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三章【転校生襲来】

お前ら後で覚えとけ下さい

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皆様こんにちは。アリア・ローゼリッタです。ドードリアさんに連れられ、やって来たのは音楽室の物置でした。暗くて埃っぽいですね…


「え、アリア?」


「マギィ?どうして此処に…」


「私はこの人達に呼ばれて…」


倉庫には、先客…と言いますか、無造作に置かれていた椅子に腰掛けているマギィの姿がありました。…嫌な予感がしますし、会長から預かったこれ、使っておくべきですかね…


「アーチは居なかったんですのね…まあ仕方ありませんわ…取り敢えず、貴女達には後夜祭が終わるまで、此処に居て貰います」


「は?」


「それは頷けませんね。私は生徒会の業務もありますし、何より理由が分かりません」


目の前で腕を組んで仁王立ちをしている彼女は面倒臭そうに溜息を吐くと、手に持っている倉庫の物であろう鍵をクルクルと回し、つまらなそうに口を開きました。


「邪魔なんですもの。貴女達」


「エリザベス、どういう事?」


「私、許せませんのよ。高貴な貴族の子どもが通う学園に、賤しい庶民が居るのも、身分が不釣り合いにも関わらず、勘違いして男性に擦り寄る泥棒猫が居る事も」


…私とマギィやミシェルさんの事言ってますよね?何ですか泥棒猫って。て言うか、生徒会に身分関係無いでしょうに…


「私が態々言葉を掛けて上げたのに、貴女達は大人しく言う事を聞かなかった。だから忠告をしてあげたんですわ」


「その忠告がマギィの教科書をボロボロにしたり、手に火傷を負わせたり、私達を真冬の倉庫に閉じ込める事ですか?」


「其処までしないと分からないのでしょう?貴女達の様に馬鹿で愚かな女は」


本当に全部貴女の仕業だったんですか…一周回って尊敬しますよ。悪びれもしないでそんな事言えるなんて。


「この後、全校生徒の前で言いますわ。この準備時間中に、貴女達に脅された…と。一連の犯行を自分の所為と言わないと学園での居場所を無くしてやるって」


「…私達を閉じ込める事に関係あるの?」


「大アリですわ。やっぱり貴女は馬鹿なのね。つまり、貴女達は後夜祭が終わるまで此処から出られない。アリバイはゼロですわ」


成程…アリバイが無く、しかも後夜祭まで欠席となると怪しまれますね。そして、どうこう理由を付けて、此処にいる私達を教員が発見すれば終わり。彼女を脅して、それを言われる事を恐れた私達が隠れたと言う事に出来る。かなり無理矢理ではありますが…


「アーチが居ないのは誤算でしたが…まあ、ローゼリッタが居なくなれば、生徒会の座は私の物ですわ!」


「…エリザベスちゃん…これは…」


「さあ、行きますわ…よ!!」


ニヤリと笑ったドードリアさんが、私とマギィを強く突き飛ばして、私達の体が奥へと移動した隙を突いて、素早く扉を閉めて施錠をしました。巫山戯ないで欲しいんですが…


「次会う時は、貴女達の退学処分の時かしら!オホホホ!それでは御機嫌様!」


「…何なの本当…」


「兎に角、出る方法を探しましょうか」


にしても…良い証拠が出て来ましたね。これ。会長に感謝しなくては。


〈〈〈お前ら後で覚えとけ下さい!!〉〉〉
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