をした。
「お先にどうぞ。」
と、ルーチェが言うと伯爵が動き出した。
(さすが第1騎士団副団長ね…。無駄な動きどころか隙もほとんどない。)
と、ルーチェは素早く背後にまわった。
(ひとつ残念なのは、背後にまわられた時の反応速度が遅いことね…。)
ルーチェは剣を勢いよく振り下ろし伯爵の木刀を飛ばした。
勝敗が着くと、伯爵が
「今まで公女様の実力を知らなかったので、チュトラリーの後継者と知った時は正直あまりよく思っていませんでしたが、今日、公女様がこんなにもお優しい方で、こんなにも素晴らしい剣術を身につけていらっしゃるとしれて良かったです。でなければ、あの噂を鵜呑みにするところでした…。」
と、少し申し訳なさそうに言った。
「…噂…?」
と、なんのことか分からずルーチェが聞き返した。
「ご存知ないですか?公女様は地位や権力を都合の良いように使っていると噂になっていました。だからシェリアと公女様が仲がいいと聞いた時はとても驚きましたし、とても不安でした。」
と、伯爵が言った。
「そんな噂が…。全く知りませんでした…。私が言って説得力があるか分かりませんが、私はいざとなれば、陛下、帝国のためにこの命を捧げるつもりです。」
と、ルーチェは、まっすぐ伯爵を見て答えた。
「さすがチュトラリー公爵家の後継者ですね。」
この言葉にルーチェは酷く驚いた。
「ご存知だったのですか?!」
「もちろんです。かなり有名ですからね。」
「有名…、知れ渡るのはかなりはやいですね。」
「序列一位のチュトラリー公爵家の後継者ですよ?皆が関心を持つのも当然ですよ。」
すると、伯爵は
「どんな噂が流れようと、私ジェンド・フロー二ーは公女様をお支えします。ジェンド・フロー二ーの名に懸けて。」
「ありがとうございます。そう言っていただけてとても心強いです。」
「ルーチェそろそろ帰る時間ですよ。」
と、シェリアが声をかけた。
「本当ね。時間が過ぎるのはあっという間ね。」
「外まで送るわ。」
と、シェリアが上着を羽織って言った。
「ありがとう。」
「今日は来てくれてありがとう。凄く楽しかったわ。」
「わたしもよ。良かったら今度公爵邸にもいらして。シェリアならいつでも大歓迎よ。今日は、素敵な時間をありがとう。」
と、ルーチェが言って、馬車に乗った。
空が赤色に染まっていた。
「…そうですか?なんか、様つけてしまうのですよね。ルーチェがすごいからでしょうか。」
「全くシェリアは褒めるのが上手ね。足は、開きすぎると腰に隙ができるから気をつけて。」
「はい!あ、そうだ。お父様がルーチェさえ良ければ剣を交えて欲しいと言っていましたよ。」
「わかったわ。シェリアは、伯爵様との勝負を見るか休むかしておいてくれると助かるわ。」
「伯爵様、私との剣術の勝負、付き合ってくださいますか?」
と言って、ルーチェは伯爵に木刀を渡した。
「公女様から勝負のお誘い、断るはずないでしょう。むしろ、私がお願いしようと思っておりました。」
と、伯爵が言った。
「それなら良かったです。」
2人は、剣を構え準備をした。
「お先にどうぞ。」
と、ルーチェが言うと伯爵が動き出した。
(さすが第1騎士団副団長ね…。無駄な動きどころか隙もほとんどない。)
と、ルーチェは素早く背後にまわった。
(ひとつ残念なのは、背後にまわられた時の反応速度が遅いことね…。)
ルーチェは剣を勢いよく振り下ろし伯爵の木刀を飛ばした。
勝敗が着くと、伯爵が
「今まで公女様の実力を知らなかったので、チュトラリーの後継者と知った時は正直あまりよく思っていませんでしたが、今日、公女様がこんなにもお優しい方で、こんなにも素晴らしい剣術を身につけていらっしゃるとしれて良かったです。でなければ、あの噂を鵜呑みにするところでした…。」
と、少し申し訳なさそうに言った。
「…噂…?」
と、なんのことか分からずルーチェが聞き返した。
「ご存知ないですか?公女様は地位や権力を都合の良いように使っていると噂になっていました。だからシェリアと公女様が仲がいいと聞いた時はとても驚きましたし、とても不安でした。」
と、伯爵が言った。
「そんな噂が…。全く知りませんでした…。私が言って説得力があるか分かりませんが、私はいざとなれば、陛下、帝国のためにこの命を捧げるつもりです。」
と、ルーチェは、まっすぐ伯爵を見て答えた。
「さすがチュトラリー公爵家の後継者ですね。」
この言葉にルーチェは酷く驚いた。
「ご存知だったのですか?!」
「もちろんです。かなり有名ですからね。」
「有名…、知れ渡るのはかなりはやいですね。」
「序列一位のチュトラリー公爵家の後継者ですよ?皆が関心を持つのも当然ですよ。」
すると、伯爵は
「どんな噂が流れようと、私ジェンド・フロー二ーは公女様をお支えします。ジェンド・フロー二ーの名に懸けて。」
「ありがとうございます。そう言っていただけてとても心強いです。」
「ルーチェそろそろ帰る時間ですよ。」
と、シェリアが声をかけた。
「本当ね。時間が過ぎるのはあっという間ね。」
「外まで送るわ。」
と、シェリアが上着を羽織って言った。
「ありがとう。」
「今日は来てくれてありがとう。凄く楽しかったわ。」
「わたしもよ。良かったら今度公爵邸にもいらして。シェリアならいつでも大歓迎よ。今日は、素敵な時間をありがとう。」
と、ルーチェが言って、馬車に乗った。
空が赤色に染まっていた。
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