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三章【転校生襲来】

お前ら見せ物みたいに見るな下さい

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皆様こんにちは。アリア・ローゼリッタです。今現在、目の前で姉妹校の生徒の方と副会長の間で険悪な空気が流れています。居た堪れなすぎて先に行きたいですね。


「おやおやイリナ君。暫くだな」


「イリヤです。其方こそ、今日は如何しましたか?」


「ははは、俺とした事が名前を間違えるとは…済まないな」


両者目が笑ってないですよ…此処だけ空気張り詰めてますし…側から見てる人達は美形に釣られて見に来ている様ですけど…


「後ろの子、初めて見るけど…婚約者か?良い御身分で」


「違います。彼女は生徒会役員です。今は見回りの最中でして」


「成程。それは失礼を。初めまして。俺はクロード・ベルドレッド。此処の姉妹校エストレラ学院の生徒会長だ。君は?」


この人ってこんな友好的でしたっけ?私のイメージもっと冷徹で他人に興味ない人だったんですけど…


「生徒会役員のアリア・ローゼリッタと申します。ベルドレッド会長ですね。よろしくお願いします」


「ローゼリッタ…?もしやヴィンセントさんの娘か?何故エトワリアに…」


「もうよろしいですか?見回りに行かなければならないので」


あ、副会長が間に入ってくれました。こう言う時、副会長は凄く安心感がありますね。何となくですけど。


「まあまあ、待つと良い。アリア・ローゼリッタさん。君は、エストレラに来る気は無いのか?父上はエストレラの主席の卒業生だ。此方に来た方が良かったろうに」


「友人達とこの学園に進むと決めました。それに、父の名に肖り学園生活を送る気もありませんでした。私は私です。親の七光りでは無く私自身の評価をして貰いたかった。お誘いは大変有り難いですが、エストレラ学院へと行くつもりは毛頭ありません。時間がありませんのでこの辺りで失礼致します。行きましょう」


「あ、嗚呼」


唖然とするエストレラの会長の横を素通りすると、副会長の微かな笑い声が聞こえました。何故?


「良く言い返したな。五大貴族の1人なのに」


「最近は五大貴族の会長に意見を言ったり、カミュ先輩にお手伝いをお願いしたり、ドードリアさんと揉めていますからね」


「それは…怖い物が無いな」


動かなくなっていたエストレラの会長さんは着いて来る様子が無いので、やっと見回り集中が出来ますね。でも、先程の騒動から、周りからの視線は凄く集まっていますが…


「まさかアリアが目を付けられるとは…あの人彼処までグイグイ来る事中々無いのにな」


「そうなんですか?」


「嗚呼、いつも嫌味っぽく突っかかって来るのが主だ。はあ…出し物の時、来ない事を願うしかないな」


見回り再開出来たのは良いんですけど、視線!視線が凄く痛い…あー、副会長とさっきの事件の所為ですね…はあ…既に気持ちが憂鬱です。


〈〈〈お前ら見せ物みたいに見るな下さい!〉〉〉
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