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夫婦のはじまり
26歳と40歳 と4歳
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「うう…」
昨日も散々舐めまわされて気だるい身体を持ち上げる。
結構9年目だと言うのに、彼は恐ろしいほど愛情が冷めない。むしろ増してる気すらする。
シュヤンは言うと、水でも飲みに行ってるのかベッドにいなかった。
マリアは再び眠ろうと横になったところで、扉がギィと開く。
「ママ」
4歳になる娘、アリスだ。
アリスはてこてことやってくるとぎゅうとマリアに抱きついた。
「おはようアリスちゃん、早いのね。目が覚めたの?」
そう尋ねるとこくんと頷いた。
「ねえねえ、ママはパパのどこがすきなの?」
藪から棒に、そんなことを尋ねてきた。
「えっ?
…。んー?パパに聞いてきてって言われたの?」
「うんん、こんごおヨメさんになるときにさんこうにするの」
マリアは空中を見上げ、シュヤンのことを思い浮かべる。
「そうね。うーん…私のことを心から愛してくれるし、ちょっと変だけど…。それに優しくて、あとかっこいい…ところ、かな」
「かっこいい?」
「うん、だってお勉強もできて背が高くて、涼しげな目元が素敵じゃない?」
「わかんない!」
子どもと言うのは無慈悲だなあと思いながら、アリスのマリアに似た銀髪の頭を撫でる。
すると、突然がさごそと音がしてベッドの下からシュヤンが出てきた。
「シュヤンさん?!なんでそんなところに?!?!」
「パパー!おはよう」
「朝起きて僕がいなかったらマリアさんどんな反応するのかなって思って」
相変わらずのペースでそう言った。
「おはようアリス、今朝も天使みたいに可愛いね。あと、今日は好きなおやつ食べて良いからね」
「やったー!」
シュヤンはアリスの頭を撫でると、マリアの頬にキスをしてぎゅうと抱き締める。
「マリアさんって僕のことそんな風に思ってたんだ。嬉しいなあ、僕そんなことを初めて聞いた。ねえ、他には?他にも好きなところ教えてよ。僕はマリアさんのこの柔らかくて良い匂いするところが大好きだよ…ああ、また食べたくなってきちゃった」
「忘れてください!やめてください!アリスちゃんの前で!」
「んー?ふたりきりなら良いの?」
「…だめ」
「アリス、お小遣いあげるからオリビアとちょっと3時間ぐらいお出掛けしてきたらどうだい?」
「追い払わないで可哀想!ね、アリス?」
「ママとパパらぶらぶね!わたしはいちごケーキとお人形をかってきていいならふたりきりにしてあげてもいいわよ」
…森の主の末裔である人狼のマリアは、夫に愛され可愛い娘に恵まれて、末永く幸せに暮らしたとさ
昨日も散々舐めまわされて気だるい身体を持ち上げる。
結構9年目だと言うのに、彼は恐ろしいほど愛情が冷めない。むしろ増してる気すらする。
シュヤンは言うと、水でも飲みに行ってるのかベッドにいなかった。
マリアは再び眠ろうと横になったところで、扉がギィと開く。
「ママ」
4歳になる娘、アリスだ。
アリスはてこてことやってくるとぎゅうとマリアに抱きついた。
「おはようアリスちゃん、早いのね。目が覚めたの?」
そう尋ねるとこくんと頷いた。
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「えっ?
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「うん、だってお勉強もできて背が高くて、涼しげな目元が素敵じゃない?」
「わかんない!」
子どもと言うのは無慈悲だなあと思いながら、アリスのマリアに似た銀髪の頭を撫でる。
すると、突然がさごそと音がしてベッドの下からシュヤンが出てきた。
「シュヤンさん?!なんでそんなところに?!?!」
「パパー!おはよう」
「朝起きて僕がいなかったらマリアさんどんな反応するのかなって思って」
相変わらずのペースでそう言った。
「おはようアリス、今朝も天使みたいに可愛いね。あと、今日は好きなおやつ食べて良いからね」
「やったー!」
シュヤンはアリスの頭を撫でると、マリアの頬にキスをしてぎゅうと抱き締める。
「マリアさんって僕のことそんな風に思ってたんだ。嬉しいなあ、僕そんなことを初めて聞いた。ねえ、他には?他にも好きなところ教えてよ。僕はマリアさんのこの柔らかくて良い匂いするところが大好きだよ…ああ、また食べたくなってきちゃった」
「忘れてください!やめてください!アリスちゃんの前で!」
「んー?ふたりきりなら良いの?」
「…だめ」
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「追い払わないで可哀想!ね、アリス?」
「ママとパパらぶらぶね!わたしはいちごケーキとお人形をかってきていいならふたりきりにしてあげてもいいわよ」
…森の主の末裔である人狼のマリアは、夫に愛され可愛い娘に恵まれて、末永く幸せに暮らしたとさ
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