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三章【転校生襲来】

お前ら勝手に思い込むな下さい

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皆様こんばんは。アリア・ローゼリッタです。あの後は結局、取っ組み合いになる前にマギィとドードリアさんを引き離して、そしてリーリエさんとルナさんに話を聞くと、全ての行為を自分達がやったと証言を得る事が出来ました。勿論、ドードリアさんは否定をしていましたけれど、私が持って来た証拠とお2人の証言により、最後は反省の色を見せず、さも自分が正しかったと言う様に、今までの犯行を認めてくれました。

先生達曰く、ドードリアさんは退学処分に、リーリエさんとルナさんは停学処分…となりそうだったのですが、会長や先生達、そして被害者である私達が話し合った結果、お2人は1ヶ月の寮内謹慎と言う事に落ち着きました。

私はと言いますと、後夜祭の見回り中です。広い校庭に集まり、キャンプファイヤーを囲んでいる生徒の皆さんを見守っています。


「はあ…怒涛の二日間でしたね…」


思わず漏れた声を気にせず、炎を見つめます。マギィ達は楽しそうにお喋りしてるみたいですね。


「あ、居た」


「え、探してたのローゼリッタさんなの?」


「煩いな。何か問題あんの?」


聞き覚えのある声に後ろを振り返ると、ケンシェルさんとエンニアさんの姿がありました。後夜祭はもう他校生や外部の人は帰っていると思ったのですが…


「アッシュ、さっきの場所居て」


「はいはい。じゃあ僕は失礼します」


「え?」


何かケンシェルさんが直ぐに踵を返して引き返したんですけど…何がしたいんですかね…エンニアさんは怖い顔で私の事見てますし…


「…アンタ、5年前に北の地域来たって言ってたじゃん」


「え、そうですね。言いました」


「その時さ、この蝶見たんじゃない?結構穴場の花畑で」


…どうでしたっけ…正直その辺り記憶が割と…あ、思い出しました!その地域に住んでるって言う女の子に案内して貰っていたんでした!其処で蝶を一緒に見て、その時の蝶をネックレスに落とし込んで…何で忘れてたんですかね…老化?


「確かに見に行きました。女の子に連れて行って貰って」


「…はあ…やっぱか」


「やっぱか…とは?」


溜息を吐いたエンニアさんが、ズイッと私に顔を近付けました。後少しで鼻同士が付いてしまいそうなまでに。え…何故…?え!?


「その時の女の子、オレだから」


「……は?」


「オレの家、一族の決まりで13歳まで女子として育てられんの。昔、暗殺された事が多かったらしくて。だからオレもあの時は女の格好してた。ノエちゃんって呼んでたろ」


確か…私はノエちゃん…ノエちゃんはアーちゃんて呼び合っていた記憶が微かに…え、じゃああの可愛らしい子は…エンニアさん!?


「はは、信じられないって顔してる。まあ、オレもだよ。ずっと探してて、昨日会った時にもしかしてって思った。んで、今日のネックレス見て確信した。会いたかった、アーちゃん」


「そっか…約束したのに、私の体調が悪化して中々行けませんでしたから…」


「そ。アリアって名前を頼りに探した。良かったよ、妹の誕プレ探してて。お陰でアンタに会えたし」


私もまさかでしたね…二重の意味で…


「そだ、明日こっちの宿来るんでしょ?詳しい話は其処でいっか…じゃ、精々頑張れよ~アーちゃん」


「あ、ちょ…」


ヒラヒラと手を振って言いたい事だけ言って帰って行ったエンニアさんの背中をただ見詰めるだけになってしまいました。て言うか、お礼しに行くとは言いましたけど、長居するとは一言も言ってませんよね!?ベルドレッドさんとか間違った情報開示してません!?


〈〈〈お前ら勝手に思い込むな下さい!!〉〉〉
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