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第一章
第3話
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ルーチェは、生き残るための最善策であろう剣術を父に教えてもらうために、父の部屋に行った。
「お父様…。」
「ルーチェか、入りなさい。」
ルーチェは父に剣術を習いたいということや、その経緯を話した。
「つまり、自分を守るために剣術を身につけたいと…?」
(ごめんなさいパパ…。まだ本当の理由は言えないわ…。)
「うん。」
(まさか、お父様と話す時に敬語を使うなと言われるとは思わなかったわ。それに、お父様ではなくパパと呼べって…。一体どうしちゃったのよ!)
「剣術を身につけることは簡単なことでは無い。それに我が家門の剣術は…。それに危険だ。」
(ソードマスターが使うように作られた剣術って言いたいのでしょう?)
「この家門の剣術が危険なのは知ってる。それも含めて覚悟してるから…。」
「…そうか。分かった、いいだろう。」
(嘘…、そんな簡単に許してもらえるとは思わなかった…。)
「ありがとうパパ!」
ルーチェは元気よくこたえた。
(剣術の心配はこれで大丈夫。あとは他の貴族のこととかをもっと知らないと大変なことになるわ。)
「えっと…、貴族は貴族派と皇帝派がいて、私を殺したのは貴族派の男爵、…誰だったっけ…。貴族派の要注意人物はウィジェリア侯爵。で、序列は5位。そういえば序列って今はどうなっているのかしら…。」
序列は、帝国内での権力と、地位、財力の順位だ。
(序列1位はチュトラリー家で、2位、3位は騎士団の家門が並んでいて…、4位は…、お母様の家門か…。まぁ、侯爵よりも順位は高いけど…。何としても皇太子殿下との婚約は避けないと!)
そうして、帝国のことを勉強しているうちに一日が終わった。
日にちが変わり、風の音で目を覚ますと、まだサナは来ていなかった。
(先に準備を済ませておこう。)
と、ルーチェは髪のセット以外の準備を終わらせた。
“コンコン”
「お嬢様、サナです。朝の準備のお手伝いに参りました。」
「おはようサナ、入って。」
「お嬢様…。」
サナは着替えなどを済ませたルーチェを見て驚いた様子だった。
「ちょっとはやく起きちゃって…、髪だけお願い。」
「お任せ下さい!」
「ここら辺で1つに結んで、前髪はいつも通り左右に分けて、」
「はい!」
と言うと、サナは言われた通りに髪を整えた。
「出来ました!」
「わぁ!ありがとう。」
(髪結んでも可愛いじゃん!)
ルーチェは食事をしに、1階へ向かった。ルーチェが中に入ると、既に公爵は座っていた。
「パパ遅れてごめんなさい。」
とルーチェが申し訳なさそうに言うと、
「私がはやく来すぎてしまったようだ。」
と公爵は答えた。
(どうしちゃったのよ…私を庇うなんて!絶対そんなことするような人じゃなかったわ!)
「その髪型似合っているな…。」
と言った後に、公爵は
「まるで、リュミエールを見ているようだ。」
とボソっと言った。その声はルーチェには届かなかった。誰かを思い出すような表情をして。
(髪型が似合っている!パパほんとにどうしたのよ!でも嬉しい。)
「パパにそう言えてもらえて嬉しい。この髪型ははじめてだから似合っているか不安だったけど、よかった!」
とルーチェは嬉しそうに言った。
「剣術は今日からだったよな?」
「うん!」
「お父様…。」
「ルーチェか、入りなさい。」
ルーチェは父に剣術を習いたいということや、その経緯を話した。
「つまり、自分を守るために剣術を身につけたいと…?」
(ごめんなさいパパ…。まだ本当の理由は言えないわ…。)
「うん。」
(まさか、お父様と話す時に敬語を使うなと言われるとは思わなかったわ。それに、お父様ではなくパパと呼べって…。一体どうしちゃったのよ!)
「剣術を身につけることは簡単なことでは無い。それに我が家門の剣術は…。それに危険だ。」
(ソードマスターが使うように作られた剣術って言いたいのでしょう?)
「この家門の剣術が危険なのは知ってる。それも含めて覚悟してるから…。」
「…そうか。分かった、いいだろう。」
(嘘…、そんな簡単に許してもらえるとは思わなかった…。)
「ありがとうパパ!」
ルーチェは元気よくこたえた。
(剣術の心配はこれで大丈夫。あとは他の貴族のこととかをもっと知らないと大変なことになるわ。)
「えっと…、貴族は貴族派と皇帝派がいて、私を殺したのは貴族派の男爵、…誰だったっけ…。貴族派の要注意人物はウィジェリア侯爵。で、序列は5位。そういえば序列って今はどうなっているのかしら…。」
序列は、帝国内での権力と、地位、財力の順位だ。
(序列1位はチュトラリー家で、2位、3位は騎士団の家門が並んでいて…、4位は…、お母様の家門か…。まぁ、侯爵よりも順位は高いけど…。何としても皇太子殿下との婚約は避けないと!)
そうして、帝国のことを勉強しているうちに一日が終わった。
日にちが変わり、風の音で目を覚ますと、まだサナは来ていなかった。
(先に準備を済ませておこう。)
と、ルーチェは髪のセット以外の準備を終わらせた。
“コンコン”
「お嬢様、サナです。朝の準備のお手伝いに参りました。」
「おはようサナ、入って。」
「お嬢様…。」
サナは着替えなどを済ませたルーチェを見て驚いた様子だった。
「ちょっとはやく起きちゃって…、髪だけお願い。」
「お任せ下さい!」
「ここら辺で1つに結んで、前髪はいつも通り左右に分けて、」
「はい!」
と言うと、サナは言われた通りに髪を整えた。
「出来ました!」
「わぁ!ありがとう。」
(髪結んでも可愛いじゃん!)
ルーチェは食事をしに、1階へ向かった。ルーチェが中に入ると、既に公爵は座っていた。
「パパ遅れてごめんなさい。」
とルーチェが申し訳なさそうに言うと、
「私がはやく来すぎてしまったようだ。」
と公爵は答えた。
(どうしちゃったのよ…私を庇うなんて!絶対そんなことするような人じゃなかったわ!)
「その髪型似合っているな…。」
と言った後に、公爵は
「まるで、リュミエールを見ているようだ。」
とボソっと言った。その声はルーチェには届かなかった。誰かを思い出すような表情をして。
(髪型が似合っている!パパほんとにどうしたのよ!でも嬉しい。)
「パパにそう言えてもらえて嬉しい。この髪型ははじめてだから似合っているか不安だったけど、よかった!」
とルーチェは嬉しそうに言った。
「剣術は今日からだったよな?」
「うん!」
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